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Shirley Scott - On Clear Day (1966)

女性のジャズミュージシャンというとその多くはシンガーかピアノを弾きつつ歌う人で楽器の演奏がメインという人はあまり多くはありません。シャーリースコットはオルガン、ピアノ、トランペットを演奏するミュージシャンでプロになってからはオルガンだけを演奏しています。彼女のオルガンプレイはフットベースを使わずタッチもピアノを弾いているかのような軽さがありますがコテコテ、熱々のホンカーとも渡り合うことができる腕の持ち主です。一時期はスタンリータレンタインと互いの演奏に参加し、結婚もしていましたが仕事上のトラブルが原因で離婚してしまいました。本作はシャーリーがジミーコブとロンカーターというマイルスのグループにいたミュージシャン2人をリズムセクションに迎え自作のブルースからスタンダード、ポップスを演奏しています。

メンバー
シャーリースコット:オルガン
ジミーコブ:ドラム
ロンカーター:ベース

On Clear Day You Can See Forever
明るいタッチのオルガンもいいですがそれ以上にジミーのドラムがかっこよく印象的です。ロンは軽いタッチでベースを弾いていますがCTIでやったような重いタッチのベースプレイだったらなおよかったかなと思います。

What’ll I Do
ポップなタッチのナンバー。個人的にはウォルターワンダレイの音色とジャックマクダフのブルースフィーリングを足して2で割ったようなプレイだなと思います。

Cold Winter Blues
シャーリー作のブルースナンバー。ここではブルージーなコッテリした演奏をしています。リズムセクションの2人のバッキングもかっこいいです。

All Alone
グルーヴィなベースが印象的な曲。ここでのシャーリーは軽いタッチの演奏です。本作に限らず彼女はブルースやR&B風の曲はコッテリと、そうでない曲は軽めにと弾き分けているように思います。(もちろん例外もありますが)

What The World Needs Now Is Love
バートバカラック作曲のナンバー。オリジナルのメロディを活かしつつもロングトーンを交えコッテリとしたアドリブを弾いています。個人的にはこのアルバムで1番おすすめです。

Corcovado
ボサノヴァのカバーですがジミーはあまりボサノヴァに慣れていなかったのか硬く重いし、ハイハットも使ったジャズでもボサノヴァでもない中途半端なドラミングをしています。でもこの不思議なトーンがかっこよくクセになります。

Days Of Wine And Rose
なんとなくバップやってた頃のジミースミスみたいなプレイです。これでギターが入ればなおジミースミスです

Instant Blues
最後に録音したようなリラックスしたジャムナンバー。