狭間の正気を啜って生きている

大変に調子が悪い。激しく悪いのではなく、穏やかに悪いのでまだ若い頃よりいいのかもしれない。
人間関係の狭間で喩えようのない辛さと寂しさと絶望に引き裂かれて見捨てられる若者達に伝えたいんだけど、
全然年取っても引き裂かれるのは変わらない代わりに引き裂かれ方が上手になるから穏やかに引き裂かれるようになるよ。
激しいよりは穏やかな方がいなしやすいけど、引き裂かれてることには変わらんから良くはないよ。

寂しさと不安定さの発作の合間の正気の時間を啜って生きている。
幸い仕事中や友達と会っている間など正気を保てる時間はまあまあある。本当は気を抜くと発作に飲み込まれるけど、他人と関わる時間はやっぱり正気を保ちやすいのだ。
正気の時間にできるだけ、できるだけ多く自分の安定に有利な要素を具体的に考える。出来れば言葉にする。
言葉にして声にしても発作は余裕で来る。

地雷なんてそこら中にあるのだ。
なんならなんの気無しに思い出しちゃった昨日の友達との会話から芋づる式に地雷を引きずり出しちゃったりする。
自分で。
みんな一体どうやってコントロールして生きてるんだろうと思う。

狭間にできるだけ捕まえた正気を、一生懸命思い出す。
ちゃんと寝ること、食べること、仕事はちゃんと回せてること、友達がちゃんといること、連絡が取れなくても死なないこと。
好きなメイクとピアス、ネイル、ブーツ、スカート。
音楽とイヤホン。部屋を暖かくすること。いい香りの紅茶。
そもそも発作って呼んでるぐらいの感情の波だから、じっとやり過ごせば去ること。

わかっては、わかってはいるから、まだこの正気を啜って生きてるんだろう。

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