筋肉をいたわる

仕事をしたり、歩いたり、走ったり、家事をしたり、食事をしたり。お風呂に入ったり、洗濯をしたり。

一日生きるということは、身体を使うということ。

食べるたり話したりすることに口の周りや舌の筋肉を使ったり、パソコンのキーボードを操作することに腕や指の筋肉を使ったり、モノを見るために目の周りの筋肉を微妙に調整したり。立ったり歩いたりするためにお腹周りの筋肉や背中の筋肉、足の筋肉や肩周りの筋肉をバランス良く使ったり・・・。

別に運動していなくても身体中のたくさんの筋肉を使って姿勢を保ったり動いたりしています。

呼吸をするときに動いている部分に手を当ててみると、たくさんの筋肉が動いてくれていることに気がつくことでしょう。立っているだけのときも椅子に座っているときも、どこかの筋肉は緊張し、その姿勢を保ってくれています。

お風呂に入っているとき、寝る前のひととき、多分たくさん働いたであろう筋肉の場所に手を当てます。そして、その硬さや動きをただ感じながらぼんやりします。

硬いと感じるかもしれないし、柔らかいと感じるかもしれない。動いていればその筋肉がどんな風に働いているのかわかるかもしれない。もし肋骨やお腹に手を当てれば、呼吸をするたびに肋骨と肋骨の間の筋肉が動いてくれていることに気付くでしょうし、お腹の筋肉も動いてくれていることに気付くでしょう。

顔の筋肉に触れてそっとその固さに注意を向けていると、緊張で知らず知らずのうちに歯を食いしばっていてあごの筋肉が張っていることに気付くかもしれません。

そんなときは、しばらくその筋肉に手や指を当てて目を閉じます。

固さや動きに注意を向けて、それにそっと気付いてあげます。

たとえプロのマッサージセラピストに施術をしてもらうことができなくても、ただ、無言の働きに気がついて自分で手を当てていたわる、それだけで、筋肉が指の重み分くらい、ほんの少しだけ緩んでいくことに気付くかもしれません。

自分の手の温かさに気がついて、心がほっこりするかもしれません。

いつもお疲れ様、と自分の身体に自分の手で伝える、そんな筋肉のいたわり方もありかもしれません。


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