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デンマークのサステナブルな土地活用-BaneGaarden

デンマークと言えばカールスバーグ社のビールを思い浮かべる人も少なくないだろう。そんなカールスバーグ駅から徒歩3分の場所にひっそりと位置するBaneGaardenは都市と自然をつなぐ場所として最近注目されている。

BaneGaardenができた経緯

Banegaardenが位置する土地は、もともとはDSBというデンマーク国鉄の車庫・修理場として使われていた。1909年に線路設置のために使われる木材や資材を置くための倉庫が建てられたが、1950年以降倉庫は使われなくなり、草が生い茂ってしまったんだとか。DSBは木造の小屋を保護することを決め、新しい食と文化を形成する場としてBaneGaardenは作られた。

現在、敷地内ではレストランやフードマーケットが設置されており、文化プログラムや農業関係のワークショップ等も行われている。また、BaneGaardenの近くには学校も隣接しており、教育の場として活用されることもあるそうだ。

敷地内の様子

サステナブルにあふれる場所

BaneGaardenの大きな特徴は、様々な点でサステナブルを意識していることだろう。

大規模な修繕も際には、サステナブルな材料や方法を用いられた。消費よりもリサイクル、スピードより技巧、合成素材よりも自然な建築資材、コンクリートやスチールより木材、タイルより木製チップといった理念のもと、行われた。プラスチックの絵具ではなく、牛乳から作られたペイントを使用していることからも環境への配慮がわかる。

環境への配慮は、BaneGaardenで提供される食事にもみられる。ベジタリアン向けの食事を提供したり食材をできる限り敷地内で調達したりしていることが挙げられる。また、BaneGaarden内では、サーキュラーエコノミーが成り立っている。敷地内にニワトリがいて、そのフンがコンポストとしてオーガニック農場で使われ、そこで育てられた野菜は敷地内のレストランで使用される。野菜の皮等はニワトリの餌になりうる、という仕組みだ。

にわとりの小屋

実際に行ってみた!

週末だったからか、ゆったりとお酒を楽しむおじいちゃんおばあちゃんから、いもばん作りを楽しむ親子、パン屋さん目当ての若者等幅広い世代の人でにぎわっていた。
敷地内の入り口は森のようになっており、その道を抜けると、木のチップが敷き詰められた中庭を取り囲むようにパン屋さんやレストラン、ワークショップが行われる部屋があった。田舎のオシャレな農場に来たような気分になったものだ。
蜂の巣の構造を見れるようにガラスでできた巣箱があったり、動物たちを近くで見れたりした。他にも、いもはん作りやどんぐりのような形の木の実を使って作品を作るといったこどもが楽しめるイベントコーナーもあった。

いもはん作りコーナー。私も友達と一緒に小さなこどもに混ざってせっせといもばんを作った。
敷地内にあるパン屋さんの店内。とってもかわいかった。
プランター
レストランやカフェではオーガニック野菜を使用した食事が提供されている。
パン屋さんの前は藁で作られた遊具(?)がおかれており、子供たちが楽しそうに転がして遊んでいた。自然に触れることの少ない現代っ子にとっては貴重な体験になりそうだ。

最後に

BaneGaardenの雰囲気をつかんでいただけただろうか。以前、BaneGaardenを取り仕切っている方にお話を聞いた際、「BaneGaardenは、建築家・シェフ・専門家・農家の知恵が組み合わさって成り立っている。サステナブルビレッジであるだけでなく、人のコラボによりイノベーティブなことが起こる場所にもなりつつある」と話していたことが印象的だった。
Banegaardenは、環境だけでなく人間にも優しい場所になっているようだ。

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