若手研究者支援・最近のいい話(オンラインニュースまとめ)
大学院生・若手研究者支援について、Change Academiaを初め、個々の大学院生が活発に発信するようになった影響のせいか、最近政治家やマスメディアでも取り上げられる頻度が増えてきた。特に今日、2019年11月11日は何だか大漁である。Twitterではその都度拡散しているが、ここにまとめておきたい。
1.総合研究大学院大学の長谷川眞理子学長のインタビュー
朝日新聞の嘉幡久敬記者による、総合研究大学院大学の長谷川眞理子学長のインタビュー。
2.(関連)立憲民主党・山岸一生氏のブログ
手前味噌ですが、私が書いたブログも改めて紹介させていただきます。
— 山岸一生 立憲民主党(りっけん) 衆議院東京都第9区総支部長 (@isseiyamagishi) November 11, 2019
「博士課程への進学は、『緩慢な自殺』だ」
こんな衝撃的な言葉を当事者の口から聞き、考えたことです。5カ月前の記事ながら、今も、私の考えにぶれはありません。政治が放置してはならないテーマです。https://t.co/ziJkNtwaOL
このツイートは、2019年7月の参院選前に、立憲民主党から立候補していた山岸一生氏からコンタクトを受け、 @change_academia のメンバー2名が勉強会を開催した際の様子を書いたエントリーである。メンバーのうち一人は自身のブログで「大学院生は『学生の延長』ではない。研究の実質を担っている。」と政治に訴えてきた、大学院生への経済支援拡充を正当に訴えた結果などのエントリーを書いている大学院生である。
※私が初めて陳情した時期に独立に政党への陳情をされていて、連絡を取って知り合いになった。
3.首相「若手研究者の待遇改善を」
政治側からの声を見たのは初めてかもしれない。声が届き始めている可能性がある。引き続き、大学院生側の連帯、必要な改善を解像度高く集めること、政治側へのプッシュ、世論換気etc. を、いろいろな人達と協力しつつ行っていきたい。
4.さいごに(mkepaの感想)
ポスドク1万人計画の余波が20年経っても残り続けていることは、未だ肌でも感じる。やはり「緻密な制度設計にするためにはどうすれば良かったんだろう」ということは常々考えてしまう。ここで大きく動くときに、やり方がまずかったら、また20年後の世代で同じことが起き得るからである。
一部の、高いところに集まった人たちの感覚で適当に決めてしまうというのがいけないのだということはよく分かるので、自戒も込めて引き続き勉強していきたい。おそらく大事なのは、現場の色々な人を巻き込むこと、一般市民を巻き込むこと、多様な視点を見逃さないこと、知識をつけること、専門家の研究に裏付けられた意見をしっかり反映させること、だと思う。(※私の本業はpolicy makingではなく、数学の研究です。)
待遇改善はもちろんだが、アカデミック・ハラスメントの解消も同様に本質的である。十分な給与を保証されることは初手達成されるべきである。しかしその上でも、実は指導教官がヤバいやつで、研究をしても全部剽窃されたり、論文を書いていたのに嫌がらせで学位を与えなかったり、それで病気になっても休学すら認めない、退学を大学から勧められる、同分野の教員が複数人でグルになって嫌がらせをしてくる、せめて単位取得満期退学にしようと思ったらそれすら阻まれタダの退学にされた、という声がまったく珍しくないのである。これでは、待遇を改善されても、元も子もない。
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