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ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンの原則

ヨゼフミューラー=ブロックマンといえば、グリッドシステムを開発し、スイスデザインを引率した偉大なグラフィックデザイナーだ。

彼について調べていて、私が感銘を受けたのは、自身の原則を取り決め、それを徹底的に守ったことである。

人生に一貫性を持つこと

ブロックマンは若いうちからこれらの重要な人生の基本方針を取り決め、生涯守り続けた。

1.ひとりであること。結局、すべては自分の気力や思考力、自己批判にかかっている。
2.教養を身につけること。自分の生きている世界や社会、建築、新しく生まれる諸芸術・演劇・音楽・科学・研究に興味をもつこと。原則として自分の知らないことすべてのことに興味をもつこと。
3.周囲の環境を批判的に心に留めること。自分の気に入らないことすべてをより良い可能性に置き換えるよう試みること。
4.20世紀を意識すること。芸術・社会・科学の領域で、今世紀に生み出されたものを心に留めること。また、手本とすべき人々が達成した価値あるものを認識し、尊重すること。
5.職業や人間関係の失望を受け入れ、その原因を探ること。客観的な自己批判の姿勢を保つこと。自己批判こそが、良い時も悪い時も最良の友人である。
6.自分の仕事に向けられた賛辞や成果が、客観的に見て正当なものか冷静に検証すること。自分の成果を手本とすべき人々の業績と比較して捉えること。
7.どのような批判も肯定的に受け止めること。そうすれば以前にはわからなかった間違いに気づくことができる。いわれのない批判も有益である。他人の思考のありようを教えてくれる。

 ブロックマンはこの7つの原則を取り決めたが、その後、新たな方針がひとつ追加される。

8.造形者として一般社会に害となり得る仕事の依頼は断ること。

関わりたくない製品と理念のリストを作成し、そのリストにはたばこ製品、アルコール飲料、戦争関連のおもちゃ、土地や家屋投棄、政党などが含まれていた。

人生を分割して考える

ブロックマンは人生を3つに分割して考えていた。

30歳までは自分の造形的な才能を探し出すためできるだけ幅広い表現を探求する。

30歳から35歳までは自分の道を見定めることに尽力する。

40歳になるまでは道を広げ、深めることに全勢力を注ぐ。40歳以降は想像的能力は育たないとブロックマンは考えていたのだ。

まとめ

ブロックマンからは自分の人生の原則を決めることの重要性を教わった。

これがあるだけで、自分がやること、やらないことがはっきりするだけではなく、何があってもブレずに常に自分自身でいられるのだ。

結果として、彼は歴史に名を残す偉大なグラフィックデザイナーとして人生を生きた。


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