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【MTG】イゼット天啓 パーフェクトガイド【スタンダード】

10/15 最新リストを追記
10/17 マリガン判断を追記、最新リストを追記
11/19 最新リスト、想定メタゲーム、マッチアップガイド&サイドボーディングを追記(『イニストラード:真紅の契り』環境対応)
11/25 最新リスト、マッチアップガイド&サイドボーディングを追記
12/2 最新リストを追記、"イゼットワープ"を"イゼット天啓"に修正
12/24 最新リストを追記
1/26 カード採択や思想あれこれを追記

◆はじめに

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初めましての方は初めまして。いつもお世話になってる方はお疲れ様です。
てんさいチンパンジーこと増田 勝仁です。

今回、今が旬の【イゼット天啓】のデッキガイドを書きました。
この"最強デッキ"のガイドを皆さんに最速でお届けします。

本記事は一部有料となっております。
無料部分だけでも内容が完結するように執筆していますが、有料部分も含めるとより楽しめる内容になっています。
過去には個人ブログや晴れる屋様へ寄稿した記事がありますので、無料部分と併せて本記事の購入の参考にして下さい。
これらのブログ/記事はすべて無料です。

▼過去のブログ/記事
タイトルとか考えてなかった
旧ブログ。デッキガイドがメインで、たまにカードレビューや調整録について等々、あれこれ書いていました。

ナヤフューリー完全デッキガイド ~日本選手権の頂きに立つ者~
日本選手権2021 Season1 で優勝した時に使用した【ナヤフューリー】のデッキガイドです。


◆環境おさらい

初めに現在のスタンダード環境を簡単におさらいします。
現在のスタンダード環境は大きく分けて3つのデッキが存在します。

【緑単アグロ】

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《群れ率いの人狼》や《老樹林のトロール》といった強力なクリーチャーを中心としたアグロデッキです。
《レンジャー・クラス》《エシカの戦車》《レンと七番》《ハイドラの巣》《不詳の安息地》といった戦闘継続能力の高いカードが多く採用されており、緑系メタカード筆頭である《バーニング・ハンズ》くらいではビクともしません。

【イゼット天啓】

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《感電の反復》と《アールンドの天啓》を組み合わせたコンボデッキです。
コンボさえ決まってしまえばどんな劣勢からでも逆転が可能で、鈍足ミッドレンジデッキたちを環境から締め出しました。

【緑系ランプ】

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低マナ域をマナクリーチャーや《水蓮のコブラ》《裕福な亭主》で埋め、中盤以降に《エシカの戦車》や《レンと七番》、《収穫祭の襲撃》といった大技に繋げるお手本のようなランプデッキです。
これといって決まった構成は無く、セレズニア、ナヤ、スゥルタイ、バントとその派生形は多岐に渡ります。

基本的な相性は【緑単アグロ】が【イゼット天啓】に強く、【イゼット天啓】が【緑系ランプ】に強く、【緑系ランプ】が【緑単アグロ】に強いという3すくみの構造になっています。
では、それぞれのデッキが綺麗な3すくみになり健全な環境を形成しているでしょうか。
参考に先日開催された「日本選手権2021 Season3 ウィークリーチャレンジ」と「$5K SCG Tour Online Championship Qualifier」の結果を見てみましょう。

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【緑単アグロ】の圧勝で、それに【イゼット天啓】が続く形です。【緑系ランプ】は一体どこへ? これじゃあ二強じゃないのか??

何故このようになってしまったのか。それは【緑系ランプ】の構造の弱さにあります。
【緑系ランプ】は相性こそ【緑単アグロ】にはよいとされていますが、ただクリーチャーを出し続ければよいアグロ側に比べ、ランプ側は低マナ域から高マナ域をバランスよく引く必要があり、安定感は低いです。
そのため、本来は有利であるはずの【緑単アグロ】に対しても取りこぼしが多いです。
当然、【緑系ランプ】の【イゼット天啓】への相性は非常に悪く、この相性差は覆しようがありません。

故に現在は【緑単アグロ】と【イゼット天啓】の二強状態であり、その構図ゆえに【緑単アグロ】に優位性があるとされています。


◆【イゼット天啓】とは

【イゼット天啓】とは、《感電の反復》と《アールンドの天啓》を組み合わせたコンボデッキです。

《アールンドの天啓》は追加ターンを得ると同時に鳥トークンを生み出すため、コピーの価値が非常に高いです。
コピーして得た追加ターン中に鳥トークンと共に《家の焼き払い》や《ストーム・ジャイアントの聖堂》で一気に殴り切るのがベストですが、《記憶の氾濫》のフラッシュバック等で追加の《アールンドの天啓》を探す動きも強力です。
追加の《アールンドの天啓》が見つかれば、先のコンボで墓地に落ちた《感電の反復》から再び連続追加ターンに入れます。
要するに、初回の《感電の反復》+《アールンドの天啓》が決まればほぼ勝ち!というコンボデッキです。

