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終活ブームに潜む危険・お寺の宗旨宗派と檀家への誘い お墓編その25

寺院墓地と宗旨宗派・檀家

今回、霊園開発会社鵠祥堂社長による源証寺住職殺害事件
この事件の背景を元業界にいた私なりに推測したいと思います。
前提として、
寺院墓地は、基本的に檀家の方しかお墓を建てられません。
寺院は、昨今の少子高齢化で新規の檀家さんを増やしたいためお墓販売をテコに使う風潮が30年くらい前からあります。
かつて、お墓はお寺に建てるもの・一族の菩提寺があり、墓域もおのずとついているのが昭和までの姿でした。
そこに登場したのが、一族の付き合いや檀家付き合いを嫌う人向けに石材店が開発した民間霊園でした。
そこで、寺院を扱う石材店は「過去の宗旨宗派は問いません」というチラシで集客をしておりました。
これは、今まで「曹洞宗・日蓮宗・浄土真宗」でも真言宗の当寺の檀家になること前提で、墓地が買えますという意味で、これで本家一族の宗旨宗派に拘りが無い方が新たに寺院墓地を購入することがありました。
しかし、この手法にも限界がありました。
平成に入り、霊園ブームであちこちに檀家にならずに済む民間霊園が、あちこちにたくさんできるに至ったのです。
当時の噂ですが、バブルで土地ころがしをしていたような人が霊園開発に目をつけ、原野・山林・田畑を買い付け適当な宗教法人で霊園に仕立て、石材店に出資金と称し金を稼いでいるんだよ。と聞いたことがあります。
さて、本題
今回の「在来仏教に限る」とした理由ですが、これは檀家を増やすというより墓前法要の手数料稼ぎではないか?と推測しております。
檀家になることが前提の場合、前述の「過去の宗旨宗派は問いません」が多いからです。
檀家にならなくても在来仏教であれば、納骨時に行う開眼供養(一回10万程度)等の法要手数料が確実に寺の収入になります。
実際は、どのような契約だったか判りませんが、源証寺の宗派は「単立」となっており、どこの宗派のお経を読むことができる宗派とされてます。
つまり、日蓮宗であれ真言宗であれ江戸時代までの在来仏教のお経なら構わないということです。
しかし、足立セメタリーパークの造りステンドグラスの洋風なコンセプトを考えた場合、顧客層は仏教式しきたりを敬遠される方が多かったのだと思います。
墓地の案内するたびに、必ず仏教式の納骨法要がありますと説明するたびにお客様が逃げていく、銀行から融資を受け造成した霊園の投下資金の回収もできない。
お寺側には、事前にそれなりの営業保証金か建墓手数料を払っていたと思われます。 
もちろん鵠祥堂の社長のしたことは許されません。
しかし、指定石材店という歪んだ制度があるために、もたらされた悲劇ではないか?と考える次第です。

いつもの一言。
「お墓を生前に買うなら、生きてるうちに思い出をつくりましょう。」
大切な人との時間は「お墓」を買っても得られません。









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