囲碁の9路盤が既に解析されてる話
2023年の10月末にKataGoを使った9×9路盤 囲碁の高度な解析(完全解析ではない)が公開されました。リンクはこちら
すぐに広まるだろうと思っていましたが、全然認知されていないようなので。
9×9だけでなく、それより狭い盤(7×7、8×8)等の解析結果や、8×5みたいな変な大きさの盤もあるようです。(7×7の最善手順は一見の価値あり)
結論としては日本ルールでは黒6目勝ち、中国ルールでは黒7目勝ちということで、当初のガチ勢の予想通りですね。囲碁クエルールだと持碁、七盤や高校大会等一般的に採用されている日本ルールコミ6目半だと白必勝になります。
しかし当然変化が複雑すぎるので丸暗記は不可能でしょう。なので、人間どうしが戦う競技としては特に問題はないと思います。iOSアプリの囲碁の師匠のKataGoには解析によって得たニューラルネットワークが既に搭載されているようで、以前と違って初手小目を打つとしっかり劣勢になります。
サイトにも既に載っていますが、aiがない時代に9路をガチってた筆者の所感を書きます。
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中国ルールと日本ルール結果の対応について、セキなどで特殊な状況が発生した場合を除くと、基本的に各ルールでの勝ち、負けは一致します。
問題は中国ルール(コミ7目)で持碁になった場合で、これは日本ルール(コミ6目半)で半目勝ちの場合と半目負けの場合があります。具体的には最後にダメを詰めた側の半目負けになります(これは19路でも使える半目勝負の判定法で、奇数路盤の場合は黒が最後に打った場合、手数が奇数→盤面の空きマスが偶数→目差が偶数(6目)になって黒負けという理屈。白が最後に打った場合は手数が偶数→盤面の空きマスが奇数→目差が奇数(7目)になって白負け)。
つまり、日本ルールにおける最善進行は中国ルール7目のものよりも狭くなります。今回は中国ルールにおける結果に絞って述べようと思います。
囲碁クエでエフェクトが出る主要戦法を調べてみましたが、中国ルールでは大体持碁でした。自分の直感的な戦法の有利不利と解析結果はほぼ一致していました。
勝ちの定石→ホワイトスライス、クロスライン(、対小目、対三々)
負けの定石→小目、三々、ヘッドバット、横ツケ!、座禅、小太刀一刀流、月食、海の妖精
ここに名前がないもの→中国ルールでは互角
以下意外だった進行
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目外しを咎める手としてよく用いられ、最有力とされてきた2手目の高目に対して、黒の応手はたった一通りである。しかもあまり打たれてなさそうな印象のある手だ。
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初手高目に対して主に打たれているのはD5C5D6辺りだが、実は有力な手がこんなにたくさんある。独自の手を極めて研究勝ちが十分狙えるだろう。
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小目に対して最も用いられている2手目はD4だが、なんとそのD4を打てば白勝ちで他は持碁である。F5とか研究に入れやすくて好きだったのにこれならD4に打ちたくなってしまう…
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花の妖精から唯一の最善進行。以前研究したときにこの図を選ばれて黒勝てないと思っていたが、黙って1目を切り取って左下の白に怒涛のヨセを決めて持碁らしい。黒の手が難しい割にあまりにも白の手が簡単なのでこんな変化よりも5手目でC3にハネて勝負した方が良いだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1705169066789-joKpvl39o0.png?width=800)
古き良きブラックブーメランからの進行。次の白の手は左辺の黒との攻め合いを意識したA2サガリが一般的だったが、E2を打って、次にF7のマガリの価値を大きくすることによって、左辺の攻め合いをセキにしたときに地合いで勝てるという意図。
![](https://assets.st-note.com/img/1705169456696-kl4a4Fgkar.png?width=800)
フラワーから白が簡明な図を選んだ進行。安斎本にもある通り、従来E8、F8でもいい勝負とされてきたが、E8に対しては先にD6を決めるのが絶妙の様子見になって負け、F8には手抜いて左下を打たれて負けそうらしい。
![](https://assets.st-note.com/img/1705170914211-lyjr7D7i07.png?width=800)
ブラックブーメランから豆まきにならない方の変化。かつて全国の決勝で黒を持って研究だけで勝負を終わらせた思い入れのある形。また、関東の予選ではこの進行の白を持たされて研究で完封されてしまったこともあった。白番はこれで勝てないのでブーメランに対して長らく8手目E8を封印してきたが、この変化は実は白勝ちらしい。このあと、D8E8F7F8に対して、H5が誰も発見できなかった好手で、白勝ちになっている。
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