サナトリウムの裏側で
あなたの詩を読みながら
知り合った頃のことを 思い出す
あなたの詩に 惹かれて
あなたの詩を 追いかけて
あなたの詩を 愛して
あなたとの 言葉のやりとりを
求めたのは 私だったのかもしれない
でも あなたには 愛する方がいる
あなたの 愛する方は そばにはいなくて
その思いが 言の葉になって
飛んでゆく
その方は ご病気なのね
どこかで 療養されているのかしら
あなたの詩を読みながら
智恵子抄を思い出す
光太郎が智恵子を想って
詩を作ったように
あなたも あなたの愛する方に向けて
言葉を紡いでいるのかしら
そして あなたが その方を 想うように
その方も 想っているのでしょう
私は それを 横目で見ながら
知らないふりをする。
ずっと ずっと 気づかないふりをする
あなたと その方の 幸せを祈りながら・・・・
二〇〇八年平成二十年十月二十日（月）
ポエメルヘンの部屋⑥サナトリウムの裏側で
最新作「駒草ーコマクサー」
弟が最後に見たかもしれない光景を見たいんですよ
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