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アスタロト公爵#18悪魔皇女サ―ティ

※この物語は 「阿修羅王」の本編より 悪魔の三大実力者のひとり、アスタロト公爵の作品を抜粋しています。特定の宗教とは 何の関係も無いフィクションです。 

「ほら、こんなに明るい夜は久しぶりだよ」
そう・・・アスタロトは、もともとは月の女神。月の守り神だったのよね。
サーティは、突然全身が上気するのを感じた。
アスタロトのうそつき!こんなに明るかったら、やっぱり見えるじゃないの。

「サーティ、どうして、わたしを選んだんだ?」
サーティは答えない。
「神々の間でも、姉や妹を妻にする事は珍しくない。まして悪魔なら・・・」
サーティは、アスタロトの腕から抜けてベッドに戻ろうとした。
「怒ったのか?待てよ」

振り返ったアスタロトの肢体を目の当たりにして、サーティはまた赤面して顔をそむけた。
「リオールとサーティは、一緒になるんだと、魔界の誰もが思っていたんじゃないかな。その為に二人は生まれてきたんだと。
リオールは何故コーラを選んだんだ?ルシファー様も、どうして許したんだろう?」

******アスタロトとの婚姻後の、兄リオールの訪問

「もう、私は何もわからない小娘じゃないわ。あの時の私はあなたが欲しくても、どうしていいかわからなかった。あなたに嫌われたくなくて、恥ずかしくて大胆になれなかったの。
でも、後悔したわ。もし、私に勇気があれば、あなたをコーラに渡しはしなかった。あなたがコーラに会う前に、あなたを私のものにしておけば・・・」
リオールはサーティに腕をつかまれたまま、ゆっくりと逃げるように後ずさっている。

「サーティ、もうずっと昔の事だ。今は俺にはコーラという妻いて、おまえにはアスタロトという夫が・・・」

「コーラという妻がいて?彼女が堕天使となって堕ちて来た時から、片時も離れずコーラを見ていたくせに。
ルシファーが、コーラを別宅に連れて行った時のあなたの動揺ったら、なかったわね。あの事がなければ、今でも見つめていただけじゃないの?
あなたって、優しくて強引じゃないけど、相手を大切にしすぎて、なかなか前に進めないのよね。だから、後手後手にまわってしまう」

サーティに押されて、リオールはつまづいてよろけた。
その後ろはサーティのベッドだ。かつてのサーティの部屋にあったベッドにそっくりな・・・。
「よせ!自分が何をしてるか、わかっているのか?おまえはアスタロトの妻なんだぞ。それに、俺はおまえの兄だ。俺達は兄妹・・・!!」
サーティがリオールの唇を奪うと、リオールは逃げるようにベッドに倒れた。

*******再びアスタロトとの婚姻の夜

「アスタロトは、やっぱり女の気持ちがわかるのね。
私があなたを選んだ理由は、あなたが女だった時の事を、その時の気持ちを未だに忘れず、そしてそれを引きずっているからよ」
今度はアスタロトが顔をそむけた。
「わ・・・わたしは、別に昔の事なんか・・・」

そこまで言ってアスタロトは、再びサーティに顔を向け、その目を見つめた。
「そう・・・か。サーティには、心が見えるんだな。隠しても、みんな見えている。」

アスタロトはサーティの手を引くと、ベッドに戻った。

ありがとうございましたm(__)m

アスタロト公爵#18悪魔皇女サ―ティ


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