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【TEX】ドラフト、トレード。意外とうまくいったこの2ヶ月

ご無沙汰しております。前回更新時点で不振を極めていたセミエンもあれから2ヶ月の間にfWAR2.0付近の水準まで到達し、およそ3.0くらいでシーズンを終えそうでひとまず安心のもりまるです。シーズンは90敗するかしないかのラインにとどまり、こちらも概ね想定内。今回の更新は時系列順にドラフトはよくわからないので軽め、主にトレードデッドラインについて記載していきます。

ドラフト

シーガーとセミエンの獲得によりドラフト2、3巡目指名権喪失した状態で望んだ22年ドラフトは、上位選手および5~7巡目指名選手との契約締結をもって成功といっていいのではないでしょうか。ドラフト各選手の評価に関しては桃色💖無職氏のnoteを見ていただければと思います。

トレードデッドライン

マット・ブッシュ

アントワン・ケリー + マーク・マシアス

今年のレンジャーズはトレードデッドラインにおいて、そこまで魅力的な選手を抱えているわけではなく、マーティン・ペレスマット・ムーアかと思いきや、実際に動いたのはトミー・ジョン手術から復活を果たしたベテラン、いわくつきのマット・ブッシュでした。22年はこのトレードのみがデッドラインの動きとなります。

ブッシュは今年で36歳。平均球速は97.3マイルと30歳でデビューした6年前の水準を取り戻し、防御率は当時3点台後半でしたが期待値系の指標は軒並み高水準で、投手の育成や運用に優れたブリュワーズが目をつけたポイントもそのあたりだと推察します。要するに投球内容が優れてるからこれは使えると判断したんだろうということです。しかもデビューが遅かったこともあって、FAは24年オフ。起用からもこれから2年で年俸が大幅に上がることは考えづらく、ブリュワーズとしては格安で便利使いできる投手を獲得できたという捉え方です。

アントワン・ケリー

19年ドラフト2巡目指名の22歳で今年のフューチャーズゲーム(マイナーのオールスター)にも選出されています。90マイル後半出る左の速球派で、アームアングルと極端なインステップ、アバウトなコマンドとかつてレンジャーズにも所属していたジェイク・ディークマンを彷彿とさせます。一応先発ということになっていますが…ブリュワーズのアーロン・アシュビーになれるか、それともディークマンのようにリリーフになるか、それとも昇格すらできないか…は判断の難しいところですね。また彼は22年オフにルール5ドラフトの対象になります。今年はアクーニャ、ハリス、ホワイトら枠を与えておかないとまずい選手が数多くいるため、微妙な線になりそうです。

マーク・マシアス

メジャーデビュー済みの28歳で今年のトリプルAでは打撃好調。ユーティリティとして昇格するかどうかといったところでしょう。

なぜペレスをトレードしなかったのか

まずムーアを売れなかったのは失策だと思いますが、ポストシーズンの枠が増えてリリーフの供給過多だったのではないかと思います。一方、今年絶好調で故障の気配もないペレスがトレードされなかったのは意外かもしれません。個人的には正直どちらでもいいかなと思っていました。理由は2つ。

ペレスの残留希望

トレードの噂が出た頃からペレスは残留および契約延長を希望していました。これがどこまで本音かはさておき、今のレンジャーズの投手陣には経験の浅い投手ばかりで、FAで取ってきたジョン・グレイも質はともかく故障離脱が多いのがネックで安定してローテーションを守ってくれる存在はいません。ウィン、ライター、ロッカーたちがメジャーに揃うのは24年あたりということを踏まえると、それまでの期間を支えてくれる投手はいてくれた方がいいでしょう。もちろん値段次第です。

QOを出すなら

上記の残留希望云々にかかわらず、ここからはクオリファイングオファーをペレスに提示する前提で進めます。もしこれをせずに契約延長もできなかったら、その時点でペレスを売らない判断は大きな失敗といえなくても適切な動きではなかったとなるでしょう。

上記は機構が提案した国際ドラフトが選手会に拒絶され、クオリファイングオファー(以下QO)制度の継続も決まりました。オフにペレスに対してQOを提示し、ペレスが1年20M弱で残留しても移籍しておよそ全体80位くらいの指名権を補償されることになっても悪くない話です。前者であれば小さなリスクでペレスを1年使えること(金額的には今年の4Mから大きくアップしますが、長期契約と比較したリスクは小さいです)、後者であればおそらくトレードで得られる選手とほぼ同等の価値でかつルール5ドラフトまで先のある選手を獲得できる見込みです。いいプロスペクトでもルール5ドラフトまでに40人枠に入れないといけない選手はそうでない選手と比較してバリューは落ちるので、昨今トレードされるプロスペクトはルール5対象者が多いことを踏まえるとこういう選択をするのもありだと思いました。

残り50試合あまりの見どころ

ポストシーズンは絶望的であり、勝率がそのままドラフト指名権に直結しないシステムに変わったことを踏まえても、もはや目先の1試合に勝つ意味はあまりなくなりました。これからの見どころは先日昇格したコール・レーゲンス(だいぶボールは散らかっていてローテを任せるにはまだまだですが、結果は5回1失点でした)のようなマイナーから上がってくる選手がどれくらいの結果を見せてくれるかというところでしょう。トッププロスペクトのジョシュ・ヤングもルーキーリーグでリハビリ出場を始めています。故障がなければ今年の早い段階で昇格が期待されていた選手だけにおそらく彼もメジャーデビューするはずです。元気なプロスペクトたちが活躍してくれることと、既存戦力が大怪我をしないことを祈りたいところです。

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