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母さんへ

母さんへ

貴女が亡くなって一年を過ぎました、貴女の名残がまだあちこちに残ってて二度と帰ってこないなんて未だ信じられません。
入院してるだけじゃないか。
私が知らないだけで遠くにいるんじゃないか。
そう思う度に病院に駆けつけた時のベッドで横たわり機械に繋がれて虚ろな目を開いている貴女が浮かびます。

目は開いているのに瞬きしない顔を見て、あまりに酷い姿を見て、おばさんも兄も私も、直感的に『ああもう駄目なんだ』と悟りました。

帰ってもテレビはついてなくて、椅子に座る貴女の姿はなくて、猫達は寂しそうに寄り添って眠ってて、服は残ってるのに。

母さん。
思い返せば私は手のかかる子供だったと思います。保育園から小学校低学年まで身体が弱くて風邪をこじらせては熱を出して、心配ばかりかけました。入院した時も当時は泊まり込み可能だったから、ずっとそばにいてくれた。『退院したい』『帰りたい』と駄々を捏ねては先生共々困らせていました。
大人になって働くようになってからも心配してくれるのは変わりなくて、ちょっとおかしいなって思うとすぐに変化に気付いてくれた。

共働きなのに、帰ってすぐに晩御飯の用意をして大変だったでしょう。昔はピーマンが食べれなくて、こっそりトイレで吐き出してたのもお見通しで散々怒られました。
上手くご飯が炊けなくて怒られたのも覚えてます、上手く出来なくてごめんね。
保育園の時に母の日に作ったティッシュの箱で作った小物入れ、ずっと取っておいてましたね、下手っぴなのに喜んでボロボロになるまで使っててくれてありがとう。

持病のせいで少しずつ身体が悪くなって、目の手術で入院した時は「つまらない」と言うもんだからタブレットを買って渡したら大層喜んでくれました。元が真面目な性格からか、始めたアプリゲームはどれもコツコツとやり続けてましたね。

私の早い出勤に合わせて起きて弁当作ってくれてありがとう、早くに起きる分だけ昼間は辛かったと思います、ごめんね。

沢山迷惑かけた、でももっと一緒に居たかった。
一緒に居たかったよ、母さん。

サポートですと!?あなたは神ですか!?むしろ神ですね!?ありがとうございます!!