ヨット

http://youtu.be/OWeePzb8Acc

つべこべ言わずこの動画をみて欲しい。

キンコンの西野さんが、以前『TED』と呼ばれる講演会のようなものに出演した時の動画。

前半は、圧巻の一人喋り。
怒涛のように笑いを取る。
自分が嫌われている話、相方がバカな話、ハプニングに巻き込まれた話、怒られてしまった恥ずかしい話。

どれもこれも、さすがは芸人と言わんばかりの傑作話。

僕もこの中の幾つかの話を、昨年の日比谷公会堂(2000席)の独演会で生で聴いたけれど、それはそれはもう面白いったらありゃしない。

オチへの持っていき方が素晴らしいほど完璧で、もう完全に西野さんのペースに持って行かれる。

動画では、うまく会場の子供たちとも掛け合いながら、どんどん爆笑の渦に巻き込んで行く。

まさしく、『こんな楽しい学校の先生が居てくれたらなぁ』だ。

でも、この動画の、この講演の凄いところは、面白いコトだけではない。

後半、残り5分のコトである。

西野さんは突如、こんなコトを言い出す。

『TEDの方から、西野さんトリなので、最後はいい話でまとめてくれっていわれて...僕芸人だから、本当はこのままお疲れ様でした!っていって終わりたいんですけど、そう言われたので、ちょっとここからいい話をしようと思います。』

この言葉をきっかけに、少し落ち着く会場。

西野さんが徐に語り出したコト。

『人間は、エンジンの着いていない、帆で進むヨットと同じ。ヨットって、追い風の時はもちろん進むけれど、向かい風の時だって帆の向きを少し変えれば、前には進めないけれど、ジグザグに、斜め前には進める。一番怖いのは無風状態。

人間に置き換えると、追い風は、才能。向かい風は、コンプレックス。

僕は芸人という方向に少し帆を傾けた。
そしたら、嫌われてるコトだって、相方がバカなコトだって、ハプニングに巻き込まれたコトだって、恥ずかしい経験をしたコトだって、笑い話にできた。
全部マイナスなコトだけれど、マイナスなコトがあったから、こうやって話してみんなの笑い声が聞けた。

勉強が出来ないコトだって、運動が出来ないコトだって、恥ずかしいから隠そうとしちゃうけど、せっかく向かい風が吹いてるんだから、これを消しちゃうのは勿体無い。
これは消すんじゃなくて、利用した方がいいよ。』

もう、ここまでくると、感動以外の何物でもない。

前半で笑いをとって、後半でその笑いを大切な話に還元して行くという構成。

ただ話すだけじゃなかなか伝わらないコトを、『笑い』という感情を武器に、体感を交え、心の奥底に伝えてくれた。

最後、西野さんと観客の子供がこんなやりとりをしてしめた。

『日本一嫌われてる俺が、こんなにも毎日ゲラゲラ笑えているんだから、説得力あるでしょ?』

『そんなに嫌われてないよ?』

『...ここは、嫌われてるコトにしといてくれや!』

先日も書いたけれど、この人の生き様をみていると、まだまだ、面白く出来るコトはたくさんあるなぁと本当に思うのです。
自分次第で、人生や、一日の価値なんて、いくらでも上げられるなぁ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?