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観察力の重要性

昨今色んな所で言われている事はアウトプットの重要性ですが、アウトプットする前、もしくはアウトプットしている最中でも大事なのは観察するという事です。世の中や会社、取引先や家族を対象として、全ては観察から始まり行動を起こす、アウトプットするという流れで進めれば、良質なものを生めたり人生をより良い方向に進めていけます。


自分を観察するという行為

自分を俯瞰して見る、これって結構出来ているという思う人は多いのではないでしょうか?私もそうです(笑)でも本当に俯瞰出来ているのであれば、人はこんなに悩まないものなのかなと、平野恵一郎さんの「私とは何か」を読んで感じる事がありました。

平野さんは本の中で分人主義を掲げていて、個人主義との対比で説明しています。論理学においては、個人というものを一つの人格として考えてますが、分人主義では他者との関わり合いの中で、それぞれ人格があるとみなしています。例えば、会社の同僚と付き合う自分と学生時代の友人と久しぶりに会う自分というものは、それぞれ異なってくるというのは実体験としてあるかと思います。他社の存在を通して、この異なる自分=分人というのを俯瞰して観察すれば、人生を安定的にかつ発展的に進む事が出来ると平野さんは語ってます。仮に仕事や職場の人間関係で悩んでいる自分がいたとしても、それは幾つかある分人の一つと考えて、家族や友人との分人に悪い影響を及ぼさない事。ここで大切なのは分人の比率というものを意識し、どの分人に比重を置くかです。自分にとってどの他者との分人の割合を大きくするかで、気持ちの安定性や積極性が変わり、何歳になっても人生をより良くする可能性があります。本で書かれている内容は、平野さんの秀逸な観察力から生まれてきており、非常に良い影響を与えるものだと思います。

世間や周りを観察する行為

自分を観察し、個人ではなく分人と見立てる事と同じ様に、世間や周りに対しても観察力を発揮する事で、人生が前向きにアクティブに過ごせる事が出来る様になります。別の本の紹介になりますが、澤円さんの「メタ思考」では世の中や職場、あらゆる場面に対して俯瞰し観察する事で人生を豊かにするというメッセージがあります(ちなみに澤さんも平野さんと同様に、特定の環境にあるそれぞれの自分をエイリアスと言葉で表現しています)。

本の中では、たくさんの俯瞰や観察についての具体的な考え方が語られていたのですが、その中で特に感銘を受けたものを挙げていきたいと思います。まず、ジョブ型雇用に関する話があり、”出来てあたり前”だと評価はされず、その上に”プラスオンの部分”があって初めて評価されると言われています。そしてプラスオンの部分は何かというと、”ありがとう”と言われる行動や性質になるのですが、自分の業務以外の部分で言われる事が大切だと書かれています。自分の仕事に当てはめると営業という仕事柄、どうしても売上数字や顧客の反応ばかりに目が行きがちですが、ここで澤さんの言う業務以外の部分は何だろうと観察すると、営業を進めるに当たり、サポートしてくれるスタッフとの情報共有や目的意識を合わせるといった事になるのかなと思います。ここで、自分や周りの環境を俯瞰し観察する事で、何がプラスオンになるのかを常に考えておく必要があります。また別の感銘を受けた考え方の例として、”相手にとって気持ちのいいコミュニケーション”の紹介があったのですが、相手をリスペクトして話しをする事で、相手が気持ち良くなり貴重な一次情報もこちらに出してくれるというものです。私も営業という仕事をする中でこの点は気を付けてはいるのですが、自分を観察して言語化出来ていたかというと、そうでは無かったのです。普段における自分の行動に対する細やかな視点を意識的に持っておかないと、自分や組織のアウトプットにおける再現性の部分で、貢献が出来ていない事になると感じました。ここで紹介したのは本の一部ですが、この様なビジネスパーソンにとって身になる観察についての考え方がたくさん紹介されています。

あらためて観察とは?

今回、観察に因んだ2冊の本を読んで、感じた事や良かった事を書いてみましたが、あらためて観察とはどういう事なのかを考えてみました。観察という行為は、人生において普遍的なスキルであり、少し大げさに言うと死ぬまで人間が続けるべき業なのかな、と思います。普段の生活や仕事において、観察というものは出来そうで出来ない、続けられそうで続けられない、非常にタフな作業です。でも観察から得られるものは多く、それらを色んな場面で横断的に有効活用する事で、人生は少しずつ開けていけると確信しました。世の中の社会に対して大きな貢献をされている方々は、この観察という行為を極めて大事にされているんだろうと思います。



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