【要約版】東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート【☆☆】

今回はケース面接対策で定番となっている、『〜東大生が書いた〜問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』の要約版をお送りしたいと思います。


東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート

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【本書の使い方・注意点】
本書の良い点としては、ケース面接というイメージのしづらい問題を、わかりやすくかつ大量の事例と共に紹介している点が上げられます。

売上系・新規事業系・公共系という頻出のケースについて取り上げられているため、世の中に出版されている本の中で、本書ほど網羅的にケース面接を扱っている書籍はありません。

一方で、本書にはいくつかの注意点があります。

1つ目に、彼らの作成したケースの解答はフレームワーク頼みのものが多く、「自分の地頭で考えて解答をする」という力を鍛えるためには、あまりオススメできる書籍ではありません。

戦略コンサルティングファームで求められているものは、未知のケース・問題について自分の頭で考えて答えを出すことであり、既存のフレームワークに問題を当てはめて解決することではないためです。

また、本書の問題と解答方法は多くの面接官も目を通していたり、自身が新卒採用などで利用していたことも多いため、本書の解答を丸暗記してケース面接を乗り切ろうという考えでは、戦略コンサルティングファームに合格することは難しいでしょう。

2つ目に、書籍であるためにインタラクティブな解答がほとんどないという点に注意が必要です。最初に紹介されている例題については、面接官(コンサルタント)と学生とのやりとりになっていますが、それ以外のケース問題については、解答を上から順番にプロセスどおり解答したもののため、それらの解答を見るだけでは、インタラクティブなケース面接の対策ができないと考えられます。

以上より、本書の使い方としては、初めてケース面接を学ぶ方が、問題の傾向・雰囲気や解答の方向性を理解するために用いるのが適切であり、解答を学んだり、暗記するための書籍ではないと言えます。

最適なケース面接対策は、対策方法を知り尽くした「Advantage Career」で実践的なケースを対面でやることです。



【Part1】
・問題解決ケースとは、「与えられた状況に対し、前提を設定し、知っている知識だけを元に合理的な仮定とロジックを駆使して、構造化して分析し、打ち手を提案する短時間のシミュレーション」のことを指す。

・問題解決ケースには、個人を対象にしたケースと組織を対象にしたケースがあり、組織を対象にしたケースには、企業に対するケースと政府・自治体などへの公共機関に対するケースの2種類がある。

*追記:中途採用のケースにおいて、個人を対象としたケースはほとんど出題されないため、要注意。

・企業に対するケースでは、3Cや4P、AIDMAといったビジネスフレームワークを活用することが多く、公共機関に対するケースでは、ストック/フロー、需要/供給、個人/環境といった社会科学や自然科学で一般に広く用いられるフレームワークを活用することが多い。


・問題解決ケースの5ステップ:

①前提確認

②現状分析

③ボトルネックの特定

④打ち手立案

⑤打ち手評価

①前提確認:語句の定義、クライアントの特定、目標の具体化が求められる。

−語句の定義では、あいまいな用語について、コンサルタントと考え方・定義を共有する。

−クライアントの特定では、誰からの相談かによって、打ち手が制限されるため、問題解決の当事者を決める。

−目標の具体化では、対象のエリアやタイムスパン、目標の増加数/率を決定する

②現状分析:全体像を把握する

ケース問題が置かれた現状を把握するために、問題・課題の構造化や因数分解=「地図化」を行う。

*追記:この現状分析でロジカルシンキング力を求められることが多い。

例)チェスをプレイするまでの意思決定プロセス(AIDMA)

注意(存在を知っている、ルールを知っている)→欲求(ゲーム自体の魅力、ゲームに付随刷る魅力)→行動(ヒト/対戦相手、モノ/場所)

