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【MIA】泥沼のマーリンズと新人王候補

こんにちは。前回の投稿から間が空いてしまいました。

最近のマーリンズ

現地6/6終了時点で、わがマーリンズのチーム状況はひどい有様です…
野手陣では軒並み各選手が成績を落とし始めている中、Starling MarteJazz ChisholmJorge Alfaroが復帰したかと思えば、チームリーダーのMiguel RojasBrian Andersonらが離脱し、相変わらず得点不足は深刻です。
野手陣よりさらにひどい状況なのは投手陣です。Sandy AlcantaraPablo LopezTrevor Rogersはローテーションを維持しておりますが、そのあとに続く投手に災難が続きました。開幕前からローテ入りが期待されていたElieser Hernandezは開幕直後に投げた際に右上腕二頭筋のけがでIL。復帰戦となった6/3パイレーツ戦では走塁の際に右足を負傷し再びIL入り…
もう一人、Cody Poteetが5/23のメッツ戦で7回無失点の快投したものの、6/4の同じくパイレーツ戦で右肘靭帯を痛めてIL入り…
なんと2日でローテ4番手、5番手を一度に失うという、悪夢の2日間を経験しました。

そしてリリーフ陣は5月までは予想外の健闘をしてきていたのですがここにきて化けの皮がはがれたのかガス欠なのか、逆転負けに次ぐ逆転負けが続きました。
6/2のブルージェイズ戦ではYaimi Garciaが2点リードを守り切れず逆転負けを喫すると、6/3のパイレーツ戦で、今度はセットアッパーのDylan Floroが1点リードを守れず逆転負け。
そして6/5の同じくパイレーツ戦では3点リードで登板したAnthony Bassさんが2死満塁のピンチを作って降板。後を継いだAnthony Benderが連続四死球で2点を失った後、一塁ゴロでようやく打ち取ったかと思ったらべーずカバーの際に捕球をミスし、自らのエラーで逆転を演出…その後追いついたものの延長12回の末に敗れてしまいました。
(こんなにやらかしているBenderは結果的に自責点0のため、まだ防御率0.00は継続中。運がいいのか悪いのか…)

ちなみに、BS(Blown Saves)数は4月は序盤にまとめて稼いでしまった影響もあって7だったものの、5月は4と減少。そして6月に入って一週間ですでに4を記録しており、リリーフ陣の息切れ感が目立ちます。そしてシーズンを通してもBS(Blown Saves)数は15でMLBナンバー1となってしまいました。

こんな打てない、守れないの状態が続いたマーリンズ。気が付けば5/27から6/5に8連敗を喫し、あっという間にNL東最下位に転落
6/6にAlcantaraの好投もあり、ようやく長いトンネルから脱出することができました…

Rogersが2か月連続で月間最優秀新人に選出

踏んだり蹴ったりのマーリンズの中で明るい話題が一つ。
前回の記事に続き、Trevor Rogersが5月も月間最優秀新人に選ばれました!

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投打にチームが苦しむ中3本柱の一人としてしっかりと試合を作ってくれているRogers。このままいけば年間最優秀新人賞も夢ではありません。
そんなRogersについて、気になる数字があったのでご紹介したいと思います。
前回、前々回も彼について簡単に紹介はしており、またまたとなってしまいますがお付き合いいただけたら幸いです。(他にグッドニュースがないからってことではないです。多分…)

Rogersのピッチングスタイル

※数値は全て5月末時点

2020年にMLBデビューを果たしたRogers。昨年も大器の片鱗っぷりを見せていたものの、今年はSTから好調を維持しており、4月にROTMを獲得したことは前回もお知らせしました。

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昨年と、今シーズンのここまでの成績を比較してみます。
登板数が異なってしまうので三振数などは単純比較できませんが、防御率はもちろん、FIPやWHIPも大きく改善されている他、奪三振率は昨年の12.5から10.9とやや低下しているものの、高水準を維持しています。

4月に続いて5月のROTMも獲得したRogers。彼の特長はその奪三振力の高さです。平均95マイルのストレートが投球の6割を占めていますが、奪三振の約2/3をこの球でとっており、カウント稼ぎ、三振を取りたいときどちらにもつかえる優秀な球です。
このストレートに切れのいいスライダー、チェンジアップを織り交ぜます。チェンジアップも三振を奪う際に使うことができ、打者の左右関係なく投げることができます。
試合の途中に突如コントロールを乱す場面が時折見られますが、1試合での四球は3個程度には収めることが多いです。
マーリンズ全体が先発投手陣の球数を制限しようとする意図が見られるため、思っている以上にイニング数は稼げていないですが、11試合に登板して6試合でQSを達成するなど、ゲームメイキング力も身につきつつあります。

指標の中で目立つHardHit%

このように、ストレートを軸に三振を多く奪う支配的な投球が持ち味のRogersですが、いくつか数値として気になる点があります。

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上の図はBaseball savantに公開されている、各成績指標がMLB全体のどこに位置しているかを示したもので、100に近いほど優秀です。
各指標とも軒並み優秀で、四球も先ほど書いたようにまだまだ課題があるものの、試合を大きく壊さない程度には球をコントロールできているかと思います。
一方で打球速度に関連する指標はMLB全体の平均~平均以下となっています。
具体的に挙げると、全打球における95mph以上の速度の打球の割合を示すHardHit%は41.2%です。支配力のある投球スタイルで空振りは多く奪えているものの、打たれた際には打球が芯でとらえられる傾向があると考えられます。

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一般的に、強い打球になればなるほどヒットになる確率はあがるわけですので、HardHit率をどれだけ下げるかが今後の課題となります。
ただ、若干の改善傾向は見られており、HardHit%は4月⇒5月で45%⇒38%と低下しています(上グラフ右から2番目の列)。
尚、ハードヒットを打たれた際にヒットとなる確率は4月⇒5月で29%⇒61%と大幅に上昇していますが、ここに関しては運の面にも左右されるのでそこまで気にしなくていいのかなと思います(上グラフ右から1番目の列)。
むしろ今後は揺り戻しによる成績向上も期待できるのではないでしょうか。

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球種別でみても、ストレートでのHardHit%の改善が目立ちます。投球の6割を占める球種ですので、今後も改善が維持できれば、さらなる成績向上が期待できます。

まだデータが少ないので、これだけで判断するのは少々強引ですが、昨年のHardHit%も39.5%だったことから、空振りや三振はとれるものの、打たれるときは強烈な打球が多いという大まかの傾向は変わらないのかなと思います。今後もいかに鋭い当たりを減らすことができるか、ひとつの注目点です。
ただし、繰り返しになりますが奪三振能力に優れており、そもそも登板時のアウトの40%(MLB平均:34%)を三振でとっているのであまり気にしなくてもいいかもしれませんね。

ようやく連敗が止まったマーリンズ。次回投稿の際にはほかの選手をピックアップできるような活躍を期待したいですね。

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