デッキ名についてですが、日本語では【感電天啓】や【イゼットターン】、MTG Melee上では"Izzet Epiphany"と記載されますが、本記事では【イゼット天啓】と称します。


◆サンプルリスト

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◆カード解説

本項では採用カードについて解説します。

《凍沸の交錯》

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通称シャドウランド。
【イゼット天啓】は《表現の反復》や《記憶の氾濫》、今回紹介するリストでは《予想外の授かり物》も採用している関係から、色マナ要求がシビアです。
そのため、可能な限り採用した方がよいと判断し、4枚採用しています。
シャドウランドは世間で騒がれているほど酷い土地ではなく、十分な基本土地の枚数(体感から12枚を指標としています)であれば殆どストレスは感じません。
逆に《廃墟の地》のような無色土地は、ミシュラランドへの対処よりも色の出ないリスクの方が大きいと判断して不採用です。

《ストーム・ジャイアントの聖堂》

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《感電の反復》と《アールンドの天啓》のコンボを決めた際に置いてあると嬉しい土地です。
この土地が置いてあるだけで、がら空きなら (鳥トークン1点×4体 + 《ストーム・ジャイアントの聖堂》の7点) ×2ターン分 = 22点 が確約されるため、あるとないとでは大きな差になります。
終盤のタップインや単色である点は気になるものの、重要度は非常に高いです。

《棘平原の危険》

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現在のスタンダードにおける対コントロール(同系含む)において、特に重要なのが《心悪しき隠遁者》を巡る戦いです。
しかし、《心悪しき隠遁者》を巡る戦いにおいて《安堵の火葬》のような弱い除去を残す行為は好ましくありません。
いくら《心悪しき隠遁者》を巡る戦いになるとはいえ、本来の動きとは関係のないカードを残すのはリスクがあります。

そのスロットを土地枠で賄えるのが《棘平原の危険》です。わずか1マナで《心悪しき隠遁者》を退かせます。
この土地兼呪文の枠には《ジュワー島の撹乱》や《髑髏砕きの一撃》等の候補はありますが、《凍沸の交錯》の関係からこれらすべてを採用することはできません。
今回は《心悪しき隠遁者》を強く見る格好で、《棘平原の危険》を優先しました。

《安堵の火葬》《バーニング・ハンズ》《轟く𠮟責》

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単体除去は8枚と多めに取っていますが、この枠を舐めていると【緑単アグロ】に途端に弱くなりますので、多めに取ることを推奨します。
この枠をミラーマッチに強いカードに差し替えたことで得られる勝率よりも、それによって失われる対【緑単アグロ】への勝率の方が大きいと判断しています。
ミラーマッチや対【イゼットドラゴン】では腐りがちであることは認めざる得ませんが、《安堵の火葬》のルーティングモードはそのようなマッチアップでも輝きます。

《消えゆく希望》のようなバウンス呪文は不採用です。
軽い干渉手段という点は確かに優れていますが、普通に使う分にはリソース損をするため、《表現の反復》や《記憶の氾濫》といったドローソースとセットでなければ使いにくい点が気になりました。

《軽蔑的な一撃》

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打ち消しではありますが目的はリソースの交換なため、役割としては前述の除去と同じです。
現在のスタンダードは《エシカの戦車》や《レンと七番》といった重量級のパーマネントが強力です。
それらは一度戦場に出てしまうと最低限のリソースを確保されてしまうので、除去よりも打ち消しで対処するのがよいです。
対象を上記らに絞るなら《否認》でも問題ないですが、《否認》では《黄金架のドラゴン》に触れないため、《軽蔑的な一撃》を優先して採用しています。

《表現の反復》

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最強ドローソースです。
脳死で3ターン目に唱えるのも悪くはないですが、それではよくて《予期》+《地勢》です(十分強いですが…)
時には唱えられない呪文が3枚捲れてしまい、ただの《予期》として終わってしまうこともあります。
そうなったとしても問題がないようにするためにも、可能な限り後ろのターンで唱えることを意識しましょう。
特に手札が土地だらけの時は他のアクションを放棄してまで唱える価値はありません。どんどん遅らせましょう。

《感電の反復》

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コンボパーツです。
《アールンドの天啓》との組み合わせを主としていますが、《安堵の火葬》《バーニング・ハンズ》をコピーして序盤を凌いだり、《家の焼き払い》や《マスコット展示会》をコピーして戦場を散らかすことも可能です。
打ち消し合戦で《ゼロ除算》や《軽蔑的な一撃》をコピーし、スタック上の呪文を複数対処するケースも頻出します。
どのようなパターンがあるかは覚えておきましょう。