例)通勤ラッシュのメカニズム

需要=通勤需要×電車選択率×ラッシュ時間選択率

供給=路線数×本数×車両数×車両あたりの店員数


③ボトルネックの特定:構造化・地図化された問題に対して、問題の主要原因である「ツボ」を突き止める

それぞれの構造化され要素のうち、どこに問題があるかを突き止める。

追記:このタイミングでビジネス知識や一般常識、最新のニュース知識などが求められることが多い

通勤ラッシュの問題の場合、通勤者が多い(在宅ワーク・独立をするヒトの数が少ないこと)、電車選択率が多いこと、ラッシュ時間選択率が多いこと、スペースあたりの人数が少ないことがボトルネックと考えられる。


④打ち手立案:それぞれのボトルネックに対して、打ち手を立案する

先程のボトルネックに対して、具体的な打ち手を立案する。その際に、一般的なアイデアだけでなく、ユニークなアイデアが2〜3個出ることが重要。

1.在宅ワーク・独立する人の数→在宅ワーク・独立支援制度導入に対する税制優遇を行う

2. 電車選択率→通勤バスの増発・ラッシュ時のみのバス割引定期券を発行する

3. ラッシュ時間選択率→オフピーク時のみの割引定期券を発行する

4.スペースあたり人数→椅子を撤廃する/折りたたみ椅子を導入する


⑤打ち手評価:それぞれの打ち手を一定の「ものさし」で評価する

評価軸としては、効果、コスト/リスク、タイムスパンで評価することが一般的である。

打ち手の評価については、定量化することができればベターだが、大中小や短期中期長期といった定性的な評価にならざるを得ないケースも多い。


・大阪−東京間の新幹線内の1日のコーヒーの売上を考えるケース

前提:売り子さんからの相談である。それ以外は自由に設定して良い。

1日のコーヒー売上=売り子さんの1日の乗車本数×

新幹線1本あたりコーヒー購入客数×

1人あたり購入数×

コーヒー単価

新幹線1本あたりコーヒー購入客数=キャパシティ×

稼働率×

回転率×

コーヒー購入率

各要素について、乗車本数とコーヒー単価、1人あたり購入数はクライアントの特性から変更が不可能であるため、新幹線1本あたりコーヒー顧客に絞って議論する。

コーヒー購入顧客については、キャパシティ、稼働率、回転率はほぼ変化がないため、コーヒー購入率がボトルネックである。

コーヒー購入率を上げるためには、コーヒー購入を認知することと、興味を持つこと、購買することのステップのうち、そもそもコーヒーが販売されている事を知らない顧客が多いと考えられる。

そのため、接触の回数と質を上げるには、巡回数×1回あたり接触時間のロジックの中で、口説く回数とタイミングが重要になる。


【Part2】
典型的な問題ケースとしては、

・マクドナルドの売上を上げるには

・花粉症患者をへらすには

が挙げられる。


①マクドナルドの売上を上げるには

前提:店舗数が増えていく中で、日本マクドナルドはいかにして国内売上を上げればよいか

売上=店舗数×1店舗あたり売上

=店舗数×1店舗あたり客数×客単価

客数を考える上では、マクドナルドのユーザーが訪れる時間帯と平日/休日の曜日、そして販売形態の検討が必要である。

ボトルネックとしては、休日の朝および夜の時間帯の稼働率の低さ、およびデリバリーがあまり利用されていない点がある。

打ち手としては、マックの夜メニューの強化、混雑時の処理スピードの向上、営業時間の増加、デリバリー事業の強化の4つが挙げられる。


②花粉症患者を減らすには

前提:花粉症は東京都内において、推定有病率が20%を超えて、国民病とまで言われている。東京都から「都民への花粉症被害を軽減したい」という相談を受け、コンサルティングを行う。

花粉症発生までのプロセスは2通りある。

杉を中心とする花粉サイド:

スギの存在→花粉発生→市街地へ到達

花粉を吸引するヒトサイド:

花粉吸引→免疫・抗体の獲得→発症

市街地を到達させないためにアスファルをを減らす、発症させないようにすることは実現性が非常に低いため、それ以外を議論する。

スギの本数→スギを伐採するかスギを代替する木を植林する

スギ林の手入れをする→手入れを怠ると花粉を飛ばすようになるため、手入れを入念に行う

花粉吸引→マスクや眼鏡の着用を推奨する

免疫・抗体→花粉の予防注射を無料にする

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