アルフィーファンとなった日

17歳の春だった。進学校にいた私は教師を目指し大学受験を意識し始めていた。音楽は大好きでヒット曲は聴いていた。ザ・ベストテンは毎週観ていた。中学生の時、買ってもらったガットギターが押し入れに、小5でやめてしまったピアノ教室、練習に使っていたオルガンが部屋の片隅に追いやられていた。それなりに音楽は好きだった。でも全てが中途半端だった。父が厳しかったので、コンサートに行きたいと思うこともなかった。私には別の世界、縁のない世界だった。その日を迎えるまでは。

当時、受験生となった私は毎日机に向かい、時々カセットをかけたりラジオを聴いたりしていた。ながら勉強なんて言葉が流行っていた。ダメだと思いながらラジオに耳を傾けていた。

アルフィーと言う名前は少し前から知っていた。音楽雑誌にファンの子が投稿していた記事を読んで、その子のアルフィーを褒める文章が心に残っていたのかもしれない。ある日ラテ欄で見つけた文字、アルフィー。アルフィー、どんな人達なんだろう。何の気なしにラジオを聴き始めた。

電撃ワイドうるとら放送局。めっちゃ派手なテーマ曲が流れて聴こえてきた声を今でもはっきり憶えている。

アルフィーの営業部さくらいまさるです!

アルフィーの制作部たかみざわとしひこです!

アルフィーの宣伝部坂崎幸之助です!

3人揃ってアルフィーです!!!

とにかく元気だった。明るかった。仲良さそうだった。そして、面白かった。坂崎さんの物真似、高見沢さんの心に刺さる話、桜井さんの‥‥‥あ、当時の桜井さんはほとんど喋らなかったww私はいっぺんで、アルフィーが気になる存在になった。なんだかわからないけど、アルフィーのことをもっともっと知りたくなった。

アルフィーがメジャーになる、まだまだ前のこと。もちろん、ネットもない時代、私は必死にアルフィーが何者なのか追いかけていた。

つづく

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