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解像度を上げるより、まず下げるほうが大切ではないですか?

ALOHA! みゆひょんでーす♪

解像度を上げるというけれど、わかって言ってますか?というお話です。


「解像度を上げる」が一人歩きしちゃった

一部のビジネスパーソン、特にコンサル系の方々の間で「解像度を上げる」なんて言葉が流行っております。3年ぐらい前からかしら?

元々は、具体性のない、ふわっとした、あまり考えられていない提案をする人が多いので、「そんなんじゃいけないよ。もっと詳しく調べて、考えて、具体的な提案をしようよ」、みたいな話だったと思います。

それを「解像度を上げる」と表現したのは、その当時は秀逸だったと思うんですね。詳しく、細かく調べて考えるというほかに、ピントを合わせるというニュアンスも含まれていますから。

ところがいつの間にやら「解像度を上げる」という言葉が一人歩きしちゃった感があります。

まあ、あまり考えずにふわっとした具体性のない提案をするような人たちに向けられた言葉でしたので、そういう人たちが変な受け取り方をするわけですよw ビジネス流行語というのは、たいてい同じ道をたどる気がします。

だから私は、まったくもって上から目線ではありますが、今ごろになって「解像度を上げなきゃ」なんて言っている「そういう人たち」に向けて言いたくなってしまったのですよ。

まず解像度を下げなさい、と。

顕微鏡で手当たり次第に見るのは楽しいけれど

解像度を上げるというのは、たとえてみれば、対象物をレンズで見るようなことです。ところがですねえ、虫眼鏡ならまだしも、いきなり顕微鏡で見る人が多いんですよね。目的も明確でないうちから、詳細な市場調査とか始めちゃうみたいな。

顕微鏡って、わたしも子どものころに持っていたので知っていますが、とにかく楽しいんですよ。身近にある小さなものを手当たり次第に見たくなります。

子どもが顕微鏡で遊んでいるのならそれもまたよいのですけれど、大人のビジネスパーソンが顕微鏡で遊んでいてはいけません。時間もコストもかかることなんですから、必要な部分だけピンポイントで顕微鏡で調べるということをしないといけないわけです。

そのためにすることは、まずは解像度を下げることです。言い換えると、視座を上げて俯瞰で見て、視野を広げて全体像を見ることです。

それができてから、対象を絞って細かく見ていくというのが手順です。

解像度を上げていたら反応できない

で、実戦になったら、また解像度を下げないといけないんです。

一流のバッターは、ピッチャーの肩のあたりをボーッと見て構えているらしいです。あまり目を凝らしてみると、投げられたボールに対応できないんだそうです。

なぜピッチャーが投げたボールやテニスのサーブに人間が対応できるかは、けっこう謎なんですよね。というのは、人間の身体は脳の指令を受けてから0.5秒後からしか動き出さないということがわかっているからなんですよ。ところがピッチャーの投げるボールもテニスのサーブも0.3秒前後で届いちゃうんですよね。

ということは投げられる前や打たれる前に、脳から指令が出ていないと対応できないということになるんです。「ボールを良く見て打て」などといいますが、じっくり見極めてから反応していたら空振りに終わるわけです。だからボーッと事前動作を見るのが大事ということですね。解像度を上げていたら間に合いません。

ビジネスの対応も似たようなところがありまして、このスピードが求められる時代に、お客様の反応を解像度高く観察していたら、もう間に合いません。提案を投げた段階で、お客様からの違和感をキャッチする必要があるのです。そのためには目を凝らしていてはダメで、ボーッと全体を見ながら感じとることが大事なんです。

まとめ

解像度を上げろと言われますが、いつでも上げるのがよいわけではありません。上げるべきタイミングと下げるべきタイミングがそれぞれあるのです。

しかも下げるタイミングのほうが、実は重要だったりするんですよね。

さらに解像度を上げるのはリテラシーですから、誰でも訓練次第でできるようになります。しかし下げるほうはセンスですので、訓練というより実戦で磨く必要があります。下げるほうが難しいのですよ。


自分のしたいことと向き合うことで、わたしはしあわせになれたと思っています。わたしの生き方を知って、ちょっとでも癒やされる人がいればいいなあという気持ちで書いています。スキやフォローは本当に励みになりますので、よろしくお願いいたします。