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Ramsey Lewis - “Live “ In Tokyo (1968)

本作はラムゼイルイスの初来日を記念して制作された日本限定のライブ盤です。この時はドラムで後にE,W&Fを結成するモーリスホワイトが、ベースで長くラムゼイを支えたクリーブランドイートンが参加しています。解説には記者会見時のメンバーの様子が書かれていますがそれが面白いので引用します。

五つボタンのダンディーなネール・スーツスタイルのラムゼイ氏
中略
堂々たる体格のベース奏者クリーブランド・イートン (彼の名前は来日までクリーブランド・イートン・ジュニアーで紹介されてきましたが、直接本人の口から現在ではジュニアーという名称は使っていないということでした)は流行のタートルネックに黒っぽいシルキースーツ、首からブラ下げたヒッピー・ペンダントが印象的でした。小柄なドラマーのモーリス・ホワイトはチョークストライプのグレーのスーツ、淡い色のサングラスの中から人の良さそうなまなざしです。

糸井五郎著   LP裏ジャケットより転載

この頃は大分崩れてきたとはいえまだジャズミュージシャンは皆スーツを着ていた時代。メンバーも三者三様のカジュアルでかっこいいスーツを着ていたようです。ただジャケットでは違うスーツを着ています。ジャケットは左からモーリス、ラムゼイ、クリーブランドの順番。モーリスはこの頃からあの髪型と髭だったんですね。

The In Croud
ラムゼイの代表曲でスタート。オリジナルよりも軽いグルーヴですがそのかわり程よいスピード感と拍手がライブらしい熱気を作っています。

Cecille
美しくリリカルなバラードナンバー。クリーブランドの作曲でタイトルは彼の妻の名前だそうです。

Unchain My Heart
レイチャールズのカバー。いつも以上にアーシーなタッチのピアノが最高にソウルフルで生で聴いていたら手拍子はもちろん、歓声や口笛の一声二声あげたくなりそうです。

What The World Needs Now
ジャッキーデシャノンのカバー。ここではモダンなタッチのバラードナンバーとして演奏しています。ラムゼイの一音一音がくっきりとしていてメロディを弾くというより単音を並べたようなタッチがはっきりとでています。

Song For My Father
ホレスシルバーのカバー。グルーヴィなジャズロック仕立てで演奏しています。途中モーリスのトレードマークであるカリンバのソロが披露されます。珍しい楽器だからか歓声にも少し驚きが混じっています。

Soul Ginza
Ginzaとは東京の銀座のこと。ラムゼイが来日に合わせて書き下ろしたナンバーです。(他の国でもソウルピカデリーとかソウルシャンゼリゼとかそれっぽく名前変えて演奏してそうです)ほぼ独奏に近いスタイルのモダンながらもソウルフルな一曲です。

Hang On Sloopy
The In Croudと同時期にヒットした曲。軽快なリズムがかっこいい一曲ですがオリジナルを聴き慣れているとあのコーラスがないともの足りない気もします。

Ode To Billy Joe
原曲はフォークなのになぜかソウルジャズ、インストR&B系のミュージシャンに人気の曲をラムゼイもカバー。ラムゼイのイナたいビートがファンキーでかっこいいです。

Wade In The Water
メドレー形式で演奏されています。古くから歌われている霊歌をソウルフルにアレンジした曲でThe In Croud, Hang On Sloopyに続くヒット曲です。若干拍手がリズムと噛みあっていませんがゴスペル風にガンガンと弾いています。