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言葉ならべ 詩?つぶやき?

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詩、かもしれない、つぶやきかもしれない言葉あそび
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キミの琴線にふれるもの

キミの琴線にふれるもの ジャズ バスケ みどりのカメ チロルチョコ 生キャラメル 生ハムメロン 満天の星降る夜 何かしら しきりに気にしながら それでも あまりの星の輝きに 気になるものも 吹き飛んだ あの時ボクが キミの心をひきつけようと やたら詳しそうに 星の話をしていたのを 覚えてる? なのにキミときたら 昨日聴いた ジャズコンサートがどうとか ファンのバスケ選手の活躍ぶりとか あげくに家に置いてきた ペットのカメの心配かい キミのポケットには

信号機

赤信号は止まれ  黄色信号は注意  青信号は渡れ  保育園のお散歩 先生の言うことよく聞いてね  「信号さ~~~ん!」  小さな女の子が手をふってる  晴れた日  朝から旗を持ったお母さんが横断歩道に立っている  一年生のお通りだい   ちょっと大きいお兄さんやお姉さんたちは、下級生のあとから  ちゃんとうしろも気をつけてね  お日さまがまぶしいね  信号機がもぴかぴか光ってる  雨の日  大きな黄色い傘が並ぶ  長靴もランドセルカバーもみんな黄色  横断歩道はキリンの群

銀の風(自らのワークショップから)

あの笛はどこから聴こえるの 笛の音に惹かれて外に飛び出すと、秋めいた冷たい風が体に突き刺さる 澄み切った夜空 細い三日月 笛の音が遠く近く響き渡る あたりを見廻し 音の主を探しながら歩き出す 月の光に照らされ 長く影が伸びていく 「あの」 伸ばした手の先に もうひとつ長く伸びる影の人が 月の光の中で銀の笛を奏でている 「あの」 もう一度声をかける 「あ!」 突然強い風が砂煙をあげて、襲いかかって来た 眼を押さえてうずくまり、風が通り過ぎるのを待つ

虫愛ずる姫

思い出す 夏の夜 思い出す 秋の夜 すすり泣く 鈴虫の すづり鳴き 鈴虫よ 虫愛ずる わらわの こころ 虫愛ずりて 夜長する 二〇〇八年平成二十年九月九日(火) ポエメルヘンの部屋③ 最新作「駒草ーコマクサー」 弟が最後に見たかもしれない光景を見たいんですよ 過去作品・メルマガ・マインドブロックバスター  HP/リザストはこちらから 3分で1個 心のブロック解除

月夜

ひとくち飲めよ と すすめられ 二人で かこむ 夕月夜 今宵の月を飲み干して 飲めや 歌えと 騒ぎ出す うさぎ のぞいて 眼があえば 餅を とられて 大慌て 月に 帰るの いや 待てと 餅を サカナに もう一献 二〇〇八年平成二十年九月十二日 ポエメルヘンの部屋④月夜最新作「駒草ーコマクサー」 かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね 過去作品・メルマガ・マインドブロックバスター  HP/リザストはこちらから 3分で1個 心のブロッ

サナトリウムの秋

少し寒くなってきましたね あなたの手紙 読みました そちらは そろそろ 雪ですか? こちらは 秋の気配  まだまだ 秋は 長そうです あなたの街で 雪が降っても こちらは まだ 暖かい 息が白くなるのは 先のようです この暖かさでは マッチ売りの少女も マッチは売れないけれど そのかわり 凍えることはない きっと フランダースのネロも 震えたりは しないでしょう そうそう 秋にふさわしく  最近 ごん を 見かけますよ 私を見ると 逃げるんだ

サナトリウムの裏側で

あなたの詩を読みながら 知り合った頃のことを 思い出す あなたの詩に 惹かれて あなたの詩を 追いかけて あなたの詩を 愛して あなたとの 言葉のやりとりを 求めたのは 私だったのかもしれない でも あなたには 愛する方がいる あなたの 愛する方は そばにはいなくて その思いが 言の葉になって 飛んでゆく その方は ご病気なのね どこかで 療養されているのかしら あなたの詩を読みながら 智恵子抄を思い出す 光太郎が智恵子を想って 詩を作ったよう

陽(ひ)

影ふみ 影ふみ 陽がのびる 影ふみ 影ふみ 陽がくれる くれてゆくほど のびる影 ふんだ人数 12人 長い 長い 影ふみは  陽のかげり つくすまで 幼き時間 消ゆるまで ポエメルヘンの部屋⑦陽(ひ)最新作「駒草ーコマクサー」 かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね 過去作品・メルマガ・マインドブロックバスター  HP/リザストはこちらから 3分で1個 心のブロック解除

記憶・・・?

さらりとした空気が、まわりの湿度をかわかしてゆく。 砂に煙る都。通り過ぎる馬車。 道行く人は異国の様相で、時に潤った青い目で、時に鮮やかな緑の目で、道々の店に顔を出す。 珍しい布、石、花、様々なものが並ぶ市場。 「安いよ!安いよ!」 声が飛び交う。 「願いが叶う石だよ。」 耳に飛び込んだ言葉。願いが叶う?私は足を止め、ひとつの石屋に入る。 ブルーラベンダーの輝き。ひきよせられるように手に取り、透かして見る。 「お客さん、いい眼をしてるね。それ、お買い得だよ。

もちつきはしないけど・・・

「忙しい。忙しい。」 とにかくぼくは大変だった。だから、急いでいたし、走ってたし、すごくすごく忙しかったんだ。 だから、ぼくの後に誰かが追いかけて来たなんて、考えてもいなかったさ。 まして、ぼくを呼びながら、ずっとずっと追いかけて来ていたなんて、知らなかったんだ。 後から聞いた話だけど、その後、その子が迷子になってしまい、 いろんな所で事件をおこして大変だったなんて、もちろん知らないし、 ぼくは忙しくて大変だったんだから、ぼくのせいじゃないよね。 だってぼくは、

ひっ虎—

虎の威をかるキツネさえ 張り子の虎など怖くない まして屏風や掛け軸は 追い出さなければ 暴れない 一休禅師が言うように 絵から飛び出てみしょうなら 捕らまえることも 出来ように 何が自由か 不自由か 虎視眈々と狙い足る 視線の先にありしかは 眼には見えないモノなれど 孤独の先の ひっ虎— 捕まえられることもなく 飛び出すことも許されず 眺められたるのみしかや ひっ虎— 2月発行の新作 七作目 「炎の巫女/阿修羅王」 全国書店先行予約開始!! Amazon等にて先行予約

赤いドレスのおじょうさん(自らのワークショップから)

赤いドレスのおじょうさん 私の靴は紫色 赤い靴が欲しいけど、買いたいけれど買えないの 家には病気のおとうさん おかあさんは空の上 赤いドレスはおかあさんの形見 だけどとっても貧しくて、そろいの赤い靴は売ってしまった 「もしもし、そこのおじょうさん」 「あなたはだあれ?紳士さん」 「おとうさんはおいでかな」 紳士と病気のおとうさん 昔、おとうさんに助けられた紳士さん それから紳士に連れられて、船に乗ってよその国 おとうさん、新しい病院へ 今では元気に働いている 赤い