《ゼロ除算》

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序盤から中盤を支える重要なカードです。
【イゼット天啓】は相手のカードを捌き続けるのが目的ではなく、最終的に《感電の反復》と《アールンドの天啓》のコンボを目指すので、リソース損なくターンを経過させるこのカードとの相性が非常によいです。
さながら《差し戻し》のような感覚です。
対アグロはもちろんのこと、ミラーマッチでも《くすぶる卵》に触ったり《心優しき霊》の上から呪文を戻したりと活躍します。

《記憶の氾濫》《予想外の授かり物》

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中盤を支えるドローソースです。
《記憶の氾濫》が4枚のリストが主流ですが、《記憶の氾濫》は対アグロで複数枚引いても撃ちきれません。せいぜい1枚が限度です。
【緑単アグロ】とのマッチアップを想定するなら、《記憶の氾濫》を4枚にすることにはリスクがあります。

代わりに採用しているのが《予想外の授かり物》です。
《予想外の授かり物》は手札こそ増えませんが、2マナ分の加速でコンボターンを早めてくれるため、対アグロにおいては《記憶の氾濫》よりも優れています。
ここまでの除去の採択からも分かる通り、今回のリストは【緑単アグロ】をはじめとしたアグロ全般を強く意識しています。
また、ミラーマッチにおいても《予想外の授かり物》は十分な活躍を期待できます。
《記憶の氾濫》の方が優れているのは間違いないですが、宝物によって2マナ差を付ける《予想外の授かり物》も同じくらい活躍します。
とはいえ、被った際や長期戦になった際も考慮すると《記憶の氾濫》に軍配が上がります。
よって、この枠はスプリットして2枚ずつがベストだと判断しました。

《家の焼き払い》

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押されている時は全体火力モードで、押している時はトークン生成モードと器用な全体除去です。
火力除去の弱点である火力以上のタフネスを持ったクリーチャーに対しても、トークン生成モードで耐えることができます。

《霜と火の戦い》との大きな違いとして、5点火力のため、5ターン目に出た《レンと七番》のトークンと本体を纏めて焼けるという点が挙げられます。
現スタンダードでの《レンと七番》の採用率を考えると、この枠は《家の焼き払い》の方が優れていると判断しました。

また、《感電の反復》+《アールンドの天啓》のコンボで得た追加ターン中に《感電の反復》をフラッシュバックから《家の焼き払い》でトークンを生成すると、既に並んでいる鳥トークンと合わせて10点分のクロックになるため、2ターンで20点を削れる点も《霜と火の戦い》にはないメリットです。

《アールンドの天啓》

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ローテーション後のスタンダードに残された数少ない脱法カードです。
コンボパーツではあるものの、コピーせずとも単体で時間稼ぎの役割を持ち、6マナの《探検》+ 2体のブロッカーのように使うことも可能です。

予顕をすると合計のマナコストは増えますが(7→2+6=8)、《感電の反復》+《アールンドの天啓》のコンボターンが縮まるので、可能な限り予顕することを意識するのがよいです。
手札破壊や《才能の試験》からも逃がせるため、サイド後は特に重要になります。

《心悪しき隠遁者》《くすぶる卵》《否認》《記憶の氾濫》

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メインを対アグロに寄せている分、サイドはミラーマッチ含む対コントロールに寄せています。
これらは主にメインの除去との差し替えを想定しています。
対コントロールのサイド後は《心悪しき隠遁者》の存在から呪文よりもクリーチャーの価値が強く、それ故に《くすぶる卵》の強さが際立ちます。
対コントロール、特にミラーマッチについては後述するマッチアップガイドでより深く掘り下げて解説します。

《環境科学》《アルカイックの教え》《マスコット展示会》

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《ゼロ除算》から持ってくる講義枠です。3種1枚ずつの採用で、この配分がベストです。

特に持ってくるのが《環境科学》です。
《感電の反復》+《アールンドの天啓》のコンボを決める都合上、最低でも8マナまで伸ばしたいデッキなので、オプションとしての《地勢》は非常に嬉しいです。

《アルカイックの教え》は先手で強力です。
《ゼロ除算》との相性がよく、先手3ターン目に《ゼロ除算》→《アルカイックの教え》を持ってきて返しにそのまま唱える、というのは頻出します。
簡単に手に入るドローソースということで、マリガンしている時にはありがたみを感じます。

《マスコット展示会》はマナコスト相応のブロッカーを用意します。
メイン戦では余った除去に当たりやすいため、除去の減るサイド後の方が信頼できます。
除去コントロール的な立ち振る舞いでゲームが伸びた時にフィニッシャーになる使い方も多いです。《感電の反復》のコピー先としても強力です。


◆プレイ指針

本項では【イゼット天啓】を扱うにあたって重要なプレイ指針について解説します。

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21,603字 / 49画像 / 7ファイル

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