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鞄の底から発掘された台本的なやつ その1

デジャヴっているじゃないですか。

人みたいな言い方すな。まぁたしかにあるな?

実は今日、世界共通デジャヴデーなんですよ。皆さんご存じでした?

存じ上げてねーわ。ほんとにあるのかよそんなん。

いますよ。ぼく“ほんとつき”なんで。

だから人みたいな言い方すな。てか嘘つきの親戚に“ほんとつき”なんてのがいたんか。(中略)“ほんとつき”はバスの車掌なの?

そっすね、それはアルバイトで副職としてやってて、本職は月に行って“ほんと”っていうお餅をつくお仕事です。

バイトがバスを運転してんの!? こわ! 何十人もの命をバイトが運ぶの!?

ぼくもこわいんで時速3.6mで運転してます。

遅すぎかよ。乗客チャリこいだ方がはえーわ。

乗客はチーターなので自転車には乗れませんよ。

チーターなら走れよ。よくバスに乗ろうと思ったな。ほいで本職は宇宙飛行士だっけ?

そんな立派な職業じゃありませんよ。“ほんと”をついて、月への来訪者をもてなすお仕事です。

ふーん。

この前はハツカネズミ40匹に500竿のお餅をつきました。

月にハツカネズミ!? それどこの月!? 地球の衛星の月!?

そうです、すぐそこにある月です。

すぐそこに月はねえ。土と雪はあるけど月はねえ。

土と雪をうまい具合に因数分解すると月になりますよ。

おれ因数分解苦手だからパス。

承りました。

あとさっきから気になってるんだけど、“ほんと餅”の助数詞なに?

竿です。

竿。

たんすに餅びっしり詰めて1竿と数えます。

ほう。じゃあ2つのたんすに詰めたら?

√2竿です。

るーとにさお。なんかちげえ。3つは?

√3竿です。

るーとさんさお。なんかちげえ。4つは?

√4だから、えっと、2竿です。

誤解が生じるわ。4つなのに2竿は語弊あるわ。

……デジャヴっているじゃないですか。

人みたいな言い方すな。――え、これデジャヴじゃね? ――まぁたしかにあるな?

実は今日、世界共通デジャヴデーなんですよ。皆さんご存じでした?

存じ上げてねーわ。ほんとにあるのかよそんなん。――え、待って。これって、今日がデジャヴデーだからなの? デジャヴデーだと同じ会話を繰り返しちゃうことになるの?

いますよ。ぼく“ほんとつき”なんで。

だから人みたいな言い方すな。――うわ、これいつ元に戻るんだろう。

(ゴーンゴーン)

あ、夜の0時だ。

除夜の鐘が鳴ってる。今日大晦日じゃないのに。

あ、これ僕の携帯です。0時にこの音で目覚ましかけてて。

お、元に戻った。よかった、デジャヴから解放された。やっぱり昨日は世界共通デジャヴデーだったんだな。

デジャヴっているじゃないですか。

人みたいな言い方すな。まぁたしかにあるな?

実は昨日、世界共通デジャヴデーだったんですよ。皆さんご存じでした?

あー嫌な予感がするわ。

〈了〉


どうも齋藤です。
漫才? コント? を書きたかった時期があって、これ恐らく3年前です。
直し始めたらきりがなさそう。
そもそもデジャヴって既視感だからね。見たことないのに見たことある! なやつだよね。まったく同じこと繰り返してるのは違うよね。
因数分解も全然違うし。共通因数くくりだせてないよ。
あとくだけた言葉遣いをしようとしていたっぽいけど、君ふだん使わない言葉だから使いこなせてないね。
つっこみどころは満載ですが、いまの齋藤にはこんなの考えつかないなと思ったので載せてみます。
ほかにも漫才の台本的なのいくつか書いてたからそれも載せたいなー。

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