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足跡

来年のマイブックを購入しました。新潮社の文庫本です。

この本、とてもお勧めします。私は高校一年生の時から愛用しています。確かに間違いなく文庫本なのですが、愛読書とは言いません。愛用です。どういうことかというと、この本は何も書いていないのです。もう少し正しく言うと「日付と曜日しか書いていない」のです。

使い方は様々だと思いますが、私はずっとかるたノートとして使っています。中学生までは土日だけだった練習が高校生になって毎日のように練習をするようになり、1日1頁のびのび書けるこのノートはピッタリだったのです。

さて、かるたノートは付けることをお勧めします。考えたことや教えてもらったこと、滅多にやらないことは忘れてしまうし、目標を常に意識するのは難しいですから。それから時々見返すと非常に成長を実感できます。毎回結果を書くだけでも振り返りに便利です。月の始まりには○月、とだけ書いてある扉のページがあるので、私はそこにその月の目標やその月のまとめなんかを書いています。毎日のようにかるたをする学生にピッタリだと思います。特にこの本はかるたノートが続かない人にもオススメします。日付が書いてあるとなんだか普通のノートよりもちょっと書きたくなるのです。

私がこの本にかけているブックカバーは、高校同期に誕生日に貰ったものです。思い入れがあり、もう何年も使っています。このあいだ彼女と一緒に高校のOBOGで光くん杯に出場しました。高校生に戻った気持ちで懐かしい声を聞きながらかるたを取りました。

その頃のマイブックには、たくさん団体戦のことが書いてありました。後輩や同期を強くするために考えたことや、新歓の作戦なんかも書いてありました。今では常識として持っているかるたの感覚が新しく先輩から教えて貰った概念として言語化されていました。見ていると微笑ましいし、忘れていた感情や当たり前すぎてすっ飛ばしていた大学の後輩に教えなければならないことが書いてあって役立ったりもします。何も成長していない所もあれば、確実にできるようになったこともあります。かるたノートを付けることは、自分の辿ってきた足跡を残すことになります。

苦しかったり悔しかったりして許せなかったその時の自分を、いつか許して認めて褒めてあげられる日まで鮮明にその時の言葉で残す。これはいくら負けてもかるたを頑張り続けられるひとつのコツかもしれません。苦しくて苦しくて仕方ない何かがあったときに以前の自分の積み重ねた足跡に励まされると思います。

どこかで伸び悩んだ時、大切なことは辛抱して一歩一歩進み続けることだと思います。伸び悩まずにグングン進み続けることは理想ですが、かるたは楽しくてもそれに付随する様々なことが苦しい時が来るかもしれません。そんな時にかるたが楽しいことを思い出すために。苦しさを乗り越えた自分をいつか褒めてあげるために。大切なことを忘れないでおくために。かるたと、自分と付き合っていくために。マイブックでかるたノートを付けてみるのは如何でしょうか。


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