【MIA】Trevor Rogersに何が起きているのか
オフシーズン中に補強をしたものの、相変わらず打撃面に不安のあったマーリンズの強みは若くて才能に溢れる先発投手陣でした。
その中でも契約延長を果たしたSandy Alcantaraや、昨年には初回から9者連続奪三振の記録を樹立したPablo Lopez、そして新人王投票2位に入り込んだTrevor Rogers。この3人が特に中心となってチームを引っ張ってくれるものと思い込んでいました。
しかしRogersは見事に2年目のジンクス(最近はあまり言わない?)に見事に嵌ってしまい、苦しんでいます。
下図はRogersの今季の主な成績指標です。
軒並み指標が悪化していますが、特に一番の特徴であった奪三振力の低下が気になります。昨年の9イニング当たりの奪三振数が21年の10.6から22年は7.8に。K/BBも3.41⇒1.86となっています。
次に球種別の成績を見てみます。
一番目立つのは4シームの打率が急上昇している点です。被打率は21年が.222だったのに対し.333。XBAも.219⇒.340と約1割も上昇していることになります。
4シームにおける空振り率は26.7%⇒22.7%と減少しているものの、大きな変化はなし。また、先ほどの図表からもわかるように速球の速度や球の回転数、そして投げるコースも昨年と大きな変化はないように見えます。
一方で、チェンジアップは被打率は昨年と同等水準の被打率であるものの、空振り率が21年33.7%⇒22年21.9%と10%以上も低下しています。
Rogersにとってチェンジアップは生命線の球の一つです。
昨年は三振を奪った球の約6割がストレート、3割がチェンジアップでした。特徴的なのはこの割合は右打者だけでなく、左打者にも変わらないという点です。
そのチェンジアップで空振りをとれなくなった結果、ファールで粘られた末に投じた4シームを痛打されているのではないかと考えられます。
実際、チェンジアップは昨年と比べて低めには変わらず投げられているものの、横へのばらつきが多くなっているように見えます。
今季も三振を奪った際の球種の割合として4シームは5割、チェンジアップも2.5割を占めていますが、チェンジアップでバッテリーの目論見通り三振をとれていたら、この割合も、奪三振数も変わっていたのかもしれません。
また、今シーズンは三振を奪った際の球種としてスライダーが昨年の5.7%から23.1%と高くなり、昨年の構成とは変化がみられています。
チェンジアップで三振が取れないため、必然的に数値が高くなったこともありますが、今シーズンの復調を担うための、キーとなる球種かもしれません。
AlcantaraやLopezが実力に見合う投球を続ける一方、3番手以降に課題を抱えるマーリンズ。Rogersが昨年のような快投を再現することが、マーリンズ浮上のきっかけとなるかもしれません。
※数値は全て現地6/4時点
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