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久しぶりにJohn ZornのCDを買った②

 続々ZornのCDが届いてきたので紹介していきます。今回買ったCDはこちら Simulacrum祭り開幕してます。

John Zorn - Interzone (2010)
Insurrection - Salem 1692 (2018)
Simulacrum - Simulacrum (2015)
Simulacrum - The True Discoveries Of Witches And Demons (2015)
Simulacrum - Inferno (2015)
Simulacrum - The Painted Bird (2016)
Simulacrum - 49 Acts Of Unspeakable Depravity In The Abominable Life And Times Of Gilles De Rais (2016)
Simulacrum - The Garden Of Earthly Delights  (2017)

John Zorn - Interzone

As:John Zorn Key:John Medeski Gt:Mark Ribot Dr,Vib:Kenny Wollesen Per:Cyro Baptista Ba:Trevor Dunn Electronics:Ikue Mori
 メンバーはZornお気に入りのいつメン達でElectric MasadaとDreamersの中間の様な編成。実際#3の途中から露骨にElectric Masadaになりますしね。
 帯にWilliam Burroughsへの愛が語られている通り彼に捧げたアルバムの様です。Burroughsはバラバラにした文章を再構築するカットインという技法で有名で超が何個もつく変態です。(変態エピソードは割愛しますので調べてみてくださいませ)大学生の時にBurroughsに興味を持って、裸のランチとソフトマシーンを買って読んでみたことがありましたが完走することなく今でも本棚の肥やしになっています。クローネンバーグが監督した裸のランチはそれなりに面白い映画でしたが小説の方はやっぱり意味わからなかったです。カットアップはZornがよく作曲に取り入れてることからもわかりますがBurroughsが元ネタなんでしょうね。アルバムの方は#1が15分#2が27分#3が11分と長曲3曲でそれぞれキメキメのかっこいいパートも勿論あるんですが、全体的にカットアップ満載の不穏な雰囲気でWollesenとIkue Moriがかなり仕事しております。このCDは元々持っていてZorn作品の中でも相当上位に食い込む好きなアルバムなんですが誰かに貸したっきりで手元に無かったので書い直したわけです。かなり久しぶりに聴いたんですが改めて打ちのめされました、John Zornってサックスうるさいでけでしょって思っている人にこそ聴いてほしいですね。新たな嫌悪感が生まれそうだけど。

Insurrection - Salem 1692

Gt:Julian Lage Gt:Matt Hollenberg Ba:Trevor Dunn Dr:Kenny Grohowski
 Tzadikメタル三人衆+Julian Lageの変なカルテットの作品。このメンバーでInsurrectionというアルバムを一枚リリースしております(そちらは未聴で届くの待ち)作風はメタルというかHRというかZorn特有のやつ。Julian Lageにメタルやらせるなんて何考えてんだよと思いましたが聴いてみたらなかなか面白かったです。意味わからんフレーズの高速ユニゾンやカオティックな演奏が多くて、普段のLageとは大分かけ離れてはいますが音色や要所要所のプレイは紛れもなくLageという聴いていて脳みそバグること請け合いです。#7や#9ではいつもの綺麗なLageが聴けてHollenbergとの掛け合いが素晴らしい。

Simulacrum - Simulacrum

Organ:John Medeski Gt:Matt Hollenberg Dr:Kenny Grohowski
 記念すべきSimulacrumの1枚目でこの時点でSimulacrumの音がしっかり出来上がっております。#1,#6が10分くらいで残りの曲が3~5分。1枚目から怒涛の展開で慣れるまでは置いてけぼり確定のやつで感じろ系。他のSimulacrumのアルバムに比べるとオカルトっぽい雰囲気の曲が多い気もしないでもないけど、アルバムごとにおまけのメンバーが出入りしてるだけでそこまで違いはないかな?#6のThe Divine Comedyが最高、めずらしく音源あがってたので貼っておきます。


Simulacrum - The True Discoveries Of Witches And Demons

Organ:John Medeski Gt:Matt Hollenberg Dr:Kenny Grohowski Gt:Marc Ribot Ba: Trevor Dunn
 Simulacrumの3人にいつものRibotとDunnがゲストで参加している2枚目。音色だけでわかるRibotとDunnのおかげで厚みが違うのはもちろんなんですが特筆すべきは#10のMirrors Of Being。Simulacrumの音というよりかはDreamersに近い音でGt2人のユニゾンであったり各々のエモいソロプレイなど聴きどころがたくさんあってこの1曲だけでアルバムを聴く価値があります。こういう系統のアルバムにDunnがいるだけで迫力が全然違いますね、めちゃくちゃ良い仕事してる。こちらも動画あったので是非。


Simulacrum - Inferno

 Simulacrumの3人なんでメンバー紹介はそろそろ省きます、3枚目。なんかわからんけどMoon Childっぽいリフが多くて他のアルバムに比べると硬派な曲が多い印象。20分あるタイトル曲も仰々しいオカルトな雰囲気でかっこいいんですが他の短めの硬くてちょいエモい曲もかっこよくて意外とバランスいい。ただ他のSimulacrumの作品に比べるとちょっとパンチが弱いかもですね。#6,#7が好き。

Simulacrum - The Painted Bird

 Simulacrum+Vib:Kenny Wollesen Conga:Ches Smith、ゲスト参加の4枚目。Wollesenは説明不要だと思いますが、Ches Smithは最近Tzadikから度々リリースしてるドラマーでモダンジャズっぽいユニットによく起用されたりしています。Zornのこういうサウンドに慣れすぎてて忘れてましたがヴィブラフォン入ってるメタルって何やねんって感じで少し取っ付きにくさがあります。オルガンとヴィブラフォンの浮遊感+ゴリゴリのギターとドラムの不思議な組み合わせでなかなか面白かったです。Ches Smithはどこにいたのかよくわからんかった、すまん。動画はあったけど貼るのがめんどくさくなってきたので省きます。


Simulacrum - 49 Acts Of Unspeakable Depravity In The Abominable Life And Times Of Gilles De Rais

 Simulacrumの5枚目。色々なミュージシャンがゲストとして出入りするこのユニットですが今回は純粋に3人で演奏してるアルバムです。変と言えば変なんですが周辺作品を聴いた上で聴くと比較的真っ当なオルガンメタルに聴こえます。初めは「かっこいいんだけど印象に残る曲が少ない中堅アルバム」っていう印象でしたが結構スルメアルバムで聴きやすく直球でかっこいい短めな曲が揃ってるので大分気に入りました。Simulacrum入門にいいかもしれないですね(誰が入門するんだ)#6、#7が好き。#6はHollenbergのエモいギターソロが聴きどころ、そんなこともできたんだ〜ってなります。

Simulacrum - The Garden Of Earthly Delights

 Simulacrum+Ba:Trevor Dunn Vo:Sara Serpa(#10)の6枚目、2回目の登場Dunnと1曲だけヴォーカル入り。なんていうか絶妙にコメントに困るやつで、つまらなくはないんだけど特別印象に残らないアルバムでした。短期間にSimulacrumを摂取しすぎたのかもしれませんが。たまにはこういうアルバムがあっても当たり前ですよね〜、お気に入りは#3、#6あたり。
 
 まだまだCD届きますので続きはまた次回。

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