オミクロン対応株ワクチン承認に関しての厚労省への質問事項

BA.1オミクロン株対応二価ワクチン承認について

・新規の特例承認では無く、一部変更による特例承認が行われたということで間違いないか。

・ファイザー、モデルナ両社から成分変更の申請は無く、効能効果・用法用量変更の申請しか出ておらず、効能効果・用法用量変更のみで一部変更による特例承認し、販売可能にしたということは、厚労省としてはオミクロン株対応二価ワクチンは武漢株ワクチンから成分変更は無いという認識か?

・成分変更が無いという認識なら、その根拠は?
9月12日の審議会でファイザー社は「有効成分が1価ワクチンのときのトジナメランに加えまして、2価ワクチンはリルトジナメランが追加になっております。」、モデルナ社は「有効成分はこれまでのエラソメランに加えまして、オミクロンのBA.1に対応いたしましたイムエラソメランが追加になっております。」と、薬品名が新たにつけられたオミクロン株用mRNAが有効成分として追加になったとの発言があり、矛盾するのではないか?
生成されるスパイクタンパク質が異なれば、大きくその性質が変わることが変異株による病原性の違いでも表れているが、なぜ成分の変更は無いと判断したのか。

親薬品(今回は武漢株用ワクチン)からの同一性の有無は総合的に判断されるが、一般的に有効成分変更の有無は承認される薬品の親薬品からの同一性の判断に大きく寄与することは間違いないか?
今回のオミクロン株対応二価ワクチン承認においても、有効成分の変更は無いと判断されたことが、「武漢株用ワクチンと同一性が保たれている」という重要な根拠になっているか?


・あるいは、もし今回、有効成分の変更はあるという認識なら、なぜ一部変更承認時に効能効果・用法用量変更のみの承認と発表したか。また、おおむね(原則として)有効成分の変更が有る場合は新規承認によると条文で示されているにも関わらず、総合的に判断して同一性があると判断した根拠は何か。

・今回は武漢株用ワクチンから同一性が失われていないと判断したので一部変更承認による特例承認だったということで間違いないか?
仮に同一性が失われたと判断された場合は新規承認が必要であったということで間違いないか?


新規特例承認と一部変更による特例承認における、提出及び評価が必要な項目の違いについて

https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20220912001/672212000_30400AMX00016_A100_1.pdf

https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20220912003/790314000_30300AMX00461_A100_1.pdf
①実験動物等による、非臨床薬理試験及び非臨床薬物動態試験、②毒性試験は新規承認の場合は資料提出・評価は必要であるが、一変承認の場合は必要ない、ということで間違いないか。

③臨床的有効性及び臨床的安全性は一変承認の場合でも資料提出・評価は必要なのか。今回ファイザー社は56歳以上のみ、モデルナ社は18歳以上のみ(論文における実際の最低年齢は20歳)の比較的少数症例の臨床試験の提出であるが、新規承認の場合と一変承認の場合で求められる症例数の規模や対象年齢の範囲など差はあるのか。今回は新規承認でなく、一変承認であるから二価ワクチンの臨床試験データの無い年齢層にも接種可能と判断したのか。

その他、新規特例承認と一部変更による特例承認における、提出及び評価が必要な項目の違いは何があるか。

BA.5オミクロン株対応ワクチン承認について

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28280.html

「オミクロンBA.4/5株対応の2価ワクチンの薬事申請がなされた場合、当該申請は、効能・効果、用法・用量の変更に該当する変更とはならず、製造方法の変更の一部変更承認申請となる見込みであります」

「亜系統での変異であれば株の抗原性が大きく異ならないことから、亜系統の変異株に対する各ワクチンの免疫原性も大きく異ならないということが想定されます。したがいまして、オミクロンBA.1株対応の2価ワクチンにおいて、臨床データも含めた評価がなされていることを前提に、オミクロンBA.4/5株対応の2価ワクチンにおいては、欧米同様臨床データがなくとも評価は可能と考えられます。」
と議事録に記載があります。

同じオミクロン「亜系統」であれば、成分変更の扱いは無いのはもちろん、効果効能・用法用量の変更でも無く、製造方法の変更のみとする根拠は何か?
一方で、武漢株からオミクロン株なら効果効能・用法用量の変更扱い、なのはどういう根拠か。便宜上デルタ、オミクロンなどの命名をしているが、あらゆる変異株は初代の武漢株からの「亜系統」とも言え、主としてスパイク蛋白のエピトープ(部位)がどの程度変異しているかの違いである。どの程度のスパイク蛋白のエピトープが変異したら、どのような変更扱いとすべきかの基準と根拠を教えて頂きたい。

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