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【MIA】2021年のトレードデッドラインを振り返る

現地時間7/30のトレードデッドライン(以後、TDL)までに今季も大きな動きがいくつかありました。各球団の動向は他球団担当者を見ていただくとして、わがマーリンズの動向についてみていくことにします。
(ちなみにTDL含めた数日間、私はコロナワクチン接種の副反応に苦しめられておりました…)

2021年TDLで成立したトレード一覧

まずは今回のTDLの一覧です。左側がMIA放出選手、右側がMIA獲得選手、カッコ内は交渉相手球団。

OF Starling Marte + $4.57MM ⇔ P Jesus Luzardo(OAK)
P Yimi Garcia ⇔ OF Bryan De La Cruz、P Austin Pruitt (HOU)
OF Adam Duvall ⇔ C Alex Jackson(ATL)
P John Curtiss ⇔ C Payton Henry(MIL)

TDL最大の注目であったStarling MarteはOAKへ放出となりました。
代わりに獲得したJesus Luzardoが最もインパクトのある補強でしょうか。MIAファン、OAKファン共に賛否が別れるようですが個人的にはよかったのかなと思います。
その他、保有期間の少ない選手の多いリリーフ陣の中から、Yimi GarciaJohn Curtissを放出するなど、個人的にトレードは想定内の動きだったかなと思います。

次に獲得した選手の概要です。

獲得選手概要

P Jesus Luzardo(23歳)
残り4年半保有可能な有望株。しかし今季は昨季と比べて不安定な投球が続く中、ゲームをしていて小指を骨折。復帰後はリリーフに配置転換となるも炎上は続いていた。余剰戦力気味にもなっていたことから、OAK側も放出を決めたと推測。

OF Bryan De La Cruz(24歳)
ドミニカ出身で2013年に16歳で契約。主にライトを守るが、外野3ポジションを守ることができる。打撃面は2019年までマイナーでもぱっとしないが、今季は.324/.362/.518でOPS.880と好成績を残す。
マイアミ移籍後はチーム内プロスペクト29位にランクインしており、現地7/30にはMLBデビューを果たした。

P Austin Pruitt(31歳)
先発とロングリリーフをこなすスウィングマン。マイナーオプションは既にないが、今季のマーリンズは先発に球数制限を設けていることが多く、ブルペンデーも多いことから意外と重宝しそう。2020年に右ひじを骨折し全休今季もリハビリの影響あってか、ここまで3試合の登板のみ。

C Alex Jackson(25歳)
14年ドラフトでSEAが全体6位指名。強打の捕手として期待されるも伸び悩みが続いていた。2019年はAAAで85試合に出場し28本塁打も打率.229と確実性に不安があった。今季はAAAで.287/.366/.694でOPS1.060と好成績で確実性もついてきている。MLBでは今季28打席で1安打と苦労するも、移籍後の7/31には早速アクティブロースター登録されている。

C Payton Henry(24歳)
2016年6巡目指名。パワーツールに特徴のある捕手で、2019年はA+で14本塁打。今年はAA、AAAで49試合に出場し.296も本塁打は2本と強みのパワーは鳴りを潜めている。マイナーでのGGの獲得もあり、守備面も期待できそうで、早い時期の昇格も期待できる。

