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わたしの大学選手権

去年の今日。ちょうど今くらいの時間、全ての片付けが終わったような気がします。勧学館浦安の間で、全てが終わった後に1試合だけ試合を取らせて頂きました。忙しさのあまり気が付かなかったけれど、2日間選手たちの情熱に浮かされてずっとずっとかるたがしたかったんだということに気がつきました。たった1試合だけだったけれど大切な1試合。私にとって選手として唯一の大学選手権です。その後、勧学館の食堂で余った賞状に名前を書いてもらってお疲れ様の表彰をしてもらいました。どんな表彰式よりも嬉しい、4日間勧学館に泊まり込みで一緒にがんばった連盟のみんなからの拍手でした。

2年前、1回生の頃の大学選手権2日前。私は目前に迫った大学選手権のためにかるたの練習を…していませんでした。次の日から始まる別のサークルの合宿の準備をしていました。合宿と大学選手権が丸々被って嘆き、合宿を選択したのでした。しかし、合宿前日になって合宿の日程が1ヶ月違うことに気がつきました。知る人ぞ知る太宰府池ポチャ事件に続く大事件。自分の間抜け具合もここまでのものかと呆れ果てるしかありませんでした。そういうわけで2日前に大学選手権運営に飛び入り参加することにしたのでした。

地元の鹿児島大会や鹿児島国文祭を手伝ったことはありましたが、関西に来てこちらでの大会のお手伝いは初めての経験でした。しかも大学選手権は運営がみんな初対面の大学生や若い人ばかり。武道館でとりあえず言われるがまま働きましたが、周りがテキパキと指示を出したり動いたりしていて圧倒されました。結果として、私のドジが導いたこの年の運営経験が翌年に生きることに。まだ私が大学選手権への思い入れが特に無かった時の話です。

10人から始まったみずきち練が100人以上の規模になった頃、関西の知り合いも沢山増えて、関西連盟に入るお話を頂きました。副会長の仕事は、次の年のためにみて勉強すること!だったのですが、急遽早めの会長交代があり、何にも知らないまま会長になってしまいました。右も左も分からない私を導いてくださった浜野さん・一から千までドイツの地から教えてくださったあおい先輩をはじめとするOBOGの方々には本当になんと言葉にすれば良いのか分からないくらいの感謝をしています。それから、一緒に乗り越えた関西連盟役員、関西の大学生のみんな、全国の皆さん、関西の大人の方々にも大変感謝をしています。大学選手権。何も出来なかった私が、みんながいたら何か出来る存在になれた場所でした。

そして今年。2年連続会長として関わることになるいう人は、システム上この先現れないと思うので色々思い切って改善しようと意気込んでいたのですが、今年は中止の選択を迫られました。多くの人の切な思いを聞き、胸が苦しかったです。1000人以上の出場者の皆様には、1000通りの思いがあることだろうと思います。大学選手権。千の思いがぶつかり合う場所。9月開催に変更した今年は、本当ならきっと今頃忙しく準備を進めていたんだろうな〜と思います。

大学選手権には選手としての縁はなかったんだな〜と思うと同時に、かるたの未来との運命を感じます。A級になれなかったり今みたいなことが起こったり、辛かったりすることはあっても絶対に途切れることの無いかるたが好きだという気持ち。もっとかるた界を明るくしたい。みんなで良くしようとしたい。段々と近づいていく全日協との距離や広がっていく偉大な方々とのコミュニティ。自分ができること。薄々と考えていたかるた界の未来に対するやりたいことの輪郭が見えてきて、それに向けた道すじが少しずつ見えてきたのも、もしかしたらぜんぶ大学選手権に出られなかった1回生の夏の大失敗から始まったのかもしれません。

まさか大学選手権がやれないなんて。ただ、こんなイレギュラーももしかしたら何かに繋がるかもしれない。むしろイレギュラーは新しいことを考えたり取り入れたりするチャンスになり得ることを私は知っている。仕方ない。だけど、何かにしたい。何かにする。何かにできる。

だって、私はかるたを愛してる!この先もずっとがんばる!そしてかるたから貰った分だけ、恩返しもたくさんしていきたい!です!!

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