くそばばぁ事件!
帰宅途中の電車で隣に座ってる女性が独り言を言ってる。
何を言ってるかわからないが、ふと2年半前のくそばばぁ事件を思い出した。
その頃、いとこが愛猫2匹と共に、引越しの家が決まるまで転がりこんできたのだ。
同居期間は4ヶ月、することなすことがお互いにおかしくて、毎日笑いころげていた。
そんなある日、いとこからLINEが届いた。
「今日、仕事休みだから夕飯作るよ。タコスにするけど他に食べたいものある?」
「タコス美味しそうだね! それで充分」
私がいつも乗る電車は、そんなに混雑をしていないから、途中の駅から必ず座れる。
その日は珍しく、いつも座る駅よりも前に席が空いて運よく座れた。
心の中で「ラッキー!」って叫びながら座った。
しかも家に着くと、おいしいタコスができてる。
なんて最高な1日なんだろう。
私が座った右隣は若い女性が座っていた。
荷物が当たらないように腕を自分の体にくっつけて、おとなしくしていた。
ところがいきなり、右隣の若い女性に腕を肘鉄されたのだ!
ん?
はじめは何かわからなかった。
でも、私の腕が当たったのかもしれないと思い、さらに腕を体にくっつけて座っていた。
電車は途中で地下から地上に出るが、その日は夕焼けがとても美しかった。
思わず、夕焼けを見たのだが、右隣の女性の方を向くような感じになってしまった。
そして次の駅に到着。
右隣の若い女性の降車駅のようで、席をたった。
その女性が私の前を通るとき、なにか強烈な視線を感じた。
ふと顔をあげた。
その女性と目があった瞬間、
鬼のような形相で、口パクで
「く・そ・ば・ばぁ!」
吐き捨て、私をにらみつけながら扉に向かって歩いている。
体は前に進んでいるのに、目は私をガン見したままだ。
思わず
「やかましい! くそ女!」
と言いかけたが、私はその言葉をのみ込んだ。
女性が降りたあとは、何もなかったかのように平和な車内が戻ってきた。
家に帰って、いとこに車内であった出来事を話してる間、爆笑していた。
ひとしきり笑ったあと
「よく我慢した!」
と誉めてもらい、おいしいタコスにありつけたのだ。
滅多に怒ることはないのだか、久々に腹がたった
一件だった。
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