肩甲骨の話

背中側、肩の下あたりに肋骨を覆うようにして存在する骨、肩甲骨。

初めてそれを見たときに「なんて美しい形の骨なんだろうか」「こんな形が自然に形成されるんだ」と思い、うっとりしてしまいました。

学生として実習に参加していたとき、肩甲骨のありとあらゆる側面のカーブが美しくて指でなぞりながら本当に長い時間肩甲骨を見つめたことを、わりと鮮明に覚えています。

この肩甲骨には肩のあたりを動かす筋肉がたくさん付いています。肩甲骨とその他の骨にそれぞれ端っこがくっついた筋肉が縮んだり伸びたりすることで肩がいろいろな方向に動いてくれます。走っているときには骨盤と連動して動いていて、肩甲骨が動くと脚もスムーズに動いてくれます。肩甲骨の動きが脚の動きを助けてくれているみたいだなぁと思います。

肩甲骨は背中にあってあまり大きく動いていないような気がしてしまいますが、目立たずにそっと存在して、静かに大切な働きをしています。そんな縁の下の力持ち的な存在感も好きなところの一つです。

今日は肩が凝ったなぁ・・・なんて思った日は、肩に手を当てて自分でそっと筋肉をゆるめます。肩周りの筋肉が緊張したり硬くなったりしていたら「筋肉が縮んでるなー」って気がついてあげて、筋肉の端っこから端っこに向って手のひらで優しく暖めるように撫でながら「これからゆるめるよ」と筋肉に合図をして、それから優しく揉んであげるとほぐれやすいです。ほぐれたら、心地よい感じをしっかり味わいます。いろいろと感じながらするので一手間かかりますが、うまくできると肩甲骨が自由になった感じがしたりします。私たちはルールで縛り付けられると苦しくなりますが、肩甲骨も緊張した筋肉で動きがとれなくなると結構苦しくなっちゃうんだなぁと実感します。

肩甲骨はもちろんですが、いつも、からだのいろいろなところが自由に、おおらかに動けるように調整しておけたらいいな思います。そうしたら、心も自由に、おおらかに、柔軟で創造的な働きをしてくれるんじゃないかなと、そんなことを思っています。


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