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Anita O’day. Anita sings the winners (1958)

アニタオデイのアルバムは以前紹介しましたがそっちがオスカーピーターソントリオ+ドラムという編成だったのに対して本作はビッグバンドがバックです。タイトル通り選曲は全てヒットしたジャズの曲をスウィング、アフロキューバン、バップ、クールとジャンルを問わずカバーしています。(ヒット曲を持つミュージシャンをwinnerとしているのが面白いです)

メンバー
アニタオデイ:ボーカル
バドシャンク:アルトサックス、フルート
ビリーパーキンス:テナーサックス
ボブエネヴォルセン:トロンボーン
マーティペイチ:ピアノ、アレンジ(A面)
レッドケリー:ベース
メルルイス:ドラム
ラッセルガルシア:アレンジ(B面)
ホーンセクションは人数が多いのでソロをとっている人のみ書きました。B面(Sing, sing, singから)の録音メンバーは不明なようですがおそらく同じ人ではないかとライナーに書かれています。

※オリジナルや作曲した人が別の人であってもややこしいのでwinnerの曲とします。

Take The “A” Train
デュークエリントンのヒット曲。オリジナルと同じくビッグバンドらしい厚みと迫力がありつつも繊細さもある演奏がかっこいいです。アニタのボーカルもハスキーで堂々としており、スキャットも程よい長さです。個人的には1番好きな曲です。

Tenderly
オスカーピーターソンの曲。オスカーとの共演盤でも歌っていますがビッグバンドだと印象が異なります。

Night in Tunisia
ディジーガレスピーのカバー。パーカッションや太鼓のヘリを叩いた音を多用した演奏や威勢の良いボーカルがかっこいいです。

Four
マイルスデイヴィスの曲。このアルバムはほとんど長いソロが入る曲がないので中盤に長めのトランペットソロからのサックスソロが入る構成が印象的です。

Early Autum
ウディハーマンの曲。ハスキーなボーカル、サックス、ピアノがクールなバラードナンバーです。

Four brothers
これもウディハーマンの曲。スキャットと短い楽器ソロのコール&レスポンスを中心に進んでいきます。

Sing, sing, sing
ベニーグッドマンの曲。オリジナルのドラマーのジーンクルーパに負けないくらいダイナミックなメルルイスのドラムがかっこいいです。

My Funny Valentine
多くのミュージシャンがカバーしていますがここではジェリーマリガンが選ばれています。ダイナミックなホーンセクションとピアノをバックにしたハスキーなボーカルが対照的です。

Frenesi
メキシコの曲ですがアーティショウがカバーしてヒットしています。軽やかな演奏、特にクラリネット(誰の演奏だろう?)が印象的な一曲です。

Body and Soul
コールマンホーキンスの曲。スローテンポで落ち着いた前半からスウィンギーかつダイナミックな後半へうつる編曲が印象的です。

What’s Your Story, Mornig Glorly
ジミーランスフォードの曲。スローテンポでじっくりと歌うアニタのボーカルが印象的です。

Peanut Vendor (El Manisero)
スタンケントンの曲。アフロキューバンらしいユーモラスなホーンとパーカッションを多用したリズムがかっこいいです。

個人的におすすめは1、3、12です。これを書くために聞き返したらアフロキューバンものが気に入ったので全曲アフロキューバンのレコードも欲しいです。(次の日にサブーのアルバムを買う。こういうところは無駄に行動力があるのが不思議)