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XFLがはじまったよ、という話

スーパーボウルはカンザスシティチーフスの勝利で終わりまして、アメフト最高峰リーグであるNFLのシーズンは終わりました。
ここからはいわゆるストーブリーグとなりまして、FAになったりカットされた選手の動向や、3月に控えるドラフトに向けてのいろいろな動きを楽しむ時期です。

そのようなNFLのオフシーズンですが、全くアメフトが開催されていないというわけではなく、いくつかのプロリーグが実施されています。
そのうち代表されるものはFOXスポーツがバックアップしている「USFL」というものと、今回ご紹介する「XFL」というものです。(なお、他にも無数にあります)

XFLですが、元々は20年ほど昔に一度実施されておりまして、アメリカの超人気プロレス団体のWWE(当時WWF)のオーナーである「ビンス・マクマホン」によって設立されました。
当時はWWEの流れを受けたのか、どちらかというとエンタメに大きく振っている部分もありまして、選手同士のトラッシュトークなど競技本質以外の部分ばかりが注目され、たった1年であっさりと打ち切りとなってしまいました。
これに懲りてビンスはもうアメフトには手を出さないだろう…と思われていましたが、2018年にビンスの口からもう1度リーグを復活させるという宣言がされ、2020年のスーパーボウル直後から満を持してリーグ復活となりましたが、2020年と言えば皆さんご存知の通り某流行り病の影響がはじまったころでして、試合を5週消化したところで無念のリーグ中止。改めて2021年シーズンからの再開を発表したものの、その後1か月で法人を解散し破産法が適用されるという憂き目に遭いました。
もうさすがにXFLの芽は潰えただろう…と誰もが思っていましたが、何を思ったかWWEのスーパースターであり、現在はトップ俳優として活躍中のザ・ロックことドウェイン・ジョンソンがリーグの買収を発表、ESPNとディズニーとの放映権契約が締結され今年からの再開が改めて宣言されていました。

キックオフ前はオーナーのドウェイン・ジョンソン氏によるスピーチからはじまりました。WWE時代からマイクには定評のある(というかマイクパフォーマンスは世界一まである)方です。
英語1勢ながら簡単に和訳してみます

夢は終わったって言われてたけど、御覧の通り夢はまだはじまったばかりだ。このフィールドに並んで世界に見せつけてやるんだ、俺は知ってるぞ、君らがチャンスに飢えていて、何事にも挑戦的だってことをな。
XFLの”X”は夢と希望が交差するっていう意味だ。君たちは夢をもってここに来た、俺たちはそのための機会を与えることができる。さぁ、俺達が大好きな試合をやろうぜ。
ここにいる選手達とコーチのみんな、そしてファンのみんなに感謝を込めて、ここにXFLのキックオフを宣言するぜ!
https://www.youtube.com/watch?v=Et5gWvx1ve0

XFLの選手たちはNFLに行けなかった、もしくはNFLと契約したもののカットされてしまった選手がほとんどです。ドウェイン・ジョンソン氏は「Ballers」というアメフトを題材にした大人気ドラマにおいて「NFL入りを目指す選手たちのエージェント」という役を務めた経験があり、自身もフットボール選手を目指しカレッジでは活躍したものの、怪我のためプロでは夢破れ、その後プロレスで超スーパースターに上り詰めたという経緯があります。


「ラスベガス・ヴァイパーズ」対「アーリントン・レネゲーズ」の試合で開幕しました。
ハイライト冒頭からいきなり違和感がありますが、まずもってキックオフのルールから違いまして、キッキングチームは35ヤードライン、リターンチームは30ヤードラインにそれぞれ並び、リターナーがキャッチするまで動けないというルールになっています。NFLはタッチバックが多くなっていますが、XFLでは極力減らして接触プレーを増やす考えのようです。
また、ポイントアフタータッチダウンのルールも独自になっており、NFLでは基本1ptのキックを選択しますが、XFLではまずキックによるポイントを廃止し、2ヤードから1点、5ヤードから2点、10ヤードから3点のPATを選択するようになっています。
また、4Qで得点しPATを成功させた場合は、キックオフを選ぶのではなく自陣25ヤードから4thダウン15で攻撃を再開できるというルールも採用しています。
他にもいろいろ独自ルールがあり、できるだけ攻撃シーンを多くする目論見だと思われますが、正直ちょっと大味すぎるなと感じました。
さらには「スカイジャッジ」と呼ばれるサッカーでいうVARのような審判がおり、レビューやチャレンジの場合にジャッジを行います。この様子は中継されているようで、ここだけはNFLでも採用してほしいところです。

日本からは視聴する術がないため、ハイライトで見てみましたがやはり全体的にミスの多い試合となってはいるものの、リーグの目論見通りアグレッシブに当たりに行く展開にはなっているのかなと感じました。
ともあれ、NFLもカレッジもオフシーズンな今でもアメフトを楽しめるコンテンツのひとつとして追いかけていってみたいと思います。



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