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お手紙

お手紙、というお話が好きだ。
アーノルド・ローベルの、カエルくんとガマくんのお話。

あのお話に比べたら、今やお手紙が届くスピードは超高速、インターネットならまさに光速かな。

今日、郵便受けを開けたら、春の色が目に飛び込んできて心が踊った。

絵はがきの消印は長崎だった。

エルサ・ベスコフの絵はがき

送り主である童話館のぶっくくらぶからは、月に一度、子どもの年齢に応じた本が届く。

本なら好きなものを自分で買えばいいと思ったこともあるけれど、どうしたって好みは偏るから、好むか否かにかかわらず届けられるというのが楽しみでもある。

それに加えて楽しみにしているのが、同封されてくる『ぶっくくらぶ通信』だ。

そこに書かれている編集部の言葉はいつも、時代の流れにおもねることなく芯があり、それでいて主義主張を押しつけてくることがない。

子どもにとって親にとって、私たちが暮らす世界にとって、どんなことを大切にしていくべきか、ときに分からないことは分からないと、共に考えながら問いかけてくれる。

与えられた答えからではなく、問いかけられて初めて、人は自分の頭で考え始めるものだと気づいたのは随分と大人になってからだ。

絵はがきは少し雨に濡れていたけれど、そういうのもまたアナログの良さ。

紙を選んで、文字を書いて、切手を貼って、ポストに入れる。この一連は、紛れもなく相手のことを想う時間。

汚れもシワもなく、届いたか読まれたかまで分かる電子メッセージよりも、会ったこともない人からの手書きの文字に温もりを感じるのは、やっぱり人間だからよね、と思う。

ちなみに絵はがきは、娘が童話館へ宛てたはがきのお返事。宛名も文章もすべて手書きで、花柄の切手もかわいくて。それだけでたまらなくうれしい。

#童話館
#童話館ぶっくくらぶ
#お手紙

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