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そろばん教室3週目

今日も「そろばん1」の教材と「あんざん1」の教材、それから筆箱とそろばんをトートバッグに入れる。そろばんは実家から送ってもらったもので、母がケースを作ってプレゼントしてくれた。この間、隣の席に座った小学3年生の女の子に「それ可愛い」と褒めてもらった。

私がそろばん教室に通い始めて3週間が経った。週に3回、1時間ずつのお稽古。自宅から徒歩3分の距離にある、おばあちゃんがやっている小さな教室だ。生徒もぜんぶで10人くらいで、バイトが終わってから行く時はもうみんな帰っていてマンツーマン指導だったりする。そろばんは全くの初めてだった。

何故そろばんを始めたのか。興味があった。それだけ。最近つくづく自分の思いつきの良さとフットワークの軽さに感心してしまう。

しかし、やりたいと思ってから3日くらいはやっぱり年齢を気にしてしまっていた。

Yahoo知恵袋で「大学生 そろばん 始めたい」と調べると私のような相談者が出てきた。質問者は春休み期間にそろばんを習ってみたいという。ついた回答は「もう遅い。資格の勉強でもしろ」といった内容だった。

もし馬鹿にされたらどうしよう。周りに「無駄だ」と笑われたらどうしよう。

それから時間の問題も大きい。バイトやら課題やら就活のことやら色んな仕事で忙しい。なにか挑戦している余裕があるのか。

家族にそろばんを習ってみたいんだけど忙しいから無理かな〜と伝えると、まだ始めてもいないのにそろばんを送ってくれた。手作りケース付きで。やってみたら?と応援してくれた。そういえば私の家族は私の今までのどんな挑戦も馬鹿にせずに応援してくれたなあと思った。無謀な挑戦も失敗も苦労もたくさんたくさんしているのを見ているはずなのに。

(ちなみに今までで1番迷惑をかけた無謀な挑戦は小2くらいの時にピアノ習ってないのに誰もする人がいなかった伴奏を引き受けて帰ってきたことだ。ちょっと練習すれば出来るものだと思っていた。ピアノができる母に家のキーボードで教えて貰いながら練習して、でも両手で弾くのは難しすぎて、しかも学校のピアノはキーボードと違ってとても重くて、合唱発表の日までにはさすがにどうにも出来ないと思って先生に謝った。)

思えば父も母も妹も挑戦家だ。母が地域で子育てミーティングを開いたり小学校の行事に携わったりしていたことや、父がいつも勉強したり会社を辞めて色んなことを楽しそうに始めたりするのをずっと見ていた。父も母も色んな壁にぶつかっては乗り越えていた。そんな姿はいつもかっこよくて、輝いて見えた。自分が楽しいと思うことをどんどん広げていくパワーに魅力を感じた。知らない場所に飛び込んでいく勇気に敬意を感じていた。そう考えると、そろばんくらいサラッと始められるような気がしてきた。

思い切ってそろばんを始めてみると、想像以上に暖かく迎え入れてもらえた。最初に電話してみた時も体験に行った時も先生は喜んでくれた。小学生はびっくりするほど速く暗算をしたりそろばんを弾いたりしている。私はいま2桁×2桁に大苦戦中だ。それでも先生や小学生が「1か月も経っていないのにここまで出来るようになってすごいね!」と持ち上げてくれる。

時間的な余裕は正直ない。暗算がはやく出来るようになるかどうかも分からない。でもいまとても楽しい。毎週3回のお稽古がとても楽しみだ。それだけで良いと思った。

小一の男の子に「大人もそろばん1の教科書からやるんだね」と言われた。私もすっかり大人に見られる歳になったのだ。小学生の会話はいつも面白い。続けて、「ここには若者しかいない〜!先生以外!」と言っていた。「先生は人生後半やもんな〜」とのこと。先生かわいそう。あらそういえば、私も当然のように若者仲間に入れてくれてるんだね。

そろばんを始めてみて、ふと気づいたこともある。自分の集中力が正答率にモロに出る。小学生の会話を聞いていたら間違えるし、眠かったら間違えるし、noteに書いてみたいな〜とか思ってたら間違えた。

それから、当たり前のようにたくさん間違えるという経験が久しぶりだった。間違えたら二重線を引いてもう一度やり直したらいい。もう一回答え合わせをしてもらったらいい。最近、失敗に必要以上に怯えていたような気がした。失敗から得られるものっておっきい。失敗を無かったことにする消しゴムがなくても大丈夫。

迷ったら楽しいほうに!迷ったら嬉しいほうに!迷ったら信じてるほうに!迷ったら好きなほうに!迷ったら苦しいほうに!

失敗も負けもドンとこーい!

きっとなにかが待ってる!いえい!


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