2020年でよかったアルバム

書き終わって読み返してみたら全部早口で言ってそうで悔しかった。ようつべのリンク貼っとくから気になったら聴いてちょ。

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「The Call Within」-  Tigran Hamasyan
ECMから脱獄してきた我らがTigran Hamasyan。ここ最近のECMから出していたガチアルメニア民族音楽みたいなのは正直全然わからなかったけど、ベースにEvan Marien、ドラムにArthur Hnatekを引き連れて出した今回のアルバムは好きだった頃のHamasyanでした。先行公開されたLevitation 21を聴いて小躍りした人が続出したと思います。ゲストもかなり豪華で懐かしのAreni AgbabianやArtyom Manukyan、そしてなぜか都心網走(Tosin Abasi)。ECMに幽閉される前のアルバムに比べるとさらに複雑になってて反動を感じる。ちなみにECM自体はめちゃくちゃ好きです。

Tigran Hamasyan - New Maps
https://youtu.be/mo7miuAHBbo

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「Solitude」- Cloudkicker
ぼっち宅録Post-Djentお兄さんBen Sharpの新譜。マスくてミニマルでDjentしててエモい。ここ何作かはPost-Rockに重点を置いたアルバムが多くて、なんとなく物足りなさがあったんだけど今回はかなり重ため。勿論Post-Rockやってるアルバムもいいんだけど初期の頃みたいなこういう激し目のCloudkickerが聴きたかったので嬉しい。1曲目からMeshuggahの I のイントロを思わせるリフでイェンスの顔マネしながら五体投地しちゃった。これまでのアルバムの中だと後述のSubsumeに似てるけどジャケットも相まってもっと重たい印象。MeshuggahがSunn o)))をゲストに呼んでSigur Rósのカバーやったのかと思った、この例え全然上手くないけどそんな感じです。特に#8「Banqiao」が凄まじい、部屋真っ暗にして爆音で聴くのが吉。

Cloudkicker - Banqiao
https://youtu.be/_64KEttSWVM

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「Subsume (2020remaster)」- Cloudkicker
新譜ではないけどおまけとして。こちらは2013年に出したアルバムのリマスター。元の方は長曲含む4曲の構成だったけどこれは組曲に分けられててELPのタルカスみたいになった、さっきから例えが下手です。これこそPost-Djentという出来でめちゃくちゃ完成度が高くて好きなアルバム。分かれてないと曲名とてつもなく長い、聴き比べてないけど音よくなったんでしょう。

Cloudkicker - A Weather Front Was Stalled out in the Pacific -- Like a Lonley Person,Lost in Thought Oblivious Of Time.
https://youtu.be/v5Y7SfcWBT0

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「SPAVEN X SANDUNES」- Spaven x Sandunes
うろ覚えの知識ですがFlying Lotusのツアメンだったり?Cinematic Orchestraからお墨付きもらってたり?でJordan Rakeiと仲良しなUKのドラマーRichard Spavenがインドのお姉さんSanaya Ardeshiと作ったアルバム。UK Jazzって自分にはオシャンティーすぎる気がしてあんまり聴いてこなかったんだけどSpaveだけは好きで聴いてます。これの前の2つのアルバムが永遠に聴いていられるアルバムでとても好きなんだけどこれもまた良き。よく機械みたいに叩くドラマーなんて言い回しするけどSpavenの場合は「この機械、人間のマネうめぇな」っていう感想。ひとつひとつの音が気持ち良くてBrian Bladeくらい好きなドラマー。前のアルバムも併せてどうぞ。

SPAVEN X SANDUNES - Tree Of Life
https://youtu.be/wr9ok1P8lII

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「XD」- Immortal Onion
今年どハマりしたポーランドのバンドの新譜。系統としては幽閉前のTigran Hamasyan、Avishai Cohen Trio、Phronesis、E.S.T.あたりの拍子が複雑で凝った展開してて良い感じにエモい曲やってるピアノトリオ。完全に私さんホイホイ。みんなめちゃくちゃうまいんだけど特にベースが多才でウッベの時はCohenの方のAvishaiばりにボディ叩いてリズムとったりアルコうまかったりなんだけどエレベに持ち替えたらタッピングしまくり、なんならベース弾かないでシンセ弾いてるときあるからね。こうやって書くとこれAvishaiじゃね?って思ってます。1枚目のアルバムのライブ盤も最高だし、ついこの間出たEPではこのアルバムの曲のライブ版とリミックス?と新曲が入ってて全部良いので気になった人はそちらもどうぞ。このバンドはライブの時のアレンジが結構凝ってて面白いのでスタジオ盤と聴き比べるのも楽しい。ちなみにどっちのAvishaiもCohenです。

Immortal Onion - Eye Tracking
https://youtu.be/6Cxuwm7STEs

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「Call For Winter」- Daniel Herskedal
ノルウェーのチューバ、トランペット奏者Daniel Herskedalのぼっち多重録音のアルバム。雰囲気ECMっぽいけどEdition Recordsから。ここ数年のEdition Records特にアツいので追ってみると面白いと思います。タイトルとジャケットの通りな曲調で永遠に聴けるアルバムで、ミニマル感もあってジャズっていうよりポストクラシカルの方が近いかな。特に根拠はないけどNils Petter Molvaer好きな人は気に入りそうです。この曲が良いっていうのも勿論あるんだけど、取り敢えず聴き流すか〜くらいの気持ちで再生してみるといいかも。2015年にEdition Recordsから出したアルバム「Slow Eastbound Train」の1曲目も1人多重録音で作った曲で、その延長にあるアルバムだそうです。聴いてみると確かに今作に普通に入ってそうな曲でした。他のアルバムだとぼっちじゃないので気になる人はそちらもどうぞ、Marius Nesetと仲良いのもなるほどなって音です。どうでもいいけどジャズでチューバって珍しいよね。

