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私も梶井の「檸檬」のように


水井軒間です。

今回は「#創作にドラマあり」というお題から書かせていただきます。



・梶井基次郎「檸檬」

肺を患って日夜熱っぽい体を引きずり、友人の家を転々と転がり込む生活を続けている主人公。
ある日散歩に出かけると、八百屋で檸檬を見つける。ーーーーー

高校の現代文の授業で読んだという方もいるんじゃないでしょうか。
私もそうでした。


この作品の書いていることってすごくしょうもないことで、
「鬱屈としていた日々が、ほんのちょっとのことで一瞬晴れたりするよね」
っていう、ようはそれだけなんですけども。

私は高校当時、それこそ鬱屈とした日々を過ごしている中で、
この作品を読んですごく感動したんですね。

「私とおんなじこと考えている人が、こんなに前の時代にいたんだ」
という。

日々の中で、本屋の棚をぐちゃぐちゃにしたり、その上に檸檬を設置して、そのまま放置して帰ったり、
そういうどうでもいいちょっとした”復讐”が、
私たちの心を一瞬だけ楽しませる。
私自身そういった経験があったので、この作品を読んでとても嬉しかった。



・私も「梶井の檸檬」を作りたい

数年前からこの思いがしっかりと固まって、
つまり私自身の感じていることを表現にあらわして、
それに”共感”してくれる人がいたらいいな、という。

そんな気持ちでまず制作したのが「生きづらいぼくたちとわたしたち」
という連作でした。
イラスト本として販売しています。

「生きる苦しみ」を12種類に分類し、それぞれにキャラ付けをして、
12人の苦しむ少年少女を描いた作品です。


次にテーマにしたのは「ピアス」でした。

ピアスを開ける時、そこにはいろいろな思いがあります。
おしゃれとして開ける人、自己主張として開ける人、自傷行為として開ける人、さまざまだと思います。

そのいろいろな思いを描こうと、一時期ピアスをテーマに作品を描き続け、
1冊のイラスト本にまとめました。


次、直近にやったモチーフは「タバコ」です。

タバコを吸う人にもいろいろな思いがある、ということを、
過去にfanboxの全体公開記事で書いたことがあります。

というわけで最近はタバコをモチーフにした絵をたくさん書いていて、
1冊のイラスト本にまとめました。




・まとめ:生きづらい人のための表現を

そんなこんなで辿り着いた作家としてのキャッチコピーが、
「生きづらい人のための表現を目指します。」でした。

「檸檬」が私にとっての檸檬であったように、
私も誰かにとっての「檸檬」を作りたい。
そんな想いで今は創作をしています。


#創作にドラマあり

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