除細動器

除細動器は「手動式」、「AED」、「植込み型」の3つにわけられます。

除細動は早すぎる心臓の興奮を抑えるためにもちいます。
似たような機器にペースメーカがありますが、こちらは遅すぎる心臓の興奮を補う機器になるので混同しないように注意しましょう。

手動式

適応疾患
・心室細動
・心房細動
・心室頻拍
・心房頻拍
・心房粗動

心房の除細動にはR波同期が必要です。

皮膚を介した体外通電と直接心臓を除細動する体内通電があります。
※心房の除細動ができるのは成人の心房のみです。

体外通電(成人の場合)
・電極面積:50cm2
・心房の出力:50〜150J
・心室の出力:150〜360J

体内通電(成人の場合)
・電極面積:32cm2
・心房の出力:なし
・心室の出力:20〜60J

体外通電(小児の場合)
・電極面積:15cm2
・心房の出力:なし
・心室の出力:2〜3J×体重

体外通電(小児の場合)
・電極面積:9cm2
・心房の出力:なし
・心室の出力:5〜20J

点検には50Ωの負荷抵抗を用います。
※点検に用いる負荷抵抗は50Ωか500Ωです。
50Ωの抵抗は除細動器などの接触面積が大きいものに用います。
500Ωの抵抗は電気メスなどの接触面積の小さいものに用います。

通電時間は2ms〜5msです。

AED

AEDは一般の人でも使用できる除細動器です。

波形は二相性になります。
あとに出てくる植込み型除細動器も波形は二相性です。

非同期通電による除細動しかできません。
そのため、手動式除細動器の心室の疾患が適応となります。
適応疾患
・心室細動
・心室頻拍

電池にはリチウム電池が用いられます。

出力は固定されており、それぞれ以下のようになります。
・成人:150J
・小児:50J

植込み型除細動器(ICD)

患者に植え込むタイプの除細動器です。
患者に装着したときに心室細動を除細動できることを確認します。

波形は二相性です。

適応疾患は主に以下の2つです。どちらも突発的に起こり、突然死につながる危険がある疾患です。
ブルガダ症候群(突然心室細動になる疾患です)
QT延長症候群(名前の通りQT時間が延長する疾患です。)

電池は酸化銀バナジウムリチウム電池が用いられます。

出力は10〜40Jです。


以上が除細動器の概要になります。

除細動器はペースメーカと混同しやすいので注意しましょう。

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