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日記:空き家再生のお手伝い

本日は、私も会員として参加する、空き家再生のオンラインサロン「空き家レンジャー」のパイセン、Ghensanの物件にお邪魔し、再生活動のお手伝いをしてきた。その徒然日記だ。

「空き家レンジャー」とは

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空き家レンジャー」は、会員のアイデアや技能を持ち寄ってDIYするなど楽しくワイワイと空き家を再生していくことで、国家レベルの課題となっている空き家問題の解決の一助になろう、というサロンである(あれ、合ってるかな・・)。

本日現在、サロン会員は全国津々浦々に114名。発起人の居住地でもあり会員の多くが集う、西湘地域を中心として会員さんの再生物件が進行している。他の会員のアイデア出しやお手伝いのパワーを集めながら、その過程もシェアされていく。アイデアや労力の贈答で再生を進めながら、その経験や実績を会員間でシェアして高め合っていくようになっている。

・・・とか、偉そうに書いてみたものの、私自身は、幽霊部員状態だった。このサロンの立ち上げ当初から会員になり、初期にはなんどかオンライン会議など参加していたものの、その後に自分自身の身の振り方を決めるのに忙しかったり、なかなか西湘地区に足と目が向かなかったこともあり、実質的に活動参加できていなかった。
だから、私自身は、まだまだこれからのピヨピヨ会員なのである。

ちなみに、各会員は、固有の色を持っている。元祖戦隊ヒーローの「秘密戦隊ゴレンジャー」をオマージュしている、と考えて頂きたい。例えば、空き家レンジャーの発起人は「ピンクレンジャー」だし、その息子さんは「アカレンジャー」である。
ちなみに私は、「すだちレンジャー」。そう、114人も居るので、メジャーな色名は被ってしまうことから、聞いたことも無いオリジナルカラーのレンジャーも多く所属するのだ。

Ghensan物件へGo!

そんなピヨピヨ会員の私も、徳島県のとある廃校の事例をサロンで紹介し、活用アイデアを議論する機会を貰った。先日、オンラインで行われたその回で、ひときわキャラとトークが際立っていて、私がハートを持っていかれたのがGhensanだった。

Ghensanご自身、神奈川県南足柄市に、ご親族が遺された空き家物件をお持ちで、まさにこれから再生に掛かるということ、またそのお手伝いの募集がサロンで行われているのを知って、即決で飛びついた次第である。
(私の決断行動は、いつも大抵、即決で飛びつく。)

もう何十ぺんも通った伊豆にも近いし、妻の勤務先の一大拠点も極めて近い、ということから、ほとんど行ったこともない南足柄には謎の親近感を覚えた。

本日、9時前に車で自宅を出て、環状八号から東名高速に乗る。途中、お決まりの渋滞にはまりつつ、11時を少し回ったところで、現地に到着した。
そこは、伊豆箱根鉄道・大雄山線の大雄山駅にほど近い、まちなかであった。

「ハウルの動かない城」、そこはワンダーランド

お土産のすだちと炭酸水を片手に、通称「ハウルの動かない城」ことGhensanの再生物件の前へ。

・・・。
入口が3つもあって、どの戸を叩いたら正解なのか、判然としない。なんとなく、一番奥にあって、インターフォンが付いている戸に格上の雰囲気を感じ取って、ピンポンを押す。しかし、待てど中から応答は無い。

うーん、外観から言って、これしか無いんだけどなぁ。と炎天下で困惑していると、私が見落としていた、一番手前のガレージから、Ghensanが現れた。なるほど、扉は4つあって、稼働しているのは私が見落としたガレージだったのか!と感動する。

Ghensanによると、本日は、私のほかに3名来る予定だそうだ。挨拶もそこそこに、ひとまずマンツーマンで、物件内部を案内いただく。内部を見ると、外観以上の驚き。

もともと、ご親族が建築士さんだったそうで、増改築を繰り返して複雑な作りになっている、ということだった。なるほど確かに、台所が3つあるとか、ガレージの2階・3階がトムソーヤのツリーハウスみたいになっているとか、その増改築の歴史を感じさせてくれた。男の子が大好きな、「秘密基地」のようなモザイク感。

「足柄古道万葉うどん」

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そうこうするうちに、他のお手伝いの3名の方も到着、Ghensanによる物件案内と少々の作業のあと、Ghensanオススメの「足柄古道万葉うどん」へ。休日の昼のためか、大変混雑していたが、無事に食すことができた。私は「とろろうどん」の替え玉1回を頂いた。

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今回のお手伝い参加には、香川県丸亀市出身の清涼系・若手弁護士「うどんレンジャー」も参加されていた。うどんレンジャーとうどん談義に花咲かせ、「うどん&すだち」企画を是非やろう、と意気投合。讃岐うどんのメジャーパワーを借り、すだちを「マイナー柑橘」から柚子並みにメジャー入りさせることを夢見る。

