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カオル #18

「カオル、ホテルから逃げたんだって?」

いつものようにノックもせずに部屋に入ってきたカオルに

晃二は開口一番 こう言った。

「柚季のやつ、あの時 十日くらい学校休んだんだ。

それから たまに学校来ても、無視されっぱなしでさ。

やっと今日、学校さぼろうとしてる時、

校門でつかまえて、無理やり聞いた。」

晃二は机に向い、カオルに対して後ろ向きのまま

話を続けた。

「なんで約束やぶったんだよ。柚季、本気だったんだぞ。

カオルとのことがあったから、もう俺とも話したくなかったんだ。

そりゃあそうだよ、カオルのこと俺の親戚だって思ってるし、

一緒に暮らしてるし、俺を見ただけでカオルのこと思い出して

つらくなって、あたりまえだよな。」


カオルは、晃二の部屋の隅に

腰をおろして座り込んだ。

「晃二は、俺が金髪ちゃんを抱いても平気なのか。」

「・・・どういう意味だよ?」

晃二は戸惑いを見せた。

「晃二は、金髪ちゃんと仲いいんだろう。」


カオルは、何が言いたいんだろう。

「俺が、柚季を好きだって言うのか?」


「柚季とは、いい友達だよ。

環境が似てるせいか わかりあえて・・・。」

晃二は柚季と同じことを言っている。

カオルは同じ説明を黙って聞いた。


「だから、好きとかとは違うんだ。

俺に遠慮したってなら、おカド違いだぜ。

だいたい あんな約束する方がおかしいよ。

でも、柚季は本気だったんだ。

約束した限りは、逃げるなんて卑怯だよ。

どれだけ柚季を傷つけたと思ってるんだ。

わかってるのか、カオル。」


そこまで言って、晃二はやっとカオルの方を向いた。

カオルは無表情で じっと晃二を見つめていた。

晃二はちょっと たじろいだが、

口をゆがめてカオルを見返した。

「なんとか 言えよ。」


「この二か月、いつか晃二から

この話が出ると、覚悟していたよ。」

カオルは やっと口開いた。

ありがとうございました(-_-;)

カオル#19へ続く

カオル#18

新作駒草ーコマクサー」
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カオル#19こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n8f4e79b191be

カオル#1最初から
https://note.com/mizukiasuka/n/nb8d33d9d576f

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