【MIA】マーリンズがJorge Solerを獲得
ロックアウト前まではチームの課題に対して的確な補強をしてきたマーリンズ。1月の記事でも書きましたが、課題であった捕手、強打の外野手、ユーティリティープレイヤーを獲得し、更にチームのエースであるSandy Alcantaraと契約延長等、コンテンダーに向けた準備を着々と進めてきました。
しかしいざロックアウトが明けてみると、数人の選手とマイナー契約はするものの、ほとんど動きがなし。
ロックアウト前の的確な動きは何だったんだ…他チームが着々補強をする中でそんなことを思い始めたとき、前ATLのJorge Solerを獲得したと発表しました。
Jorge Solerの概要
Solerはキューバ出身で12年にカブスに入団。17年に移籍したロイヤルズでは19年に48本塁打を放ち本塁打王を獲得しています。
そしてご存じの通り、21年はシーズン途中でATLへ移籍し。ポストシーズン全ははコロナ陽性反応のため欠場するも、ワールドシリーズでは6試合で打率.300、3本塁打、6打点、OPS1.191の活躍。見事MVPに輝きました。
8年間での通算成績は以下の通りです。
低打率で空振り・三振が多いタイプですがOPS+は18年-20年の間は100越え。21年は97と平均以下だったものの、ATL移籍後はOPS+128を記録しており、復調の兆しを見せております。
打球関連の指標も優れており、来年もその打棒は期待できるでしょう。
短所としては守備面と健康面です。
ポジションはライトを中心として外野両翼を守ることができますが、DRSは毎年マイナスを記録。本塁打王を獲得した19年も半分以上はDHで出場していることから、今季から採用されたDHを有効活用することになるでしょう。
また健康面については19年に161試合、21年に149試合に出場しましたがそれ以外の年は故障者入りするシーズンが多くあります(17年はマイナーで出場する機会が多かったのもありますが)。
シーズンを通して試合に出場できるかも一つのポイントです。
契約内容
契約内容は以下の通りです。3年で最高4000万ドルを得ることになります。
22年:1,200万ドル
23年:1,500万ドル
24年:900万ドル
※23年に350打席、400打席立つとそれぞれ50万ドル。450打席、500打席、550打席立つごとにそれぞれ100万ドル
※22年、23年にオプトアウトあり
健康面を懸念してか、23年の契約では打席数に応じて出来高が付く契約となっています。
また、毎年オプトアウトが付いているため、今シーズンの成績次第ではオフにFAとなる可能性もあります。
マーリンズへの影響
今回のSoler獲得で打撃力は向上したものの、センターを高いレベルで守れる外野手がいないという課題を解決することはできませんでした。
今シーズンは外野3ポジションをSolerの他、FAで獲得したAvisail Garcia、Jesus Sanchez、Garrett Cooper、Bryan De La Cruzで回していくことでしょうが、まあ見事に両翼をメインで守る選手しかいません。
Solerは既に述べたように守備面では期待できず、DHメインになると思います。センターはGarcia、De La Cruzが予想されていましたがスプリングトレーニングではSanchezもセンターでスタメン出場を果たしていますので、現有戦力でまずは最適解を探していくことになりそうです。
一方で、引き続き補強をする可能性も十分あります。シーズンオフ当初からBALのCedric MullinsやPITのBryan Reynolds、ARIのKetel Marteの獲得が噂されていました。その他再建期にはいったOAKのRamon Laureanoも候補でしょうか。うまく成立しないのであれば、Brett GardnerやJuan Lagaresといった、FAとなっているベテランを保険で契約するのもありかもしれません。
まとめ
ロックアウト明け直前にはJeterCEOが辞任しました。情報を見る限り、Nick Castellanosとの契約を進めたかったジーターとオーナー側の意見が対立が関係しているようです。MLB屈指のケチ球団なので大金をはたきたくないオーナーの思惑もあったのか、補強の方針が変わったとされていますが結果的にロースターの自由度を保てており、悪くない方向に進んでいるように思います。
実際、Solerの獲得は短期間のもので柔軟なロースターを維持しながら、攻撃面のレベルアップに成功しました。一方、未だにセンターの穴を埋めるに至ってはいないのが現状です。様々な可能性を模索しつつ、昇格が期待されるJJ Breadyを含めた、現有戦力での補完を目指すと考えられます。
同地区のレベルが高く、今季の優勝を狙うのは難しいですが、今回取り上げたSolerの他にもリリーフ左腕のRichard Bleierと2年600万ドルの契約を延長するなど、真のコンテンダーとなるべく、着々とチーム全体の底上げを図っている状態です(リリーフの補強もまだありそうです)。
今後のチーム成績次第で更なる補強も期待されます。ファンとしてはそう遠くない来るべき時を待つばかりです。
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