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みゆきの本棚~ブックトーク編~

ごきげんよう。

みなさま、"ブックトーク"ご存知でしょうか? 

ブックトークとは、一般的に1つのテーマに沿って本を紹介する方法を指します。
本の紹介ではあるものの、一貫したテーマがあり、紹介する相手を意識したものであることが特長です。

授業でブックトークをやってから、いい機会なのでここにも残しておきたくなったので書いてみました。


テーマは「読後に甘いものが食べたくなる本」です!

それでは、スタート。


しろくまちゃんのほっとけーき

1冊目。
私の覚えている中で一番昔の愛読書。
母に確認してもやはりこの本が最初の愛読書みたいです。

この絵本、ホットケーキを作るだけでなく、一緒に出来上がったホットケーキを食べるシーン、お片付けするシーンもあります。
料理を作る楽しさだけでなく、片付けるまでが料理ということまで教えてくれる絵本です。

しろくまちゃんやこぐまちゃんは、よくみたらオレンジの入り方が独特で、でも親しみ深くてかわいいです。

好きなページは、ホットケーキが焼ける工程の見開きページ。
ぷつぷつが大好き。
この絵本で知ってから未だにホットケーキを作る時にぷつぷつを眺めるのが好きです。

ホットケーキ作りたいなあ。


幸福な食卓

2冊目。
こちらは中学の時に出会いました。

あらすじはこちら。

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けにくる母、元天才児の兄。そして佐和子には、心のなかで次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。

『幸福な食卓』講談社文庫 あらすじ

すこしヘンテコ?でも普通な家族って無いかもな、と思う作品。

この作品の中で、主人公の兄の彼女がシュークリームを作って、主人公に持ってくる描写があります。

そして、最後の「プレゼントの効用」という章を読むと、その兄の彼女と主人公の佐和子のせいで私はシュークリームが食べたくなりました。

弟に読ませても、シュークリーム買ってきてって言われました。

シュークリームで口も手もぐちゃぐちゃにしたい。これはスーパーの安いシュー生地なイメージ。食べたい。


西洋菓子店プティ・フール

3冊目。
こちらは大学生になってから読みました。
好きな作家さんの1人、千早茜さんの作品です。

北海道江別市出身の方です。
近い!同じ都道府県なだけでそう思っちゃう。

いつもTwitter(現X)でも美味しそうな食べ物を載せていたり、「わるいたべもの」という食べ物のお話を書いたエッセイを出していたり、美味しいものが好きな千早先生。

パリブレストの描写がこちら。

上のシュー生地には光沢を帯びた飴色のとろりとした液体が塗られていた。そこにナッツや金箔がちりばめられている。小さいけれど、重厚で、丁寧に作られている感じがした。金箔や飴らしき液体がひかえめに光を屈折させる様子がとてもシックだった。

『西洋菓子店プティ・フール』125頁11行目


美味しそう。とてもパリブレストのイメージができる。高級さが伝わってきます。

千早先生が美味しいものを好んでいるからこそ、ひとつひとつの描写が美味しそうなんです。

文庫版では、パティシエールの方との対談やあとがきがあります。それを読むと更にスイーツの描写へのこだわりも知れて楽しいのです。

主人公はフランスで菓子作りを修行したパティシエールの亜樹です。
亜樹は菓子職人の祖父のもと、下町の西洋菓子店「プティ・フール」で働いています。その中で起こる、女ともだちや恋人、仕事仲間、お店を訪れる様々な人の様々なことと、それに伴う変化を描く連作短編小説です。

亜樹のことだけでなく、様々な人間たちとスイーツが絡まっている作品です。

この作品もシュークリームが食べたくなります。「プティ・フール」で一番人気なのがシュークリームなのです。

こっちは、お菓子屋さんのシュークリームを丁寧に食べたくなります。




一貫して、甘いものと人との関わりがある作品たちを選びました。
1冊目はお友達と一緒に食べたり、お母さんと作ったり。
2冊目は家族との団らんだったり、兄の彼女との関わりがあったり。
3冊目はお店や主人公を通じた周囲の人達とスイーツだったり。

1冊目と3冊目は直接的にスイーツが出てきますが、2冊目みたいに間接的ながら、心を支えてくれるものの一つとしてスイーツが出てくることもあって。

作品にのめりこむ中で、直接的だけじゃなくて間接的にも私の感情まで蝕んで甘いものを食べたくなる体験をこの3冊でしました。

よかったら読んでみてください🧁

またね:)


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