ちなみに、うどんの順番を待つ間、Ghensanが近くの滝へ案内してくれようとしたが、狭い山道の行く手で、消防車両と警察車両の大行列。どうやら、山岳遭難があった模様で、救急車が赤色灯を回して山道を下って行った。その隊列を待っていたら、すれ違い不能な狭い山道に、昇りと降りで車の行列が。これは滝まで行くとうどんを食い損ねる、と断念して引き返す。私は、神奈川県警の山岳警備隊?の制服のチェックシャツを見られて満足していた。

いよいよ、本格的に作業を開始。いざ、台所へ

うどんを堪能した後、再生物件に戻り、各自持ち場で作業を開始。・・といっても、この時点ですでに14時半になっていた。

私は、台所の片付け&洗浄を担当。
水場が汚いと女子が来ず、女子が来ないと男子も来ない、という「黄金のカスケード現象」を逆手にとろう、という魂胆である。

長年、家庭の大掃除で、換気扇および水場の徹底洗浄を担当してきた経験と技能を生かして、ご親族が生活していた当時のまま塩漬けされた台所を、一つ一つ根気よく、洗浄していく。
この手の作業は、2年前の大雪で伊豆高原の雪を掻いた時にも感じたが、仏門の修行に相通ずるような気がする。累々と積み重なる気の遠くなる課題に気を滅入らせることなく、心を鎮め、いずれ自分の作業の累積の先に「完了」の境地が待っていることを信じ、黙々と目の前のものを片付けていく。

途中、Ghensanが買ってきてくれたコーヒーでブレイクを入れつつ、約2時間半、作業に没頭。こびりついた積年の油汚れも、マジックリンの化学的パワーと、私のごしごしパワーで、相当落とすことが出来た。
あー、重曹かセスキ炭酸ソーダを持ってくればよかった、と感じつつも、我ながらまずまず満足のいく結果を残せた。よし、次回はトイレだな。

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とっておきの山の中の温泉へ

他のメンバーの作業も上々に仕上がり、棚など目に見える成果物ができて、一堂満足。17時過ぎ、Ghensanの案内で、モダン湯治スタイル「おんり~ゆ~」で温泉を頂く。近くの渓流を眺めながら、美肌効果のあるアルカリ泉を堪能した。

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そのあと、Ghensanの実家を経由して、一堂私の車で小田原駅へ。小田原に用事のあるGhensanとお手伝いメンバー2名と小田原で別れ、うどんレンジャーを千歳船橋駅へお送りし、帰宅。

高いハードルを越える原動力は、ビジョンと仲間

今回、大変な微力ではあるが、Ghensanの再生物件の作業の一端をお手伝いして感じたこと。それは、高いハードルを越える原動力が、ビジョンと仲間だな、ということだ。

ご親類の長年の住まい件事務所で、現状有姿で譲り受けられた物件なので、当然ながら、掃除や整理や改造が必要な状態だ。むろん、Ghensanもこれまで地道に作業を重ねてきているのだが、まだまだ道乗り長し、の感もある。

しかし、Ghensanには、ここをこう活用したい、というビジョンがある。
だから物事は動くし、人も動かす。ビジョンがあって、それが他者にも
魅力あるイメージとして伝えられると、おそらく一人の人間が持つ気力や体力以上のものが具現化されていくんじゃないだろうか。

さらに、仲間の存在も大事だな、と感じた。
一人黙々と孤独に打ち込んでいくことも、もちろん大事だとは思う。徹底的に当事者意識を持った人が、誰がチャチャを入れようとも折れずに進める、という芯が無いと、難しいことは進まないのは自明だろう。
しかし、ずっと一人でやっていくには、限界があると思う。戦隊ヒーローシリーズの「太陽戦隊サンバルカン」のエンディング歌『若さはプラズマ』では、こう歌われている。

♬一人より二人が良いさ、二人より三人が良い。
 力も夢も、そして勇気も、
 それだけ強く、でかくなる。
 (中略)
 君がもし、一人だったら
 今すぐに、仲間を探せ。
 空っぽの手を、握り合うのさ。
 一緒に明日へ、行くために♬

今回、Ghensanと、それに私を含むお手伝い4名が集ったことで、もしかしたら気が滅入る作業も、楽しく進めることができた。私の水場大作戦だって、他の4人に「見てみて!キレイになったでしょう?」と言いたい、という気持ちが大いに原動力になっていた。これが、一人っきりであったら、果たして同じように黙々と作業を進められていただろうか。全く自信が無い。

と、いうことで、我ら空き家レンジャーは、サンバルカン精神のもとに、今後も支え合って頑張っていきましょう!と思った。

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