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エンドレスヒール#40 -3.11

この物語はフィクションです。登場する人物・団体等は架空のものです。

2010年初頭(ノアヒール講座)

和美は立っていて、座っている人の方に両手をあてると、目をつぶって その人の苦しみを受け取ろうとした。

その直後、体がグラグラ揺れて回りだした。
どうしよう、回っている。
めまいの様だ。
立っていられない。

何度か両手が離れそうになり、座っている人の体にぶつかっているような感覚に襲われた。
まだ、終わらないのだろうか。
いつ、終わるのだろうか。
このままでは倒れてしまう。

どうしよう。こんなところで倒れるなんて。
体の揺れは、ますます酷くなり、自分ではとても支えられなくなってきた。
まずい。
やめる、と言った方がいいのか。

目をあけてみるべきだったかもしれない。
しかし、その時の和美には、「目をあける」という発想が無かった。

「はい、終わりです。一人一人感想を聞きましょう。」
らこさんの声で、やっと和美は目を開けた。
和美の順番に来た時、和美は体が揺れていたことを話した。
すると、座っていた人が「何度もぶつかって来るので、大丈夫かと思っていた。」と話した。
そこへ、突然、部屋の隅に座っていた おばさんが口をはさんだ。

「あなた、ちゃんと立っていたのよ。倒れそうだから支えようかと、手を出そうかとも思ったけど、体はちゃんと立っていたから、手をださなかったの。倒れそうだったのは心の中だけだったのよ。」

らこさんが急に叫んだ。
「あ~~~!!すみません。ご紹介が遅れました。ノアヒールの創始者の須藤聡子さんです。」

え~~~!!!!
この人が 創始者?
だって、ただのおばさんにしか見えなかったのに!?

これが和美と、ノアヒール創始者 須藤聡子さんとの出逢いだった。

続く
2011年4月26日(火)

エンドレスヒール#40 -3.11

かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね

次回 エンドレスヒール#41 へ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/naa0d4f3a4913

前回 エンドレスヒール#39 は こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n37987443cb4e


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https://note.com/mizukiasuka/m/m3589ceb09921

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