TDLの動向から見える注目点

ここからは今回のトレードを踏まえた注目点をいくつかピックアップしたいと思います。

注目点①:正捕手Jorge Alfaroの立場はいかに

今回のTDLでの個人的注目点としてはAlex JacksonとPayton Henryと2人の若手捕手を獲得してきたということです。
現在、マーリンズの正捕手はJorge Alfaroとなっていますが、打撃面は今季.225/.270/.315、OPS.584。MIAに移籍してきた19年から変わらない低調ぶりを見せています。
また守備面でもフレーミングには改善傾向がみられるものの、パスボール11、ワイルドピッチ23とブロッキングに大きな不安を覚えます。
このように攻守で低調かつ不安な部分が見えてか、Sandy Leonがスタメンマスクを被る試合も多くみられます(Alfaroが怪我していたことも影響していますが…)。
そこに新たに2人の若手捕手を獲得したことはAlfaroに対するカンフル剤になることを期待している、もしくはあまりにも伸びしろが見込めない場合には見切りをつける準備をしているのかもしれません。
また先日のドラフトでは2巡目に高校生捕手のJoe Mackを取得しており、さらなる先の将来に向けての準備も万端です。
ちなみに開幕時に第二捕手としてロースター入りしていたChad Wallachは7月末にDFAとなっており、現在LADへと移籍しております。

注目点②:Rojas残留はチームに好影響を残せるか

前回の記事Miguel Rojasの移籍の可能性についてピックアップしましたが、結局残留となりました。
Rojasはシーズン序盤に左手人差し指を骨折しており、現在もカバーをつけながらプレーをしています。実際に交渉が行われたかはわかりませんが、怪我のリスクがあると相手から判断されたのかもしれません。
今季500打席立つと来年は550万ドルで契約が更新されます。来年もチームリーダーとして、プレーだけでなく精神面でも若手中心のチームを引っ張っていってほしいですね。

注目点③:レギュラー不在の外野陣でアピールできるのは誰か

Adam DuvallがATLへ移籍したことで、開幕時の外野手(Corey DickersonMarteDuvall)が全員いなくなりました。
更に4番手の外野手兼一塁手で、最近まで調子を上げていたGarret Cooperも怪我で手術になる等、実績のある外野手はすっからかんです。
そんな中、現在チーム内プロスペクト5位のJesús Sánchez(現在IL入り)が今後のMLB定着を期待されている他、今季マイナーで成績は残せていないもののチーム内プロスペクト2位のJJ Breadyもマーリンズ外野の未来を担う1人として期待されています。
そして球団としてはMarteを今後のチームの核とするために契約延長模索していましたが実現できませんでした。これを受けて、新たに核となるセンターを守れる選手の獲得へ動くことも予測されています。
このように未来にむけた整備が進む中で、新たに獲得したDe La Cruzに加え、Lewis BrinsonMagneuris SierraBrian Millerらにとって後半戦のアピールは今後の生き残りに向けて非常に重要な意味合いを持つ期間になると思われます。
特にBrinsonは以前所属していたMILでチーム内プロスペクト1位にもなっており、Christian Yelichとのトレードで獲得した際の期待値は大きかったのですが、最近は干され気味な傾向にあります。再び評価を上げるためにも頑張りたいところです。

注目点④:余剰気味の先発プロスペクトを駒に更なる補強を今オフ実施するか

こちらも以前書きましたが、マーリンズは現在チームを支えるSandy AlcantaraPablo LopezTrevor Rogersに加え、まだまだ将来を期待できる先発投手プロスペクトが多くいます。
そこにアスレチックスよりLuzardoを新たに獲得したことで先発プロスペクトの層はさらに厚みを増すこととなりました
その一方で野手のプロスペクトは未昇格/昇格したばかりの選手が多く、思ったような成長を描けていない選手もいることから、未来に向けて未知数な部分も多くあります。
そこで更なる有望野手プロスペクト、または上で述べた核となるセンターの選手を獲得するために、余剰気味の先発プロスペクトを駒としてトレードを行うことも考えられます。
今後の勝負期に向けて、今オフ以降もマーリンズのトレード戦線はまだまだ続くと思われます。

おまけ
予想していたJesus Aguilarはトレードされず、2023年まで延長をしたい意向が球団にあるとのこと。一塁にはすでに昇格済みのチーム内プロスペクト6位のLewin Diazがいますが、来年から導入されるDH制を見越してではとの声も。とりあえず来年までは保有権があるので、DH制導入の動向を見ながら、Diazとの兼ね合いを踏まえてトレードを進めていくのかなと思います。

※成績は現地7/30終了時点
※トップ画は公式Twitterよりキャプチャ

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