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Al Jarreau. Glow (1976)

音域は4オクターブ、パーカッションのような器用なスキャットで独自のスタイルを築いたボーカリストのアルジャロウ。デビュー前から付き合いのあるミュージシャンと西海岸の腕利きミュージシャンの演奏を核にくどくなく、あっさりしすぎずのストリングアレンジが素晴らしい一枚です。

メンバー
アルジャロウ:ボーカル、ボーカルエフェクト
トムカニング、ジョーサンプル:キーボード
ジョーコレロ:ドラム
ポールストールヴォース、ウィルトンフェルダー、ウィリーウィークス:ベース
ラリーカールトン:ギター
ラルフマクドナルド、スティーブフォアマン:パーカッション
デイルオエーラー:ストリングアレンジ
ニックデカロ:ボーカルアレンジ
これを書くためにライナーを読み返して初めてアルがハービーハンコックやジョンレノンと同じ1940年産まれだと知りました。勝手にもうちょっと若いと思っていました。

Rainbow In Your Eyes
レオンラッセルのカバー。タイトなリズムにのって時にリズミカルに、時にノビノビと歌っています。

Your Song 
エルトンジョンのカバー。優しく語りかけるようなボーカルからじわじわと熱くなっていくボーカルが印象的です。間奏部分ではアナログシンセのような唸り声も披露しています。

Agua De Beber
アントニオカルロスジョビンの曲。スキャットを多用したリズミカルなボーカルや多重録音を使ったコーラスが印象的です。

Have You Seen The Child
ウィルトンのスラップベースがかっこいい少しファンキーな曲。アルの自作曲です。

Hold On Me
アルのボーカルを多重録音したナンバー。伸びやかなリードとコーラスにパーカッションのようなスキャット(普通の声とクイーカのような裏声のの2種類)、ベースのような唸り声はもはやバンド演奏と言っていいと思います。

Fire And Rain
ジェイムズテイラーのカバー。オリジナルの原型を留めていないファンキーなイントロがかっこいいです。演奏もファンキーかつメロウで特に力強いジョーコレロのドラムが印象的です。

Somebody’s Watching You
スライ&ザファミリーストーンのカバー。ファンキーだった原曲のからガラッとアレンジを変えてメロウな演奏です。

Milwaukee
ラリーカールトンのギターがかっこいいミディアムテンポの曲。派手なスキャットはせずにメロディを聴かせるような歌い方ですが最後は歪んだギターとスキャットのバトルで終わります。アルジャロウのオリジナルでタイトルのミルウォーキーとは彼の故郷のことです。

Glow
この曲もアルのオリジナル。イントロのフルートのような音はアルの声です。ボサノヴァタッチのソフトな演奏が心地よいメロウナンバーです。