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2019年よかったもの(前編)

2019年やって/読んで/観て/etcよかったものリスト。

ゲーム:Baba Is You

ルールを組み替えるパズルゲーム。ゲーム本体部分はいわゆる「倉庫番」的なやつだが、独創的。どういうゲームかはトレイラーを見れば一発で分かると思う。

最初は「Rock Is You」とか「Box Has Key」とかなんだけど、途中から「Baba Has Baba」とか「Empty Is You」とか「Not Baba Is You and Open」みたいなわけわからんことになってくる。それがまた楽しい。ネタバレになるのであまり多くは語れないが、終盤はマジで笑っちゃう。

2019年マイベストゲームは「デス・ストランディング」でも「SEKIRO」でも「Katana Zero」でもなくこれ。これをArvi Teikari一人で作ったというのだから頭が下がる。随所のBGMも柔らかくて良い。

Nintendo SwitchとPC(Steamなど)向けに売ってる。Switchの日本語版は2019年末くらいまで出てなかったけどようやく出た(これまではNintendo SwitchのアカウントのリージョンをUSに設定しないと買えなかったらしい)。最高なのでぜひプレイしてほしい。友達とウンウン唸りながら一緒に解いても楽しい。

映画:「裁かれるは善人のみ」

ロシア映画。原題は「リヴァイアサン」らしい。自分の住んでいた土地(と家)が再開発のために地上げされそうになったので、友人の弁護士を雇って役人を強請ったらいろいろ起こる。

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正直、すべてが救いがたい。寂れて寒々とした辺境の風景、横行する不正、ささやかな幸せを自分の手で壊してしまう老年の男……みたいな。終盤で家が破壊されるシーンはため息が出る。個人的にはくじらの骨があまりにもきれいに漂着しているシーンがよかった。↑のポスターの。

余談だけど、2020年はファティ・アキンとニコラス・ウィンディング・レフンの映画を見たい。ファティ・アキンの映画はめちゃくちゃよかった。

小説(国内):「ラピスラズリ」「ベルカ、吠えないのか?」

幻想文学というか幻想小説、山尾悠子の「ラピスラズリ」。描写と文体があまりにも美しかった。モチーフも「毎年冬になると冬眠する一族(?)とその使用人」と面白い。冬のストーブにやかんを載せた日みたいな湿度と温度を伴って語られる。寒い地域で育った人は読むと肌に感じられるものが違うと思う。文章が美しすぎる。

続いては古川日出夫の「ベルカ、吠えないのか?」。戦争の世紀こと20世紀を無数のイヌとその血筋が駆け巡る多視点的な小説。はっきり言って相当ぶっ飛んでるというか、久しぶりに「あ、読み終えてしまう、もったいない」と思った本。倍くらいの長さでも平気で読めると思う。

描写する世界の広さと速度が尋常ではないし、「日本のヤクザの娘がソ連のために戦うロシアの老軍人に人質に取られ、いつの間にか軍用犬を操る能力を身につけ、最終的にロシアと戦って敗北してキスカ島だかアッツ島だかそのへんに行く」というB級なんだか何なんだかわからん話も入ってくるのがよい。本筋はイヌであり、人間のいる時代のイヌの話で、次に描かれるのは人間がいない時代のイヌの話なんだろうけれど。スリリングでめちゃくちゃ面白いのでオススメ。

疲れたのでここまで。続きはまた今度。

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