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福祉施設のICT【Microsoft365のTeams電話の利用レビュー】

こんにちは。社会福祉法人美芳会の人事のひとです
今回は福祉施設のICT取り組みの事例として、美芳会で取り入れているMicrosoft365のTeams電話について書いていきます。

美芳会では、よりよい社会福祉サービスの提供のために、職員の「働きやすさ」「働きがい」「成長」を大事にし環境整備に力をいれています。


介護施設の生産性向上とICT

介護現場の生産性向上とは?
生産性向上は、従業員の労働時間あたりの付加価値を向上させる取り組みです。具体的には、業務の見直しによる改善活動にとどまらず、情報通信技術(ICT)を導入して業務効率化や生産性向上を実現していくことです。
この取り組みにより、介護の業務時間の集中をはかり、提供する介護サービスの質を高め、介護の価値向上へとつながることを重視しています。

ICTの導入による生産性向上

介護現場でICTを活用の例とメリットです。

  1. 業務負担の軽減: 介護記録ソフトや勤怠管理システムなどのデータの蓄積や集計にソフトウエアを活用することで、事務作業や請求業務の負担を減らすことができます。

  2. 情報共有と連携のスムーズ化: ICTを活用することで、情報共有や連携が円滑に行えます。

  3. 介護業務の時間確保: ICTツールの導入により、記録入力時間の削減に伴い介護業務に充てる時間を確保ができます。

  4. 介護サービスの質向上: ICT化により、介護の質が向上します。AIによる画像処理からの転倒リスクの検知や排せつリズム、睡眠リズムの測定による支援のタイミング検知など介護サービスにおける生活支援のアシスト機能による質の向上につながると言えます。

  5. 利用者の満足度向上: ICTツールを活用することで、利用者の満足度が高まります。また利用者家族への情報伝達も簡易で迅速に行えることも、利用者や家族の満足度へつながると言えます。

Microsoft365のTeams電話について

美芳会ではMicrosoft365のBusiness Standardを中心にMicrosoft365のソフトを利用しています。そのうち、外線電話の機能となるTeams電話を3つの施設で現在利用しています。
Teams電話を使うにはいくつかの選択がありますが、美芳会ではソフトバンク社を通じてUnitalkを使用しています。
【Teams電話のために使用しているライセンスは以下】
・Microsoft Teams 電話スタンダード
・Microsoft Teams 電話リソース アカウント
・Microsoft365 Business Standard
・Softbank Calling for Office 365
・※Unitalkの電話番号ライセンス

また導入にあたって、参考にしたのはぷちとまカイゼン大学さんのnoteを参考にさせていただきました。 (ありがとうございます)

他にもYoutubeにも日本マイクロソフトさんやソフトバンクさんなどがTeams電話の動画あげているのでそちらも参考にして導入しました。

Microsoft365のアカウントとTeamsアプリがあればパソコンやスマートフォンどちらでも発着信ができるということで、リモート対応ができる電話システムと理解していただけると思います。

美芳会の利用概要

美芳会では、3拠点のうち2拠点がナンバーポータビリティ(もともとの番号をそのまま使用)の利用しもう1拠点が新規発番(0ABJ番号)しました。
高齢者介護施設ということもあり050番号での発信は、利用者ご家族様や介護支援専門員の事務所からは「怪しい番号に見える・不安だ」といったような声が聞かれ

たので0ABJ番号の形式を採用しました。

拠点の電話にアカウントを設定して代理人利用をすることで、拠点の電話がなったらグループ化されている他のアカウントも一斉に電話が鳴るたり、発信時はグループ化されているどのアカウントでも発信番号が拠点の電話番号となるため、デバイスや場所にとらわせず電話対応ができることがとても有効活用されています。

使用しているデバイスとしては、パソコン・スマートフォン・タブレットを利用しています。
電話応対にはヘッドセットや受話器型(レトロタイプ)のヘッドセット(画像参照)
受話器型のレトロタイプのヘッドセットは職員からは好評?で、パソコンで電話を受電する際に今まで使っていた受話器タイプのものがないと落ち着かないようで、使い慣れた形にカスタマイズすることも重要な要点でした

使用してみての感想

導入して1年近くたちますが、使用してみてよかった点と課題と感じる点や苦労した点としては、以下のような項目でした。

【よかった点】
①パソコンで受電ができ、ライブキャプション(文字起こし)が利用できること。
wifi環境のパソコンで受電ができることで、移動が可能なことや手元での情報確認がしやすい点や、Teamsのテレビ会議機能のライブキャプションが利用できるため、音声とともに文字で通話相手から話を確認することができます。Teams会議の機能が有効なのでレコーディング(※相手へのレコーディング案内が必要なので注意が必要です)や参加者を追加してグループ電話にすることも可能なため、多機能な点がよかった点に当たります。

②Teamsの音声分離機能がリリースされたため、事業所内のノイズによるトラブルがなくなったこと。
利用開始時はノイズキャンセルの機能が十分でなかったことと、パソコンやタブレットのマイク収音機能の調整が不慣れであったため、相手側へ周りの雑音が多く入ってしまい苦情を頂くことがありました。
2024年5月あたりにリリースされている機能で音声分離をいれたところAI判定によるノイズキャンセルが優秀で、登録されている音声者以外の声がキャンセルさせクリアに伝わります


【課題・苦労した点】
①電波環境が悪い時
 電波環境が悪い場合、電話がプチプチ断線している感じがあります。固定の電話線と比べると多い印象が感じられるため、マイナス点としての評価が目立ってしまった印象です

②パソコン操作が不慣れな職員への拒否感
 外線は電話機で受けるもの!といった先入観も含めてパソコンが苦手な職員から使用前の拒否感は多かったです。この点は、事前にパソコンでのテレビ会議の推進を行って、そこで慣れている職員はスムーズに受け入れてもらえた印象が大きいです。この点は普段からのシステム利用をストレスなくできる環境を準備することが企画側の課題と思います。

③共用アカウントでの運用
 この点は、非公式的な利用の仕方なのかもしれませんが、1つの部署アカウントで数台のパソコンにTeamsへログインした場合、電話がはいると複数のパソコンで表示・同時に鳴ることになります。
介護施設ということもあり、電話が常にとれる環境じゃない職員もいるため、受電用のアカウントを整備をするなどオフィスワークとの利用想定との違いに対して環境整備に四苦八苦しました。まだまだ手探りでの環境整備を行っておりますが、予定よりライセンス数が増えるなどの懸念があります。

トータルとしては、設定の難しさや使用の際のハードル等ありますが、スマホ利用可能によるBCPの観点や文字起こしなどの機能が利用できる点を考慮し今後の働き方の拡張性を考えると導入することに満足度が高い内容ではあると思います。今後もTeamsの利便性があがるとこれらの周辺機能があがる見込みであるので(TeamsPremiumやCopilotといった商品サービス)、いろいろな展開を期待しつつ、導入テストのトライ&エラーを繰り返していき、介護業界・福祉業界の生産性向上につなげていきたいと思っております。

以上雑感でした。感想・コメント・おすすめ等いただければ幸いです。

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