Daniel Herskedal - The Cliff Nest
https://youtu.be/1SoMjkD8lHg

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「Here Be Dragons」- Oded Tzur
イスラエルのテナーサックス奏者Oded TzurのECMデビュー作。ECMからアルバム出すニュースを見て湧いてたオタクがいたとかいないとか。メンバーはピアノにイケメンNitai Hershkovits、ベースはアルバムが軒並み良くて大好きなPetros Klampanis、ドラムは今年Kenny BarronとDave Hollandのアルバムに参加してたJohnathan Blakeという売れっ子集団。ここまでECMに合う音を出すサックスってなかなかいないんじゃないかなってくらいとても合ってます。Oded Tzurのプレイも勿論いいんだけど個人的にはNitai君が最高。Elvis Presleyのカバーもアルバムに合っててとても良い。いい曲挙げたらきりが無いので取り敢えず表題曲を。

Oded Tzur - Here Be Dragons
https://youtu.be/_UNY4cKs_CU

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「Omega」- Immanuel Wilkins
アメリカの若手サックス奏者Immanuel WilkinsのBlue Noteからのデビュー作。Noam WiesenbergのRoads DivergeやHarish RaghavanのCalls For Action、Joel RossのKingmaker、Who Are You?などここ数年の話題になったアルバムに参加していて、ライブ動画でもよく見かけるけどリーダーで出してないんだな、と思っていたところで出た待望のアルバム。待ってた人多いよね?もう音聴いただけで「あ、これイマニキじゃん」ってなるくらいには聴いてた。特に#1、#5、#7はBrian Blade FellowshipやEric Harland Voyager、Harish RaghavanのCalls For Actionみたいなスケール感があって好きでした。多分ピアノのMicah Thomasがいい仕事してるんだと思います。ちなみにこの人の今年出したリーダー作も良かったです。Immanuel Wilkinsはプレーヤーとしてもすごいけどコンポーザーとしてもすごいことがわかるアルバムでした。ていうか22歳のジャケの写りじゃねぇぞ。

Immanuel Wilkins - Grace And Mercy
https://youtu.be/OS0B-8gIBiA

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「Shiver」- Jónsi
Sigur RósのフロントマンJónsiのソロアルバム2枚目でゲストにCocteau TwinsのElizabeth FraserとスウェーデンのシンガーソングライターRobynが参加。Elizabeth Fraserと言えばMassive AttackのTeardropでお馴染みの人で、よく聴いてたのでテンション上がりました。TeardropはBrad Mehldauの10 Years Solo Liveとかトランペットの方のAvishai CohenがBig Viciousでやってたり意外とJazzでも取り上げられてる曲です、あんまり合ってないと思うけど。(Avishaiの方は正直笑った) アルバムの方に話を戻すとジャンルはポストロックぽかったりトリップホップぽかったりなんだけど、Jónsiワールド全開で聴いていると言葉にできない感情になれます。暗いんだけど明るくて寂しい感じもするけど満たされてて幸福感があるようなそんな感じ。何言ってんだこいつってなったと思うんですけど自分でも思ってます。Sigur Rósは勿論好きなんだけど熱心に聴いてきたわけじゃないので、特別な思い入れとか抜きにしてこのアルバムはすごいと断言できます。イチオシ。

Jónsi - Exhale
https://youtu.be/U44-xky1vjw

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「High Heart」- Ben Wendel
友達が多すぎるサックス奏者として知られるBen Wendelの新譜、Edition Recordsから。メンバーはShai Maestro、Gerald Clayton、Joe Sanders、Nate Wood、Michael Mayoという、ぼくのかんがえたさいきょうのばんど。前作SeasonsでもぼくのかんがえたさいきょうのばんどをやっていたWendel君がまたやらかしてます。ジャズのアルバムだとメンバーは豪華だけど実際そんなに面白くないものって正直割とあるんだけど、これは完全にバンドとしてまとまった方向性の音で、それぞれの見せ場もあってものすごく良い。Kneebodyあんまり聴かないからってSeasonsだけやってろって言ってごめんなさい、これからはSeasonsとHigh Heartだけやってください。Burnig Brightの4:52からのシャイ君がやばすぎて昇天しかけた。

Ben Wendel - Burning Bright
https://youtu.be/-LCcephMQWI

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「Some Kind Of Peace」-Ólafur Arnalds
アイスランドのポストクラシカルお兄さんÓlafur Arnaldsの新譜。ゲストにアイスランドからJFDR、イギリスからBonobo、ドイツからJosinが参加。正直Bonoboしか知らなかったけど#5 Back To The Skyで聴けるJFDRの歌やべぇなってなりました。ここでどういうアルバムだとか書くよりApplemusicに詳しく書いてあるのでそちらをどうぞ。シネオケとか好きな人は絶対好きだと思います。

ólafur arnalds - back to the sky
https://youtu.be/SwX4b8ohI5o 

他にも良いアルバムたくさんあったし、まだまだ聴ききれてないアルバムもたくさんあるけど取り敢えずこの辺で。








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