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13. くわばたりえさん&発達専門家 片山先生とつながる

Ciao!(最近のムスコの挨拶の定番)
つながるはちうえプロジェクトを応援していただきありがとうございます。このnoteでは、つながるはちうえプロジェクトが見たい未来を共有する取り組みや学びについて書いています。今回も読んでいただいてありがとうございます。


つながるはちうえプロジェクトとは

つながるはちうえプロジェクトは障がいをもっているムスコとその親ケアラーの私みゆっこが「誰もが社会につながる環境が拡がる~見え方・聞こえ方・感じ方・認知の仕方は人それぞれ。違いを尊重し、多様性を肯定する環境」を見たい未来に描いて取り組んでいるプロジェクトです。

今回は参加したセミナーはこれ

ユニバーサルレストラン「ル・クロ」でつながったチャレンジドLIFEが今回、あの!クワバタオハラのくわばたりえさんと発達専門家の片山先生をお招きしてオンライントークセミナーを開催してくれました。

2時間のセミナーが本当にあっと言う間のひとときでした。

関係性の輪・温度差や捉え方の違い

つながるはちうえプロジェクトを構想するときに関係性の輪という見方を教えてもらいました。当事者、家族・ケアラー、支援者、一般地域社会(自分自身も家族も当事者ではない人)というように、関係性には心理的距離感が働いています。この関係性のどこに立つかによって、障がいに対する認識や理解に温度差や捉え方の角度の違いみたいなものがあることを感じてきました。今回、そんな温度差や捉え方の違いに着目しながら、障がい、とりわけ見た目には分かりにくい障がいを持つ人たちが周りと何をどう調整していけばバリアフリーになるのかということを考えるスイッチが入ってアクティブに思考できました。

関わるか・関わらないかの選択

コミュニケーションや認知のし方に何らかのお困りがある場合、それはその当事者が何にどう困っているのかが周りには分かりにくいことが原因です。「なんかあの人ちょっと、、、」となったときに、関わらないようにする場合もあれば、関わるようにする場合もあります。この選択の違いはどうして生じるのでしょうか。
 自分自身も家族も当事者ではなかったころ、見え方や聞こえ方など、みんな同じだという前提に立っていた私。違和感を感じる相手のことを否定的に見たり関わらないようにするタイプでした。今は当事者であるムスコのお蔭で態度は真逆になりました。

教育の個別最適化とインクルージョン

 片山先生のカナダでの子育て経験によると、カナダでは一人一人の学習支援計画が立てられて教育が個別最適化されているそうです。授業もホームルームが基本集団で執り行われる日本とは違い、各科目ごとに集まる生徒が入れ替わる状況においては、学習の目的を共有した生徒同士が自然とお互いの不得手な部分を補いあうのが当たり前になっているとのことでした。日本でも、生徒一人一人が、自分は何が学びたいのかを自己認識して、自分の学びの目的に向かった時間割など学習計画を立てて適切なサポートを得ていく個別最適化が進めばできない話ではないと思います。

本人が好きなことに関われる環境を選びとる姿勢で道を切り開く進路選択

 片山先生からお聴きした当事者の進路選択の実例にはとても感銘を受けました。特別支援学校中等部の卒業後の進路選択についてお話しくださったのですが、私には思いもしなかったあるオルタナティブな進路があることを今回初めて知りました。自ら積極的に求めていけば道はあるのですね。

高等専修学校という選択肢もある

今回、お聴きしたのは高等専修学校へ進路をとられたケースについてでした。例えば、動物が好きな人なら、動物に携われる環境で働けたら幸せなことです。そんな場合、動物のことが学べる選択肢として中学卒業後、高等専修学校から動物関連の専門学校に進んで関連の職業につくことを目指すのです。従事できる仕事の内容は本人の能力に見合ったものになるよう調整してもらうことができれば可能性がある話です。

好きなことに携われる方向で進路選択を

片山先生は、本人が好きなことに携われる方向であれば、その道中は様々なルートがあって、その時々に何が起こりどんな思いでどのルートを選び取るかはいろいろあっていいとおっしゃっていました。本人の意思や意向が尊重されず、能力スキル的なことで就労先が決められる、というありがちなパターンではない進路選択の可能性を広げられるかもしれないと新たな希望を抱きました。

3児のママ&タレントくわばたりえさん

あのクワバタオハラのくわばたりえさん!3児のママとして子育て中のママパパを勇気づける発信で大活躍です。そのくわばたりえさんとチャレンジドLIFEの畠中さんは10年来のお付き合いとのことです。今回、私は初めてライブでお話できました。私たち当事者の親の思いを終始とても真剣に聴いてくださる姿勢が印象的でした。

くわばたりえさんは「関わる」を選択

くわばたりえさんは、友達がいっぱいいる人気者の長男の友達関係の相談に乗るときに、発達特性を持つ友達については安易に関係を拒絶するのではなく、その子がどんなお困り感をもっていて、その子が一緒に遊べるように長男さんがどんなサポートをするとよいかを考えて実行してみるようアドバイスしているそうです。長男さんは「なるほど!分かった!」と引き受けられるタイプとのこと。頼もしいですね。

「関わる」を選択・どう接していいのか教えてほしい!の声もある

当事者や当事者の親がいろいろ困っているのを見ていて、それをどう扱えばよいのかを知りたいと思っている人たちもいてくださいます。我が家の場合、つながるはちうえ屋さんを出店させてもらっている虹色まるしぇの仲間がムスコにそういう関わり方をしてくれて、ムスコもわたしも地域社会につながる幸せを実感させてもらっています。

すべての人が自分のトリセツを整備したええんちゃう?

 セミナーの終わりに、くわばたりえさんから「どの学校でもクラスでも年度の初めに自分はこういう子でこうしてもらうと助かるみたいな説明大会をしたらええんちゃう?」という提案もありました。たしかに、誰もが社会とつながる環境を拡げていくには、一人一人が自分を相手に知ってもらうために自分についての情報整備をしておくと良いと思います。発達障がいなどのある子どもについては移行支援を目的にサポートブックを作りますが、これを全ての人が自分にどんな個性や志向があるのかなどの情報整備に用いるのはメリットありと言えます。

今回のくわばたりえさんとの触れ合いで、自分自身も家族も当事者ではない多数派の人たちに対して、当事者とその家族はどのように接してもらいたいのか、どんなことが当事者とその家族の幸せ実感につながるかを知ってもらいたいなと改めて気づかせもらいました。

ありがとう!チャレンジドLIFE

「発達障がいの目線でみんなの生きやすさを叶えていく。障がいのある子どもがいるから体験する様々なこと。家族のため、自分自身のため、社会のために活かしたい」との想いで誰もが社会とつながる環境を拡げる発信をしてくれている一般社団法人チャレンジドLIFEのなおみさん・mikiさん。今回のセミナーでも、私たち参加者が心理的に負担のないよう気配りしながら円滑なファシリテーションで進行してくれました。障がいの当事者と家族、自分自身も家族も当事者ではない人たちとの接点が増えていく今回のセミナーのような場づくりに今後も期待しています。お蔭で私もがんばれます。ありがとう、チャレンジドLIFE。


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