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【MIA】祝!マーリンズプレーオフ進出!!

現地9/30(日本時間10/1)、ついに…ついに…

マーリンズがプレーオフ進出を決めました!

プレーオフ進出は短縮シーズンの2020年以来、これを除くとWSを制覇した2003年以来の快挙となります。

前評判は決して高くなかったマーリンズの快進撃について、そして今後のプレーオフでの戦いについて、簡単に述べたいと思います。
※以降の数値は現地9/29までのもの


快進撃の要因

要員①:計算外の先発陣を支えた左腕とプロスペクト

ポテンシャルの高い先発投手が多く在籍し、今シーズンは先発がチームを引っ張っていく…と思っていましたが、昨年のサイヤング賞投手のSandy Alcantaraの不振を始め、スプリングトレーニングで大不振だったJohnny Cuetoがシーズン初登板で早々に怪我、同じ4月にはTrevor Rogersも怪我で離脱。シーズン中盤にはEdward Cabreraが不振でマイナー落ちするなど、頭数が決して揃っていたわけではありませんでした。
そんな中チームを救ったのがJesus LuzardoBraxton Garrett
Luzardoは自己最高となる178.2イニングを投げ、208奪三振を記録。個人的にはだめな日はとことんダメで、何本もHRを打たれるなど、不安定さは感じましたが、しっかり一年間ローテを守り、rWAR4.0は立派。エース格としてしっかりチームを支えてくれました。
Garrettは開幕当初はスイングマンの役割を期待されていましたが、怪我人の多さもありローテに定着。安定した制球力で大崩れせず試合を作ってくれました。
30先発中、7イニング以上投げたのは1試合のみと、基本的に4-6イニングでの降板が多い為、イニング数は159.2イニングと規定投球回にはギリギリ達しませんでしたがrWARは3.8を記録しました。

そして何より、新星Eury PerezのMLBデビューです。5月12日に球団史上最年少の20歳27日での登板を果たすと、その後も見事な投球を続け、前半戦は11試合で防御率2.36、奪三振率10.3を記録し、チームの快進撃のきっかけとなりました。
投球イニングを制限する為に、7月からマイナー落ちしたころから急激にチームは失速。プレーオフ進出に向けて1か月後には再度メジャーに招集現在はIL入りしており、プレーオフでの登板はないとされていますが、チームの為に投げ続けてくれました。

ちなみにAlcantaraも不振とは言えチームトップの184.2イニングを投げ、ローテーションをしっかりと支えてくれました。

要員②:後半戦の中継ぎを引っ張ったTanner Scottの覚醒

各方面からストライクを投げられるようになれば…と言われていたTanner Scottが、今季はついにストライクを安定して投げられるようになりました!
その結果他の指標も更に改善され、図のようにbaseballsavantを真っ赤に染めることとなりました。
前半戦も指標はよかったものの、見ているとどこか不安があったのですが、後半戦は安心して見ることができ、今やチームに欠かせない絶対的クローザーとなりました。

出典:baseballasvant

要員③:フロント・現場スタッフの的確な戦力整備

シーズン前に獲得したLuis Arraezは首位打者をほぼ手中に納める活躍をし、マイナー契約だったYuri Gurrielも開幕時にメジャー契約を結び、貴重なUTプレーヤーとして活躍しました。
一方で、同じくFAで獲得したJean SeguraCuetoは期待した活躍が見られませんでした。
しかし今季冴えていたのはTDLでの動き。Josh BellSeguraとのトレードで獲得すると、不良債権同士のトレードと言われていながらも見事な活躍を見せました。
また怪我明けのプロスペクト、Jake Ederで獲得したJake Burgerもその長打力をいかんなく発揮し、打線の迫力に欠けていたマーリンズ打線をBellと共に大きく改善してくれました。
もう一方の課題であったリリーフ陣の補強に関しては、Jorge LopezDavid Robertsonを獲得しましたが、移籍直後は二人ともイマイチな成績。
結局Lopezを早い段階で切る動きを見せるフロントの動きは正解だったと思います。
また、Robertsonに関しても、失敗が続いていたクローザーの座から、9月以降は外して6-8回での登板機会が増えたのですが防御率1.93と復活。先日のPIT戦でも逆転した直後の8回裏に1点差で登板するなど、徐々に調子を取り戻してきました。このあたりはSkip Schumakerをはじめとする現場スタッフの戦力見極め、運用管理のたまものであり、プレーオフ進出の大きな要因になったと思います。

プレーオフでの戦いに向けて

プレーオフ進出を支えた要因を紹介してきましたが、これはほんの一部で、その他にもJorge Solerの完全復活、崖っぷちの立場だったJesus Sanchezの大きな成長等もありました。そのあたりは改めてシーズンオフに投稿出来たらと思います。

さて、プレーオフに向けて主力の怪我が相次ぐ中、シーズン最後の重要な試合を勝てたことはチームとしてのレベルが上がっている証拠ではありますが、強豪ひしめくプレーオフの中で勝ち上がるのは相当厳しいかもしれません。
そもそも、今季のマーリンズの得失点差は-57。これはリーグ21位の低さで、もちろんプレーオフ出場チームの中では最も低い数値となります。
そんなマーリンズの、プレーオフでの戦いでのポイントは何か、まとめてみました。

ポイント①:負担が大きくなるリリーフ陣がいかに試合を作れるか

既に述べた通りAlcantaraPerezのローテ2枚はプレーオフで投げることができません。
プレーオフのローテはLuzardoGarrettCabreraの3本柱になるかと思いますが、Cabreraを始めあまり長いイニングを投げることが出来ず更にローテの4枚目はブルペンデー(or Cuetoがショートスターター的な役割)になることも考えられ、更に負担が大きくなるかと思われます。

元々、今季のマーリンズブルペンは盤石ではなく、防御率は4.37で全体21位で、試合を見ていても大事な場面で打たれていた印象です。安心して見ていられるのはScottに加え調子を取り戻してきているRobertson、そしてAndrew Nardiくらいでしょうか。そのほかのリリーフ陣がいかに試合を壊さないかがポイントになりそうです

ポイント②:怪我人が多い中、伏兵Bertiの爆発

また、野手に関してもArraezも足首の負傷でここ数試合はベンチスタートが続くほか、先週あたりにBryan De La Cruzがねん挫して数試合欠場(今は影響少なそうですが)、Bellも膝に不安を抱えながらのプレーが続いています。

決して野手層の厚くないマーリンズの中で、個人的にポイントになると考えているのはJon Bertiです。
UTという立場上、途中出場も多いのですが今季は打率.293を記録。
更に直近15試合に限ると打率.500(!)に加え、4本塁打を記録。プレーオフでも調子を維持し、打線を引っ張ってほしいと思います。

終盤に強打者へ変貌したBerti(出典:MLB.com)

最後に

上述した通り、マーリンズの得失点差はプレーオフ出場チームの中でも断トツの低さです。しかし勝ち上がってこれたのはチームとして成長著しいからです。
象徴的なのが、よくメディアで取り上げられていますが、マーリンズの1点差ゲームでの勝率は33勝13敗と圧倒的です。リリーフが不安とかなんだかんだ言いながら接戦を勝てているのです(リリーフが追いつかれ、その後勝ち越しというのも多々ありましたが…)
この勝負強さを維持できれば、プレーオフで台風の目となって勝ち上がることも夢ではないと思っています。

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