見出し画像

Steely Dan. Gaucho (1980)

スティーリーダンのラストですがこのアルバムの録音はエイジャの次作というプレッシャー、ウォルターベッカーがドラッグ関係、恋人の死とそれを巡る訴訟、タクシーにはねられるといったトラブルに巻き込まれる、エンジニアが完成した曲を誤って消してしまう、キースジャレットからの盗作の訴え(彼の名前をクレジットに入れることで和解)などトラブルが続きドナルドフェイゲンもいい思い出がないと語っています。結構この後活動を停止してしまうのですがそんなゴタゴタを全く感じさせない洗練されたサウンドは素晴らしいです。

メンバー
ウォルターベッカー:ギター、ベース、ボーカル
ドナルドフェイゲン:オルガン、シンセ、エレピ、ボーカル
バーナードパーディ、スティーブガッド、ジェフポーカロ:ドラム
チャックレイニー、アンソニージャクソン:ベース
ラルフマクドナルド:パーカッション
ヒューマクラッケン、スティーブカーン、マークノップラー、ラリーカールトン:ギター
ドングロルニック、ジョーサンプル:キーボード
ランディブレッカー:トランペット、フリューゲルホーン
トムスコット:サックス、クラリネット、リリコン
マイケルブレッカー:テナーサックス
デイヴィッドサンボーン:アルトサックス
ロニーキューバー:バリトンサックス
パティオースティン、ヴァレリーシンプソン、マイケルマクドナルド:コーラス

最終的には使われなかったもののドラムでクリスパーカーとエドグリーン、ベースでウィルリー、ギターでハイラムブロックとリックデリンジャーも参加していたようです。

Babylon sisters
ギターリフとレゲエっぽいベースラインがかっこいい気だるいバラードナンバー。

Hey, nineteen
アップテンポのシャッフルビートがかっこいい曲。曲はおしゃれなのに歌詞は中年の男のぼやきというのがスティーリーダンらしいです。

Glamour profession
ほんのりオリエンタルなメロディの曲。アンソニージャクソンのベースがファンキーでかっこいいです。時折演奏されるジャジーなアコースティックピアノやブルージーなギターがいいアクセントになっています。

Gaucho
イントロのトムスコットのホーンがかっこいい曲。サビのコーラスからのサックスソロがこれ以上ないくらい美しいです。キースジャレットはLong as you know you’re living yoursと似ていると主張したようですが確かによく似ています。

Time out of mind
タイトなリズムがかっこいいロック風のバラードナンバー。

My Rival
ジャズファンクタッチの曲。ファズを使ったギターがらしくないけど面白いです。

Third world man
エレピの音とズッシリとしたベースが心地良いバラードナンバー。マークノップラーのギターが印象的です。本来収録するはずだったThe Second Arrangementをミスで消してしまったためその代わりで収録されたようですが没曲でもこのクオリティで自信のあった曲が消えたという状況でここまでの演奏とアレンジができるのは驚きです。