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マイホームって必要?

結論から言うと、その人にとって、何に代えても絶対的に必要な理由があるなら必要だと思う。

人それぞれ、人生観や価値観は違う。

何に重きを置いているかは分からないし、個人の事情はそれぞれなので、安易に「低収入なのにマイホーム買う奴は思考停止の情弱w」というつもりは無い。

親に買ってあげたい人もいるだろう。家族の命を案じて地震にめちゃくちゃ強い家を建てたいという拘りのある人もいるだろう。一括で買えちゃうようなお金持ちもいるだろう。所得税の減税を狙っている人もいるだろう。

そういった納得できる理由・背景があるなら大いに結構だと思う。

しかし、多くの人にとってマイホームを所有する事は経済的合理性が無い。

まず、マイホームを買うという事は、自分仕様の家を入手する代わりに、長年の家賃を前払いで支払っているだけに過ぎないからだ。

それだけでなく賃貸の場合は、大家さんが維持コストを支払う義務があり、何か問題があれば解決してくれるわけだが、マイホームを持つと所有者に対して維持コストがかかってしまうデメリットがある。

例えば、賃貸なら部屋にある備品(エアコンやトイレ)が壊れれば大家さんが直してくれるが、マイホームを所有すれば全て自分が責任をもってやらなければならなくなる

そういった金銭的・時間的・労力的なコストも余計に掛かってしまう事から、発生する支払いはローンだけではない。

つまり、真剣にマイホームを購入するにあたって細かく計算すれば、賃貸よりもずっと割高な買い物をしている事に気づくだろう。

一般的にマイホームを購入する際には、足りない分を借金して、後にゆっくりローン返済をしていくパターンが多いだろう。

しかし、ローンを組んでる時点で、自分に名義があったとしても、代わりにローン会社が一括で支払ってくれている状態なので、消費者はローン会社に返済義務がこれから先ついてまわるし、万が一不測の事態に陥ればローン会社に差し押さえられる状況というわけだ。

つまり、マイホームとは名ばかりで、ローンを完済していない人の場合は、完全に自分のモノになっていないと言っても差し支えない。

さらに忘れてはいけないのが、一般的にローンを組んで入手する自動車、これらは耐久消費財である事だ。

これらは手に入れた時点で減価するし足を踏み入れた時点でも減価する

つまり、長く住めば(使えば)経年劣化あるいは消耗によってどんどん価値は目減りしていく時間的にも物理的にも寿命がある商品という事だ。

まとめると、経済的・投資的な観点でいうなら、マイホームを買うという事は、これから減価していく商品を高値で掴まされているといっても過言ではないということだ。

さらに、この国は災害大国だ。

いつ、何が、どこから降りかかってくるか分からない。

地震、津波、洪水といった自然災害リスクにも晒されている。

中には地震保険などのリスクヘッジ商品は存在する。しかし、それが不動産の価値を元に戻すわけではないし、中途半端で小規模な災害でもダメージは蓄積する。つまり、保険という要らぬサンクコストまで掛かってしまう。

また、日本の人口はこれから減少していき、2025~2030年ぐらいから空き家問題や住居の廃墟化が目立つ公算が大きいとも言われている。

都心の一等地ならば、今後も不動産価格が安定している可能性は高いだろう。しかし、それ以外の場所では数十年後に価格がどうなっているかなんて誰にも分らない。怪しいものだ。

つまり、マイホームを所有するという事は、いくつものリスクや負債を抱えてしまうというわけだ。

結局、多く人にとって負債を抱えるという事は、気づかないうちに貯蓄が目減りしている事になる。それはローン完済するまでずっと続く

人は自分を律する事でお金の減少をある程度までは軽減(節約)できるのに、負債を抱えてしまう事で、投資金の捻出が難しくなり、今後お金を作る上で邪魔な要因となる。

さらに、20代~30代前半の若い人なんかは、これから最もお金が必要になる時期なのに、ローンの返済がずっと続くという事は(人生のビッグイベントやライフスタイルの変化といった)未来の可能性さえも自ら閉ざしてしまっている事にもなるだろう。

彼の有名な投資家cis氏(資産230億)でさえ、不動産は罰ゲームだと切り捨て、マイホームを持たず、賃貸で暮らしているくらいぐらいだ(さらに彼は持ち家より賃貸の方が身軽だと語ってる)

若いうちにマイホームに固執して所有しようとする人達は、「それは本当に必要なのか?」「見栄、所有欲、憧れ、といった安直な感情・理由だけで欲しいと思っていないか?」「マイホームを所有するという事はどれだけコストがかかるのか?」を振り返って、よく考えた方がいい。

まだ慣れていない部分もありますが、サクッと読める記事を目指します。