Lotta Mubulu - There’s Music In The Air(1976)
南アフリカ出身のシンガーのレッタムブール(ンブール)。クインシージョーンズが音楽を手がけたテレビドラマの「ルーツ」でリードボーカルを務めたり、キャノンボールアダレイに認められアダレイ兄弟やクルセイダーズをバックにファンキーなアルバムを作ってきた彼女がA&Mレコードからリリースした1作目に当たるのが本作。社長でありミュージシャンでもあるハープアルパートとレッタの夫であるカイファスセメニヤの2人がプロデュースを行い西海岸(一部NY)のファーストコールのセッションミュージシャンたちがバックを務めた本作はこの時代の西海岸らしい洗練されたサウンドを持ちつつもレッタやカイファスが持ち込んだであろうアフリカ的なサウンドがミックスされた一枚です。
メンバー
レッタムブール:ボーカル、アレンジ
カイファスセメニヤ:ボーカル、アレンジ、コプロデュース
リチャードティー、ジョーサンプル:キーボード
チャックレイニー、ルイスジョンソン(1,8):ベース
“スパイダー”ウェッブ、ジムゴードン、ジェームズギャドソン、バーナードパーディ(1,8):ドラム
フレディハリス、リーリトナー:ギター
エロールベネット:パーカッション
ハーブアルパート:フリューゲルホルン(7)、アレンジ、プロデュース
Music Man
アフリカ的なスケールの大きいサウンドとアメリカらしいファンキーなリズムが噛み合ったおおらかなファンクナンバー
Tristêza(Reuião Tristêza)
ブラジルのミュージシャンであるシブーカの曲のカバー。素朴ながらもどこか力強さを感じる曲です。
Let’s Go Dancing / You’ve Lost That Lavin’ Feelin
まろやかな演奏とボーカルからじわじわと変わっていく構成が印象的な曲。ホーンのクレジットがないですがフリューゲルホルンはハープアルパートだと思います。
Sacred Drum
スキャットによるコーラスが印象的な曲。ガッツリアフリカ的にもできそうですがそうはしないでソウルミュージックと上手くミックスしてポップに仕上げいるのが面白いです。
Ain’t No Way To Treat A Lady
メロウなスローバラード。イントロやコーラス曲名が似ているアレサフランクリンのAin’t No Wayに似ています。
Maru A Pula (Cloud Of Rain)
伸びやかなボーカルが印象的なパーカッシブなバラード。
Feelings
ディスコ調の曲。レッタとカイファスによるデュエットナンバーです。
Rainy Day Music
弾むようなリズムとはつらつとしたボーカルとホーンが楽しい曲。どの曲もいいですが聴いていて一番楽しくなるこの曲が一番気に入っています。
There’s Music In The Air
メロウなサウンドとハイトーンなボーカルが印象的なバラードナンバー。
コネクション:Roots
TVドラマで音楽はクインシージョーンズが製作。全17曲でトータル27分と短いうえにサントラらしい短い曲や映像がないといまいちわからない曲もあるのでここで簡単に紹介。TVドラマだからなのかアフリカ的なサウンドだからかいつもほど豪華ではないんですがレッタを始めとするシンガーのアフリカの歌からゴスペルまで圧巻のボーカル、アフリカの打楽器の研究をしていたビルサマーズを始めバラエティ豊かなパーカッション等サントラだからとスルーしては勿体無い一枚です。特にリチャードティーのキーボードが厳かなWhat Can I Do? (Hush, Hush, Somebody's Calling My Name)が好きです